敷地4坪、立ち食いスタイルだった上大岡店

　

今はなき「上大岡おみやげセンター」内に出店

駅に隣接しており、駅から降りてすぐの建物だったという「上大岡おみやげセンター」に上大岡店ができたのは今から40年ほど前。スペースが4坪程度と狭かったため“立ち食い形式”に。吉川さんによると、当時のメニューは「ポークカレー」「ビーフカレー」などベーシックなカレー5品。食券制ではなくキャッシュオン制であったり、ステンレスのお皿に盛って提供していたりと、現在とは大きく異なる営業スタイルだったようだ。

その後、駅ビル開発に伴い「上大岡おみやげセンター」が開業。「パルロード」に仮店舗を移し、そこで初めて着席スタイルに。メニューもそこから次第に増え、1996（平成8）年に「上大岡ウィング」が創業するとともに現在の位置となった。
　

「上大岡ウィング・レストランアベニュー」
　

高級感と清潔感のある佇まい。こちらのメニューは21種類
　

カウンター13席の明るい店内
　

13年間、上大岡店の店長を務める飯嶋さん

柔らかい物腰と笑顔が印象的な飯嶋さんが、リオのカレーの辛さの楽しみ方の秘密を教えてくださった。

リオのカレーの基本の辛さは中辛。甘口・大辛・激辛でオーダーすることもできるのだが、大辛と激辛の際に使用する「大辛の素」があるそうだ。中辛のルーに、大辛の際はひと回し、激辛の際はふた回しするという言わば「あと入れ」のスタイル。実際に見せていただいた「大辛の素」がこちらだ。
　

皮膚に塗ったらすぐさま発汗しそう
　

・・・ぺろっ
　

ッア※△◎□（喋れない）

最初は油断してしまうほど辛味を感じず、配合された大豆の香りが鼻から抜ける。数秒後に訪れたのは赤みの正体、唐辛子のピリピリとした刺激。く、唇が痛い！
本来はかけていただくべきものを、直接舐めてしまったおかげで三浜は降参したが、最近ではお客の三割程度が大辛・激辛でオーダーするのだとか。辛い刺激に強い方は、ぜひ挑戦してみてほしい。

上大岡店では運良く常連さんにも遭遇することができた。
　

お顔出しはNGのネッシーさん

上大岡ウィングに移転した当時から常連さんだったというネッシーさん。本日はミニカレーセットをオーダー。
「上大岡に来たら食事は必ずここなの。量もちょうどいいし、カレーって1人分は作れないでしょう？」とのこと。店員さんとも本当に仲が良さそう！
　

三浜は半スパカレー（800円）をオーダー
　

スープ＆サラダつきなのも嬉しい
　

もう1品、飯嶋さんオススメのオムレツカレー（680円）は、卵本来の甘みとカレーがよく合う！

カレーの美味しさ、味の親しみやすさはもちろんのこと、リオで働く方々の笑顔や接客の姿勢にすっかりファンに。清々しい気持ちになり、店を出てからもずっと心に残っていた。
　

すっかり飯嶋店長のファンに！

　

取材を終えて

意外な事実だったのが、株式会社リオが「名品街」に1号店をオープンさせてから最大10店舗まで飲食店事業を拡大し、厚木で居酒屋も経営していたということ（！）。「カレーハウス　リオ」に関しても、15年ほど前には有楽町・吉祥寺・浦和にまで店を広げたそう。しかしながら、次第に撤退。横浜市内でも、菊名店は4年ほど前、日吉店は今年に惜しまれつつも閉店し、現在は相鉄ジョイナス店・上大岡店のみとなっている。

なんだか少し悲しい気もするが、混む時間帯を避けて来店した取材中も両店舗ともに大盛況だった！　日本人の舌に合わせた飽きのこない味と細やかで気持ちの良い接客で、これからも「横浜の老舗カレー店」として市民に寄り添い続けていくだろう。
　
　
―終わり―
　　

相鉄ジョイナス店
所在地／神奈川県横浜市西区南幸1-5-1　相鉄ジョイナス　B1F
営業時間／11：00～23：00（L.O.22：30）
定休日／不定休（ジョイナスに準ずる）
席数／37席
電話番号／045-311-0037

上大岡店
所在地／神奈川県横浜市港南区上大岡西1-6-1　ウィング上大岡
営業時間／月～金・祝日11:00～22:00（L.O.21:45）
土・日・祝前日11:00～22:00（L.O.21:30）
定休日／不定休（ウィングに準ずる）
席数／13席
電話番号／045-848-7863