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馬車道駅近くに突如現れた巨大ドームの正体は?

ココがキニナル!

アイランドタワー横の市庁舎建設予定地の空き地に謎のサークルが。何ができるのか気になります。(えこいちさん、あきあき♪♪♪さん、Dすけさん)

はまれぽ調査結果!

ドームの正体は横浜市のベンチャー企業が作った植物工場で、2014年10月末まで都市型農業の社会実験を行う。市の緊急雇用創出事業の一環でもある

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ライター:はまれぽ編集部

クラゲ? みなとみらいに現れた謎の物体


2013(平成25)年12月、みなとみらい線馬車道駅近くに突如謎の物体が姿を現した。
 


クラゲのような外観


一見しただけでは、どういったものなのかまったく想像ができない。そして、投稿にある通り、この場所は横浜市庁舎移転候補地の一つで、既に市が取得している土地だ。


市の管理地のため、立ち入り禁止


さっそく市に問い合わせてみることに。

横浜市経済局新産業振興課によると、謎の物体は温度や水、光などをコンピューター制御して植物生育管理をすることで野菜などを通年で栽培できる「植物工場」という栽培施設とのこと。

同所に設置された植物工場は、屋外に設置して太陽光を利用するタイプで、2004(平成16)年に創業した横浜市の農業系ベンチャー企業「グランパ」(横浜市中区不老町、阿部隆昭社長)が展開しており、2013(平成25)年12月上旬から約3週間で建設した。

また、この植物工場は失業者対策事業の一つで、臨時的な雇用機会を生み出す「起業支援型地域雇用創造事業(=緊急雇用創出事業)」の一環で、2014(平成26)年10月末まで野菜の栽培や施設見学などの情報発信を行う。

取材を申し込んだところ、内部を見ることができるということで現地に向かった。



コンピューター制御された農業施設



実物は、さながらビニールハウスといった雰囲気だが、ドームの内部には農業用の最新技術が集約されている。


見た目は大きめのビニールハウス


現地ではグランパの阿部社長ほか、同社アグリコンサルティング部の染宮信之介さんに話を伺った。

ドームの直径約27メートル、高さ約6メートルで敷地面積約574平方メートル。ドームの膜材は断熱性と採光性の高いフッ素樹脂フィルムを採用している。内部の圧力が変化しないよう、二重扉にしており、送風機8台、エアコン4台が備え付けられている。

阿部社長の案内で詳細を見てみることに。


ドーム内部を説明する阿部社長


同社は三重県や滋賀県、山梨県に同様のドームを展開し、「グランパ横浜農場」と名付けた横浜は8軒目。


ドーム内からはみなとみらいが一望できる


県内では藤沢市、秦野市に次いで3軒目。また、復興支援を目的に岩手県陸前高田市や福島県南相馬市でも屋外型の植物工場を持っている。横浜に本社を置きながら、他県が先んじているのは、もともと阿部社長の弟が横浜で創業していたことと、横浜という都市部で農業を営むことが難しかったことが大きい理由だが、前述の通り、市の土地であるため実現に至った。

室内や水温は常に20度前後にキープし、湿度、肥料濃度なども自動管理をしている。全国のドームに異常があった場合でも横浜本社でコンピューターによる一括制御を行う。

ドーム内には直径約20メートルの栽培水槽があり、常時1万4250株の苗を栽培できる。


すべてコンピューター管理


苗は成長するにつれて大きくなり、一定の場所で植えるためには、あらかじめ成長後を見込んで余分なスペースを空ける必要があるが、ドーム内の水槽内に植えられた苗は、成長度合いに応じて円の中心から外周に向かって移動する。この仕組みを採用したことで、同規模のドーム栽培に比べて約1.5倍の苗を植えることができるのだという。


巨大な水槽も自動制御


グランパ横浜農場で栽培するのは栽培しやすいリーフレタスという葉物の野菜のみで、1月7日から本格的に稼働させた。その詳細を染宮さんに伺った。

染宮さんによると、年内にリーフレタスを発種させて1月7日以降、ドーム内で苗を育てる。



苗の水も一定に保つよう管理している
 

その後、1月下旬に苗を栽培用スペースに移し、3月中の収穫を目指す。

露地栽培の場合は収穫まで80日前後かかり、年に2回収穫するのが限度だというが、グランパ横浜工場では気温など外的要因に作用されないことと、生育に適した環境を整えているため、通年で栽培することができ、収穫までの期間も45~50日前後と大幅な短縮に成功した。水耕栽培で化学農薬を使用していないのもグランパの野菜の特徴で、苦みやえぐみが少ないそう。


収穫が始まると1日平均350株ほど収穫でき、10月末までに8万4000株ほどの収穫を見込む。市場での販売価格は季節によっては露地栽培より50~100円ほど高くなるが、安定供給できるメリットが生じる。



説明してくれた染宮さん
 

当面の課題は露地栽培と同等の価格帯まで引き下げることで、輸送コストを軽減するために拠点(ドーム)を全国展開したい考えだという。