「本牧だな」。後部座席の編集者・千葉がつぶやいた。

方向音痴の人が、横浜市内にある見ず知らずの土地から、地図を見ないで横浜駅にたどり着くことができるか検証するこのシリーズ。第1回では大通りの案内標識をたよりに、第2回では「横浜駅西口」行きのバス路線をたよりに、無事、横浜駅にたどり着いた。

意外な好評を受けて、シリーズ第3回の取材が決まった。前回、編集者の勘を働かせてスタート地点を予想した千葉のせいで、急きょ出発地点を変更した経緯があったが、今回も懲りずに予想を始めてしまった。
　

しかも当たっているからタチが悪い

今回も、目隠しとヘッドホンで情報を遮断しながら、車でスタート地点へ。千葉の予想は「本牧」だが、取材班も万が一また予想されてしまっても対応できるよう、複数のスタート地点候補をリストアップしていた。
　

さあ、ここはどこでしょう？

地図を発見！　が、次の瞬間・・・

目隠しを取って、すぐにまわりの“茂み感”におののく千葉。実はここ、ある川のほとりだった。
　

目の前に堤防があった

今回のスタートは、川崎市との市境で、鶴見川と矢上川とが合流する鶴見区の「鷹野大橋」付近。駐車スペースの都合で川崎市側からのスタートとなってしまったが、横浜駅から最短経路で10kmちょうどの地点だ。
　

ほとんど直線でたどり着くことができるはず（Googleマップより）
＜クリックで拡大＞

目の前にある県道111号に沿って南下すれば自動的に国道1号に着くし、途中で県道2号（綱島街道）に移っても結果は変わらない。方向さえつかめばまったく迷いようのない場所だが・・・
　

看板を見つけても「さっぱりわからん」・・・何で？
　

やがて、看板の地図に「現在地」の文字を発見！

地図は、ここが鶴見川沿いであることがわかる表示になっているうえ、すぐ北側は川崎市、少なくとも南（川を越える方向）に向かうべきであるのが一目りょう然だ。

「わかった、こっちだ」

さすがに今回は簡単すぎたか？　カメラマンが思った瞬間・・・
　

えっ・・・えっ！？

北に向かって歩き出す千葉。あわてる取材班。
さんざん地図を見て、自信満々に「わかった」と宣言して、まさか川崎に向かうとは。

ほどなくして「幸区」と書かれたカントリーサインを発見し、間違いに気付いた。
　

「えぇ！？　川崎かい！」・・・そうですよ

もう一度、地図の場所に戻って再検証。看板を向いて「自分の後ろ方向が川崎」とわかったので、前方に進めばいいというところまでは把握した様子。
　

改めて正解の方角へ