赤レンガ倉庫近くに大量に積まれていた謎の荷台の正体は?
ココがキニナル!
赤レンガ倉庫の近くにある倉庫に、すごい数のパレットが積んであります。あれなに!?海岸通り、日本郵船歴史博物館のあたりだと思うんだけど。以前は普通の倉庫だったと思うのでキニナル!(もぎゃさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
旧日本郵船倉庫を改修した「Bank ART StudioNYK」という、横浜市が推進するクリエイティブシティ事業のプロジェクトの拠点。パレットは川俣正氏の作品。
ライター:橘 アリー
パレットとは、荷物を乗せるための平らな木製の荷台のこと。“すごい数のパレットが積まれている”とは、どのような状態なのだろうか? まずは、キニナル投稿の、「海岸通りの日本郵船歴史博物館あたりの倉庫」の場所を確認してみた。
赤レンガ倉庫側から見た建物の様子。日本郵船歴史博物館が入っているのは右側のビル
キニナル投稿が送られたのは2012(平成24)年12月。現在その姿は見えないが、投稿と一緒に送られた画像には、確かに“すごい数のパレット”が積まれている。積まれている、とうよりも、覆われているといったほうが近いかもしれない。
キニナル投稿に送られた画像
建物をよく見ると、敷地の一画に、パレットや木材が積まれていた。キニナル投稿が送られた当時の名残だろうか。
パレットや木材が積まれている様子
建物の入口は、海岸通り側にある。確認するために、この建物に近づいてみると・・・
建物前に「Bank ART StudioNYK」という看板が。向かいには木材の壁が!
「Bank ART StudioNYK」と「すごい数のパレット」について、代表の池田修さんにお話を伺った。
パレットの正体は!?
池田さんは、代官山 ヒルサイドギャラリーのディレクターなど、多方面で展覧会や美術プロジェクトのディレクターやコーディネーターとして活躍され、2004(平成16)年からBankARTの立ち上げと企画運営に携わっておられる。
お忙しい中、快くお話を聞かせてくださった池田修さん
2004(平成16)年3月、旧富士銀行と旧第一銀行の2つの建物を活用して、「Bank ART1929」と呼ばれるプログラムがスタートしたという。「Bank ART1929」は、歴史的建造物等を活用して、都心部再生の起点にしていこうという、横浜市が推進するクリエイティブシティ事業のプロジェクト。そのジャンルは、美術・建築・パフォーマンス・音楽など多岐にわたる。
その後、旧富士銀行は2005(平成17)年に東京藝大大学院に、旧第一銀行は2009(平成21)年にヨコハマ創造都市センターになり、それ以降「Bank ART1929」の主な活動の拠点となっているのが、旧日本郵船倉庫を改修したここ「Bank ART StudioNYK」というわけだ。
ちなみに「NYK」は、国際的に知られる日本郵船株式会社の略称、「NYK(NIPPON YUSEN KAISHA)」から。過去には「はまれぽ」でも「OPEN YOKOHAMA」の舞台になっているのを取り上げたことがある。
東京藝大大学院(旧富士銀行/左)とヨコハマ創造都市センター(旧第一銀行)
―「Bank ART1929」の具体的な活動を教えてください
「現在行っているアーティストに創作環境を提供する『レジデンスプログラム』や、美術・演劇・写真・建築・音楽・ダンスなどについて学べる講座『バンカートスクール』の開催、さまざまな展示会やトリエンナーレなどがあります」
―「Bank ART1929」の名前の由来は?
「旧第一銀行と旧富士銀行の2つの銀行(Bank)の建物を芸術文化に利用するという意味と、2つの建物がどちらも1929年に建てられたものなので、そこから作られた造語です」
―ここのほかにも、Bank ARTの施設はありますか?
「新港ふ頭に『ハンマーヘッドスタジオ新・港区』、関内に『Bank ART sakuraレジデンス』、新潟県に『Bank ART妻有』があります」
「ハンマーヘッドスタジオ新・港区」の様子(出典:Bank ART1929)
「Bank ART妻有(新潟県)」の様子(出典:Bank ART1929)
「Bank ART StudioNYK」について分かったところで、“すごい数のパレット”について聞いてみた。