ツルが飛んできた?旭区鶴ケ峰の地名の由来を探る!
ココがキニナル!
旭区にある鶴ケ峰という地名。由緒正しそうな地名ですが、由来が知りたいです。宜しくお願いします。(ポスポスさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
当地を流れる川とその近くにある小高い場所というふたつの特徴的な地形から付けられたという説が有力!
ライター:田中 大輔
ツルという鳥は、気品を感じさせる美しい鳥だ。
日本では北海道東部のタンチョウが有名で、1月ごろに見せる求愛のダンスは風物詩にもなっている。
といっても、今回はツルの話題ではない。
ツルという漢字、すなわち“鶴”を地名に含む地名、鶴ケ峰の謂われを調べるというのが本題だ。
美しい鳥と自然の雄大さを感じさせる峰という漢字の組み合わせ。
果たして、読んで字のごとく上品な由来が隠されているのだろうか。
重忠公終焉の町
鶴ケ峰があるのは、旭区。
町内を相鉄線が走っていて、鶴ヶ峰駅(地名は“ケ”だが、駅名では“ヶ”が使われている)があるのは2丁目だ。
北側に隣接して鶴ケ峰本町という町もある。
相鉄線鶴ヶ峰駅。急行は止まらないが、寂れた印象はない
旭区の区役所を含む総合庁舎は鶴ケ峰1丁目にあり、区政の中心地でもある。
旭区総合庁舎。目の前を厚木街道が走っている
鎌倉時代の武将・畠山重忠が没した地としても知られ、鶴ケ峰本町の「畠山重忠公碑」など、重忠にまつわる史跡も少なくない。
畠山重忠公碑。手前にあるのが“さかさ矢竹”
鶴ケ峰の名前はずいぶんと古いようで、鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』にも“鶴峯”として登場している。その由来に話を移していこう。
ツルが飛んでくるから鶴ケ峰?
地名について調べてみると、当地に面白い言い伝えがあることが分かった。
鶴ケ峰を話題にするとよく出てくるのが、駅から少し歩かないといけないバスターミナルだ。
そのターミナルを出たバスは、国道16号線に合流するために専用の橋を渡る。
その橋の下には帷子(かたびら)川が流れていて、いくつも橋の姿を目にすることができる。そのうちのひとつ、ターミナルよりもやや下流に「鶴舞橋」というのがあるのだ。
鶴舞橋の親柱。フェンスに隠されるようになってしまっている
橋の欄干には黒地に金の文字が書かれたレリーフが取り付けられている。
2010(平成22)年に設置された説明書き。ツルも描かれている
そこには、「ふるさと鶴ヶ峰より」の出典と旭区役所の署名とともに、地名の由来が解説されている。
その内容をかいつまんで説明すると、その昔「鶴舞い田」という田んぼの真ん中に島があって、そこにツルがたくさん飛んで来ていた。そのツルたちは、国道16号付近の高い峰で休息をとったからココは「鶴ケ峰」なんだ、という内容だ。