1890（明治23）年創刊「神奈川新聞」

（つづき）

かながわ検定・横浜ライセンス事務室には、「かながわの記憶」という戦後の報道写真集をつくるためのファイルに古き時代からの神奈川の歴史の足跡を写した紙焼きのフィルム写真を管理、集約している。
　

神奈川新聞社発行『かながわの記憶』
　

編集局アーカイブ室写真資料担当の大河原さん
　

中区・山手の横浜地方気象台から写した風景。1950（昭和25）年ごろ
　

1949（昭和24）年の伊勢佐木町

そして11階へ。
　

11階は「神奈川新聞」の記事編集がメインの「編集局」
　
　
活気がある様子

報道・文化・運動部をはじめ、新聞紙面の制作実務の中心にあたっている。取材時は比較的落ち着いた雰囲気だったが、神奈川県内で事件が起こると一変、ものすごく殺気立った雰囲気でバタバタと人が出入りする場所になるという。
　

社内案内は
　

コミュニケーション局の
　

柴田一男さん

このように、小学生の社会科見学で社屋を案内することもあるのだそう。
　

フロアの中央には全国各地の新聞が
　

翌日の新聞のレイアウト・入稿状態はデータ管理され、ひと目でわかるようになっている
　

紙面づくりの決定権をもつデスク会議中、ピリッと締まった空気
　

運動部にも膨大な記事スクラップが

最後に残念ながら写真はNGだったが、会社経営の要、経営管理局のある12階を案内していただき本社屋めぐりは終了。
　

12階からはベイブリッジが一望できた

「社是である、“言論の自由を守り、真実・公正な報道を貫き、地域社会とともに明るい未来の創造を目指す”。これが私たち神奈川新聞の精神です」と語る、コミュニケーション局長の春名義弘（はるなよしひろ）さんのお話を最後に、神奈川新聞本社屋を後にした。
　

カナロコ星人のでんでん太鼓を持つ春名さん

　

1972（昭和47）年開局「テレビ神奈川」

在京キー局の傘下としてではない独立UHF局としてtvk（テレビ神奈川）は41年前に開局。
現在の本社屋は「神奈川新聞」と同様、横浜メディアビジネスセンター内にある。
「tvkでお買い物情報番組ばかり放送しているのはなぜ？」の記事でもお世話になった社屋内の様子を、もう少し深く見せていただくことに。
　

tvk4階受付。視聴者からの質問にも電話対応ができるよう、放送中番組の画面がすぐそばに
　

同じく4階にある報道局

日中のオフィスには、稼働している社員は少ない。さまざまな現場へ出かけている、テレビ局をはじめメディアならではのオフィス風景。

tvkが横浜メディアビジネスセンターに本社屋を構えたのは神奈川新聞同様、9年前。旧社屋があった山下公園から移転した。神奈川新聞が同ビル内にあることは、報道をする上で「情報のやり取りがしやすい」ので強みだという。

tvkには多くの自社制作による長寿番組があり、そのひとつである、神奈川県の広報番組、「カナフルTV」（日曜 午前9時30分～10時手話付き）の収録スタジオにおじゃました。
　

緊張感がある収録中。写真は制作陣側のみで

ここで収録された番組を編集するのがこちら。

　

編集室
　

撮った映像素材を「切ったり」「つないだり」「差し込んだり」と操作をする

本社屋内はこのほかに、番組の素材を番組編成作業により、あらかじめ決定した放送進行表に従い、構成し、送信所に送り出す主調整室が。
　

主調整室（マスター）
　

マスター内にあるお天気カメラの操作機械

「テレビ番組が今まさに送られている」という感じが伝わってくる現場。

前回の取材時と同様、最後に、今回も社屋内を案内してくれたテレビ神奈川編成部副参事の近藤さんから社屋内の珍しいであろうスポットを社屋めぐりの案内をしてもらった。
　

カラフルなロッカー
　

実は
　

女子トイレにある個人ロッカー

・・・なかなか珍しい様子であった。
　

メディアビジネスセンター1階のレストラン「APPLAUSE」

ここ「APPLAUSE」では平日限定のランチバイキング（11時30分～15時）が850円で楽しめ、tvkお昼の情報番組「ありがとッ！」が併設スタジオで12時～14時に生放送されているので、番組放送風景を楽しみながらのランチもできる。
　

取材を終えて

媒体の種類は違えど、神奈川県を代表するメディア3社は、「地域に根付く」という意識を深く強く感じさせる本社屋であった。

景気や時代の流れはあるものの、神奈川にしかない特性や、変わらない伝統や文化を大切に、神奈川県代表メディアから発信されるさまざまな情報を、これからも楽しみにしていきたい。


　
―終わり―