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もはや入手不可? 味のある手書きマップ「たのしいたのしい横浜港クルーズ」の謎に迫る!

ココがキニナル!

山下公園クルージングターミナルにある「たのしいたのしい横浜港クルーズ」というパンフレットの地図が何故か全て手書きです。理由や書いている方を是非知りたい(ため息で感じちゃう女Sさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

横浜みなと博物館の学芸員が横浜港の魅力を知ってもらおうと、急きょ作成したもの。好評だったので改訂をくわえても手書き部分は残している

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ライター:秋山 千花

ついにパンフレットのキニナルが判明!?



 


結局なんだかんだでたどり着いた港湾局


港湾局の窓口は「賑わい振興課」の志田さん。これまたいきなりなお願いに少々戸惑っているご様子も、「調べてみますよ!」と親切かつ力強いお言葉。港の人々は本当に心が広い。

で、後日メールで送られてきた回答によると・・・

「キニナル」パンフレットは、これまでの調査からも判明している通り、港内視察見学会の参加者に配布していたもので、みなと博物館のリニューアルや象の鼻パークがオープンした2009(平成21)年ごろに、港湾局賑わい振興課(当時は「振興事業課」)が作成したものである。
 


「時をかける象・ペリー」もいる象の鼻パーク

 
港内視察見学会は、横浜市港湾局が市民をはじめとする多くの方に横浜港への理解を深めてもらいたいという目的で行っている事業で、2010(平成22)年度までは、横浜市の海事広報艇「はまどり」を利用した港内見学会として実施。

それ以降、2012(平成24)年度までは、株式会社ポートサービスへの委託事業としてマリーンシャトルを利用した港内見学会に。
さらに翌年度からは、港内見学会とこれまで別事業として実施していたふ頭内の施設見学会、PR事業などを一本化した「横浜港理解促進事業」として、横浜港振興協会への委託事業として実施しているという。
 


マリーンシャトルでも港内見学会を行っていた!?

 
なるほど、クルージングターミナルに「キニナル」パンフレットがあったのはそんな経緯からか・・・

パンフレットの制作部数についての記録は残っていないとのことだが、平成22年度から平成24年度の間に港内視察事業でマリーンシャトルに乗船した人数が4万9658人いたという記録から、かなりの部数を印刷したことが推測される。

では、キニナル「手書きマップ」の制作者についてはどうだろう?
 


実はパンフレットに重大なヒントが!? 右下部分に注目
 

ここです、ここ! なぜここまで気づかなかったのだろう?

 
筆者、これまでただの広告と思ってテキトーに見過ごしていたのだが、実はこれこそが「手書きマップ」の謎を解く重要な鍵だったのだ。

そう、驚く程緻密に描かれた手書きマップの制作者は港のエキスパート「横浜みなと博物館」の学芸員さん。それはもう、細かく詳しく描かれているはず。



手書きマップの制作者に聞く!


 


では、「横浜みなと博物館」でお話を聞いてみましょう!
 

こちらがイラストマップ制作者の志澤(しざわ)副館長

 
さっそく「キニナル」イラストマップ制作の経緯についてお話を聞くと、「あのパンフレットはもともと当館で行った港内見学会のために作成したものなんです」といきなり新事実が明らかに。
 


初代パンフレットは「たのしいたのしい横浜港“ミニ”クルーズ」

 
「横浜みなと博物館」(当時は「横浜マリタイムミュージアム」)の港内見学会というのは、2001(平成13)年に横浜市民を集めて行った横浜市海事広報艇「はまどり」を利用した見学会。
 


制作クレジットには「2001.6」と記載

 
「当初パンフレットを作る予定はまったくなかったんですが、前日の夕方になってやっぱり何かあった方がいいかなと思って急遽作成したんです」と志澤副館長。

その制作時間はというと「だいたい3~4時間くらい」と驚きの集中力! 「とりあえず見学会のコースを書こうと思って書き始めたら、やっぱり地図だけだとつまらないなと思ってしまって・・・」と、そこから更に乗船した際に目を引く建物や施設のイラストと説明文を書き加えていったのだという。

「あのころはまだ多少若かったから、細かくいろいろ描いたけど、今はこんな風に細かくは描けませんよ(笑)」と当時を振り返る。
 


初代では施設の解説文も手書き

 
もちろん、そんな志澤さんの港への想いがたくさん詰まったパンフレットは、上々の評判だったよう。見学会参加者への配布はもちろん、後日残ったパンフレットは館内でも配布され、何度か再印刷もかけたとのこと。

港湾局が志澤さんのパンフレットを使いたいと協力を依頼したのは、その評判はもとより、手書きで緻密に描かれたそのマップが横浜港の魅力を伝えるのにふさわしいと考えたからだろう。

港湾局のパンフレットとして制作された際には、解説部分を読みやすいように活字にしたり、建物などの変化箇所を修正するなどの手が加えられたが、ベースとなるイラストマップは初代のままだ。
 


初代マップでは大黒ふ頭も建設中だった

 
志澤副館長という人は、もともと絵心のある方なのだろう。改めてマップを見るとそれはただの地図というより、ひとつの完成されたアート作品のようにも見える。制作したご本人も「天才でしょ?(笑)」と満足の仕上がりのよう。

過去には博物館で行われた映画会のためにこんな素敵なパンフレットも制作している。
 


なんとも味のあるイラスト

 
「映画と言えば・・・」と、ここで告知がひとつ。今年25周年を迎える同館では、今夏その記念イベントのひとつとして博物館の屋上を観覧席にした屋外映画祭を予定しているとのこと。「ぜひ、宣伝しておいてください」と副館長としての顔で語る志澤副館長。

博物館やその学芸員というと、なんだかお固い印象をもっていた筆者だが、いやいや大好きな横浜港を盛り上げるため様々にアイデアを生み出すその姿勢には思わず感服。
インターネットには載っていなかったパンフレットの調査から、「港・ヨコハマ」の魅力を再確認させてもらった。



調査を終えて



志澤副館長のイラストマップにはこんな言葉が書かれている。

『このマップを片手に、デッキに出て、港のようすをジーッと見ましょう。今まで気がつかなかったものが見えてきます。』

実際、マップを片手に港を歩き、本当にたくさんの施設があることに気づかされた。

志澤副館長は言う。「横浜港に来たならコンテナターミナルにコンテナが入っているところをぜひ見てほしい。船がたくさんいるということは、港の繁栄の象徴。ぜひ船に乗って外にでて、港の本当の姿をみてほしい」と。

志澤副館長の描いたイラストマップには、港の本当の姿が描かれている。そして、そこには志澤副館長の横浜港への深い愛があるように感じた。


―終わり―
 

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  • はまれぽ編集部に行くと複製品がもらえるとかは無いですかね。

  • 最近は横浜関連の検索トップヒットがはまれぽ記事も多くなりました。これからも足を使ったマニアックな取材を期待しています。お疲れ様でした。

  • 手書きマップの味がよく出ていました。素晴しい!

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