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神奈川区六角橋のスーパー駐車場にある、2体の七福神の正体とは?

神奈川区六角橋のスーパー駐車場にある、2体の七福神の正体とは?

ココがキニナル!

六角橋の業務スーパーの駐車場一角に、大きな布袋様と福禄寿の石像がある。この石像、業務スーパーが出来る前、かなり古くからあったそうです。誰が何のために設置したの?(ねこぼくさん)

はまれぽ調査結果!

六角橋の業務スーパーの敷地には元々銭湯があった! そして、布袋尊と福禄寿は、かつての銭湯の経営者が商売繁盛を祈念して、銭湯の入り口に設置したものだった。

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ライター:結城靖博

最後に残る最重要取材先


 
ここまで「業務スーパーの布袋尊と福禄寿の謎」について、ぐるぐると外堀を埋めるような取材を進めてきた。だがまだ、核心部分の取材が残っている。
それは、最初に突撃した業務スーパーの店長からアドバイスを受けた、あの場所の管理者である「サンゴ地所」への取材だ。
 


2体の石像も「そうだそうだ」と言っているような・・・

 
もちろん同社にも日を置かず電話で問い合わせてみた。すると、「あの土地の現所有者にうちから訊いてみましょう」と、親切な対応をしてくれた。

数日後、「サンゴ地所」からメールで返事をいただく。回答者は現所有者のご子息とのこと。ちなみに所有者の苗字は、「親松の湯」で見せてもらった資料に線が引かれていた名前と同じ「伊藤」さん。もちろん、「藤の湯」の経営者の子孫だった。
回答によると、銭湯は戦前からあり先々代まで経営し、1991(平成3)年ごろ閉じたそうだ。また、石像は少なくとも60年以上前に、商売繁盛を祈願して購入したのだという。

なるほど、ああいうものはきっと石屋さんに作らせて購入するものなのだろう。それにしても、あの風格。きっと腕の立つ職人によって丁寧に作られたにちがいない。
 


2体の形態にあわせて変化をつけた台座にさえ深い味わいを感じる

 
なお、「親松の湯」の堀さんの推測とは異なり、「藤の湯」は戦前からあった。
これについては、さらに後日図書館で調べた資料からも裏付けできた。
2018(平成30)年に横浜市歴史博物館で開催された展覧会「銭湯と横浜」の図録に、「第2次世界大戦直前の公衆浴場一覧」が載っている。その「神奈川警察署管内湯屋営業組合」の項に、「第三藤ノ湯 西神奈川町5-119-1 伊藤蒼輔」とあったのだ(ここでは「の」ではなく「ノ」と表記されていた)。
しかも「第三」とまで付いている。前後の欄を見ると、経営者は異なるが「第一藤ノ湯」「第二藤ノ湯」も同管内に存在していた。さらによく見ると、「第一、第二・・・」と付く銭湯はほかにもいくつかみられる。「隆盛館」という銭湯は「第五」まである。

どうやら華やかかりしころの銭湯は、まるでコンビニ・チェーンのように系列店があちこちに点在していたらしい。
布袋尊と福禄寿の謎解きから、思わぬ別の発見に及んだ取材だった。
 
 
 

取材を終えて


 
思えば商売繁盛のためにあれだけ立派な石像を入り口に建てるなんて、それだけでもかつての「銭湯」の繁栄が想像できるというものだ。
だが今は、スーパーの片隅で風雪に耐えるかのような布袋尊と福禄寿。
実は現所有者にはほかの場所への移設計画も尋ねてみたが、その予定はないという。確かにあれだけ大きいと動かすだけでも大ごとだろうし、置き場所にも悩みそうだ。

とはいえ、2体の大らかな笑顔を見ていると、こう語っているようにも感じた。
 


「ハッハッハッ、どこにいたって関係ないわい。商売繁盛、商売繁盛!」

 
 
―終わり―
 
 
取材協力
業務スーパー六角橋店
住所/横浜市神奈川区西神奈川3-6-7
電話/045-488-3710
https://www.gyomusuper.jp/shop/detail.php?sh_id=1116

サンゴ地所株式会社
住所/横浜市西区北幸2-10-50
電話/045-316-1501
http://www.sango-jp.com/framepage_company.html

はなさわ
住所/横浜市神奈川区斎藤分町3-15
電話/045-491-0614

石井商店
住所/横浜市神奈川区斎藤分町2-16
電話/045-491-9393

親松の湯
住所/横浜市神奈川区六角橋2-15-5
電話/045-491-8196
https://k-o-i.jp/koten/shinmatsunoyu/


参考資料
『横浜の町名』横浜市市民局総務部住居表示課編・発行(1996年刊)
『昭和五十一年度組合員名簿』神奈川県公衆浴場業環境衛生同業組合編・発行(1976年刊)
『銭湯と横浜』横浜開港資料館・横浜市歴史博物館編、横浜市ふるさと歴史財団発行(2018年刊)

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