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神奈川県がワインの生産量日本一って本当? その理由とは

神奈川県がワインの生産量日本一って本当? その理由とは

ココがキニナル!

ワイナリーの件数は山梨県がトップですが、ワイン生産量は神奈川県が一位だとか!/神奈川県のワイン工場って?生産量日本一の根拠は?(白マントさん/ナチュラルマンさん)

はまれぽ調査結果!

ワインの生産量は神奈川県が日本一で、その約95%がメルシャン藤沢工場で生産されている。その理由は、南米をはじめ海外から手頃な値段で大量にワインの原料が輸入できるため

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ライター:丹治俊樹

ワインの流通網は?

 

主な輸入先(© OpenStreetMap contributors
 

メルシャン藤沢工場で作られるデイリーワインの原料は、すべて輸入した海外産。チリをはじめとした南米産が多く、ほかにはオーストラリア、南アフリカなど。北半球ではスペインが輸入元の中心だ。

原料のブドウはメルシャンの社員が直接現地に飛び、その場で果汁の味や輸送方法などを確認。試作試験しながら決めているという。

 

海外での話し合いの様子(提供:メルシャン藤沢工場)
 

前述した通り、原料の多くが南半球の輸入元から日本へ運ばれるが、赤道を通る際、果汁や果実のままでは暑い地域で劣化する可能性が高い。そのため、輸入は「濃縮果汁をドラム缶で輸送する」「すでに発酵してワインにしたものをコンテナで送る」の2つの方法に絞られるのだ。

濃縮果汁や海外ワインなどの原料は、横浜港か東京港に荷揚げされ、港に完備された専用の保冷庫に保管。到着翌日に使う原料分をトラックで藤沢工場へ運ぶ仕組みだ。

工場内で生産されたワインは卸先へ出荷される。藤沢工場で生産されるワインは国内のみに出荷され、首都圏と近畿圏が7割を占めるという。

 

消費者の元へ出荷されるワイン
 

首都圏が多いのは単純に人口が多いためだが、新潟の日本酒、九州の焼酎など地元のお酒が根強い人気の地方もあるので、このようなデータになるそうだ。

卸先は、酒販店はじめスーパーやコンビニ、ディスカウントショップ、ドラッグストアなど。毎日飲める「デイリーワイン」は、酒販免許のあるさまざまなお店に出荷されている。



日本一の生産量になった背景



メルシャンのワインの生産体制は分かったが、それだけで神奈川県までワイン生産量日本一になってしまう経緯はどのようなものだろう。工場長らによれば、「他工場よりも圧倒的に安く大量に海外から仕入れるための体制が整っていた」ということが、背景があるそうだ。

1970年代から、日本では需要の高まりによって国産ワインを作るブドウの量が足りなくなることが懸念されていた。
そこでメルシャンは、ブドウの産地に近い山梨県内のワイナリー(醸造所)である「シャトーメルシャン」で国内の原料のみを用いてワインを製造するとともに、メルシャン藤沢工場は大量消費に備えて海外からの原料をもとに作るという、役割分担の方針を定めたのだ。

 

山梨県内で生産されるブドウ
 

藤沢工場で外国産の原料を扱うようになった初期のころは、安く品質も高いユーゴスラビアやハンガリーなどの東ヨーロッパから原料を買っていた。しかし、これらの国々がEU(欧州連合)に所属した途端、原料の価格が一気に高騰。

これにより、東ヨーロッパからの輸入が価格的に厳しくなってしまった。しかし、同時期に南米からもワインを高品質で安く輸入できる環境が整ってきたという。

特にチリは、ブドウの木に寄生する「フィロキセラ」という虫の被害にあっていない世界で唯一の国であり、乾燥していて気温の寒暖差も大きいことから、高品質で低価格なものが作れる。

 

安価かつ高品質のワインと果汁を仕入れられるようになった南米チリ(緑矢印)
© OpenStreetMap contributors
 

さらに、日本とチリでは経済連携協定を結んでいるため、ワインと果汁は関税がかからず、東ヨーロッパから仕入れていたときよりも安く、より多くの量を輸入することができた。そうした状況を受けて製造工程の見直しを行い、日本一の量を生産できる体制が整ったのだ。

神奈川県が生産量でトップになった時期は正確には分からないというが、海外から輸入を始めた1970年代ごろからは、間違いなく日本一だったという。

 

藤沢工場で生産されたワイン
 

メルシャン藤沢工場で作られるワインの値段は、一番高くても700円台。1990年代後半ごろまではワインは高いというイメージがあり、焼酎ブームなどもあって業界的に生き残っていけないという危惧もあった。そこで生産コストを抑え、1000円ほどだった値段を一気に500円以下で売れるようにしたという。

いまではスーパーやコンビニで300円台のワインが販売されている。誰でも気軽にワインが飲めるようになった背景にはこのような経緯があったのだ。



取材を終えて



神奈川県が「ワインの生産量日本一」の都道府県である背景には、メルシャン藤沢工場が南米をはじめ海外から手頃な値段で高品質なワインの原料を輸入し、多くのワインを生産しているからだった。

今では手頃な値段でスーパーなどで手に入るようになった日本のワイン。時代の大きな変化を感じることができた。


-終わり-
 
 

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  • 取材、ありがとうございました!メルシャンでしたか!サントリーも南武線沿線は川崎市にあるからサントリーのハウスワインも?と思っていましたが…(笑)ハウスワイン、飲むだけでなく料理にも重宝します。肉料理、また加熱してアルコールを飛ばしてワインゼリーとか。普通に飲んでも美味い!とても勉強になりました。ありがとうございました!

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