国道357号計画、全線開通まであとどれくらい?
ココがキニナル!
国道357号計画で、全線開通のメドは いつ頃でしょうか? また本牧~ベイブリッジ、大黒ふ頭~扇島~東扇島~浮島~羽田の計画は?(ゆ〜ぱぱさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
全線開通の目処は立っていない。本牧〜ベイブリッジ間は本年度内工事開始。大黒ふ頭~扇島~東扇島~浮島~羽田は建設の必要性を考慮し順次着工
ライター:ムカイカツヲ
東京湾をぐるりと取り囲む総延長約160kmの東京湾岸道路。沿線に港や空港、工業地帯を抱えるこの道は、主に物流の効率化を目的として整備されている。このうち、国道357号は千葉県千葉市から神奈川県横須賀市までの約92kmであり、神奈川県内区間はそのうち約35km。
国道357号計画は、東京湾岸道路の内陸部の交通混雑緩和のため、昭和52年度に事業化された都市計画だ。
【参考リンク】 国土交通省関東地方整備局首都国道事務所
現在の開通区間を見に行ってみた
神奈川県内の国道357号・35kmのうち、現時点で開通(暫定供用)されているのは、川崎市の東扇島・約3km、横浜市では磯子区新磯子町〜金沢区八景島・約9km、そしてはまれぽでも取り上げた横浜ベイブリッジ一般部・約2kmだ。
とりあえず、横浜市に向かう前に東京方面から開通区間を見てみようと、東扇島に向かってみた。
高速と並走する国道357号
通過する車はトラックがほとんど
周辺には物流関係の建物が多い
東扇島には、物流関係と思われる建物がところ狭しと立ち並び、実際に通る車のほとんどはトラックだった。おそらく、この区間は、東扇島内の各倉庫と高速との間でトラックが動きやすいように設けられたのではないかと推測。
詳しいお話を聴きに、国土交通省の横浜国道事務所へ
神奈川県内の国道357号の今について詳しくお話を伺うべく、国土交通省関東地方整備局の横浜国道事務所に取材をお願いした。
三ツ沢にある横浜国道事務所
横浜国道事務所は、神奈川県内の国道の建設と保守を行う国土交通省の機関だ。今回は、同事務所の副所長松山さんと調査課の大堀さんがお話してくださった。
フレンドリーに対応してくださった松山副所長(右)と大堀さん(左)
国道建設の大原則は、周辺の道路状況に照らして「本当に必要なもの」から着手すること。その判断基準は種々あるのだが、例えば新しく国道ができることで周辺道路の渋滞等が緩和され、周辺住民・地域の利益に繋がることが条件となる。
外国貿易額全体のシェアの約9%を占め、港湾としては日本一の規模を誇る横浜港にとっては、湾岸部に存在する港湾施設・物流施設の機能効率化が大きな課題。必然的に増える大型車両の通行が引き起こす慢性的な渋滞が、周辺住民の生活・周辺地域の経済に影響を与えないようにすることが必要なのだ。
国道357号、神奈川県内の計画(国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所/クリックして拡大)
キニナルにあった横浜周辺の区間に関してお話を伺うと、本牧〜ベイブリッジの区間については予算が承認され、本年度着工が決定したそうだ。大黒ふ頭・扇島より先の区間に関しては明確な整備プログラムは確定していないが、様々な効果を十分検討して段階的にすすめていくとのこと。
扇島は特定の企業の工業施設の立地が中心で、沿道を出入りする一般交通の利用が少ないのが現状。つまり、一般交通の利用という観点からは、このような区間の建設優先度は低いことになる。
後日、川崎国道事務所にも取材をしたが、やはり川崎市側の区間についても建設優先度は低いとの回答だった。
そういう意味で、国道357号が全て繋がるまでにどれくらいの期間がかかるのかは、現時点で明示できていないというのが実情のよう。
そして、工事中の国道357号、首都高の磯子ランプ〜三渓園ランプ間の4.5kmの区間が、ちょうど今年中に完成とのこと。現地に行ってみるつもりです、とお話したところ、なんと松山副所長のご厚意で、工事中の国道357号の内部を見せていただけることになった。