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江戸時代、戸塚宿の名物に「うどん豆腐」というものが有ったと聞きました。東海道五十三次の名物番付に載っていたとか。これは一体どんな食べ物なんでしょう?ぜひ調べて下さい。(パルちゃん)

はまれぽ調査結果

資料にない幻のメニューかと思われたが、江戸時代の名著『豆腐百珍』に載っていた。うどん豆腐とは、豆腐を細かくうどんのように切ったものだった。

ライター:永田 ミナミ (2013年09月10日)

(この記事は2013年09月10日の再掲載です)

うどん豆腐?

「うどん豆腐」と聞いて、どのような食べ物を想像するだろうか。うどん寄りの「豆腐」か、それとも豆腐寄りの「うどん」か。調べてみてもほとんど情報が出てこないなか、どうやら名物番付が『東海道五十三次繁昌記』というものであること、そしてそれを掲載した資料が国会図書館にあるところまで突き止めた。そこで永田町にある国会図書館に向かい、登録利用者カードを申請してまで入館したのだが、何と「製本中」という3文字に阻まれ閲覧できなかった。

 


あゝ 無情

 


いきなり実食


出鼻をくじかれたが、『東海道五十三次繁昌記』以外にもうひとつ検索でヒットした、手がかりになるかもしれない情報を見つけていたので、東京メトロ永田町駅へと歩きながら電話をかけて取材を申し込んだ。

そして翌日夕方近く、記者は東戸塚駅から歩くこと20分余り、静かな住宅街のなかにある一軒のうどん店の前に立った。

 


35年ほど前に麻布十番からこの地に移って開業した京うどん「きぶね」

 

入口横のひょうたんの形をしたメニューには確かに「元祖 戸塚うどん豆腐 八百五十円」の文字が


店に入り、取材依頼をしていた旨を伝えると、厨房のなかから、「注文が入って手が離せないので好きなところに座ってて」、という気さくな返事が。待っている間に店内の写真を撮らせてもらった。
 


店主が今風に・・・

 

うどん豆腐の写真も発見


しばらくすると、ご主人が厨房から出てきて「うどん豆腐」について話をしてくださった。

うどん豆腐をつくろうと思ったきっかけは、「5、6年前に常連客の1人から京都でこんなものを見つけた」、と渡された『東海道五十三次繁昌記』だったそうだ。つくり方は、おそらく木綿豆腐をうどんのように細く切って出していたと想像したが、どうも美味しくなりそうに思えない。

資料は何も残っていないと聞いたがそのうち自分で再現してみたくなり、どうせ出すなら美味しいものでなくてはと考え、うどんに豆腐を練り込むことを思いついたのだという。うどんのコシがありながら豆腐の香りも残す配合と、つゆもうどん豆腐用に配合し、約1年かけて新たに考案したという。

 


ついに実物の『東海道五十三次繁昌記』を見ることができた。東の小結に「うどん豆腐」がある

 

「今まで残っていないということは、美味しくなかったんだよ」と鋭い指摘の店主、岡田さん


「江戸時代、神奈川には大山豆腐があったから、それが戸塚宿に入ってきたのではないか」というさらに鋭い考察に舌を巻いていると「当時のものとは違うだろうけど食べてみる?」と言ってくださったので、昼食を抜いてきた記者は飛びついた。

 


時空を超えて再現というより再提案された「うどん豆腐」

 

独特のやわらかい喉こしながら、うどんらしいしっかりとしたコシもありとても美味

 

最近は天ぷらやいなりと組み合わせたいという希望に応えて「素うどん豆腐」も出しているそう


30年ほど前、出前が多く多忙だった時に、うどんとそばの合盛りが面倒で両方を一体化させた「そどん」を開発したのをきっかけに、さまざまなオリジナルメニューを生み出してきたご主人だからこその逸品だった。

ただし、ご主人も言っていた通り、これは江戸時代の「うどん豆腐」とはおそらく異なる。そこで『東海道五十三次繁昌記』を詳しく見てみると、欄外に「編集 中村静夫」「中村地図研究所発行」とある。つまり、これは江戸時代に発行されたものの複製ではなく、現代に「編集」されたものなのだ。
 


そうなると、「東の小結」というこの三役の地位は中村静夫氏による選定なのだろうか



文献にのっていたうどん豆腐の正体とは?・・・次のページ

 

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