【年末特別企画】もういくつ寝ると午年がやってくる師走の横浜を2頭の駿馬がひた走る!
ココがキニナル!
来年の干支である「午(うま)」が有馬記念で夢を買い、蛇に挨拶し、馬車道を駆け抜ける!そしてこの勢いのまま来年もはまれぽは今年以上に横浜市内を駆け巡る!
ライター:永田 ミナミ
馬、生まれ変わる
やるべきことを終えたわれわれは、ちょっと美味しいものでも食べようじゃないかと再び街に繰り出した。
フグで福でも呼ぼうということになり、「ささ川」の暖簾をくぐる
しかし、よく考えるとフグを食べられるほどの資金は持っていなかったので、おすすめのものを何か持ってきてくださいと注文してとりあえず乾杯。
「馬に乗るとも口車に乗るな」と言いますからね。地道にいきましょう(瓶ビール420円)
おすすめがやってきた。おかみさんに頭を撫でられて喜ぶ永田ホース
「おお、美味しそうですね。これ何ですか?」「馬刺(650円)です」
気絶
人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)とはよく言ったものである。しばらくして目を覚ましたわれわれが意馬心猿に暮らした今日1日を振り返り、生きているわれわれがしっかりしなければ、と気持ちを新たにしたのは言うまでもない。
馬刺は目を覚ました後、少しのあいだ人間に戻って美味しくいただきました
松本さん、ご協力ありがとうございました。馬刺、本当に美味しかったです!
結局、自分の足で走るしかないのだ
すっかり心を入れ替えて店を出たわれわれは、夢見がちだった昼とはちがうキリッとした顔に変わっていた。
「トナカイだけじゃなくて僕らにも橇(そり)引かせてください。働きたいんです」
そうこうしているうちに、気がつくと馬車道に着いていた
そして気がつくと走っていた
「ゴールはあの街灯だ」と息を切らしながら吉田ホースが言った
昼間、賭けに負けたことも忘れ、われわれは夜の馬車道を駆けに駆けた。すっかり竹馬の友のような気持ちになっていた馬2頭は「おまえ、なかなかやるじゃないか」「おまえもな」と言いながら抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰りひろげ、結果は写真判定にもつれこんだ。
カシャ
カシャ
カシャ
取材を終えて
鼻差で勝利したのは吉田ホースだった。しかし勝敗や払戻金額にこだわっていた昼とはちがい、お互いの健闘と讃え、握手をし、肩をたたきあったものである。
そしてお金のかからない水飲み場で同じ水を飲む馬2頭
競馬はやはりデータと運である。思い入れだけの語呂合わせで勝てることはめったにない。
やがて歩きだした馬2頭は次第に速度を上げ、夜の横浜に消えていった。
馬2頭の行方は誰も知らない。
では、みなさん良いお年を!
※ところどころフィクションです
‐終わり‐
まん馬けん
住所/横浜市中区野毛町1-45 港興産ビル2階
ささ川
住所/横浜市中区野毛町2-74
電話番号/045-242-8320
営業時間/月~金15:00~23:00(L.O.22:30)、土・日 12:00~23:00(L.O.22:30)
Kanapikaさん
2014年01月01日 01時28分
一年の締めくくりにふさわしい、はまれぽらしいユーモアと味わい深さ溢れるいい記事でした!!
通りすがりの横浜好きさん
2013年12月31日 15時27分
クッダラナーイと思いつつ読み入ってしまいました(笑)はまれぽさん、今年一年お疲れさまでした。来年も面白く興味深い、はまれぽさんならではの記事を待ってます。