横浜なのに美味しい油そばが食べられるお店はどこ?
ココがキニナル!
東京を中心に流行している「油そば」、横浜ではあまり見かけませんが、あえて横浜で食べるならどのようなお店があるのでしょうか。(ときさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
弘明寺の「中屋」、藤が丘の「大文字」の油そばを堪能!! 両店の共通点は「あっさり味」と「気さくでやさしい店員」!
ライター:はまれぽ編集部
はまれぽでは現在「横浜の家系ラーメン全店制覇への道~家系図を作ろう~」で横浜市内、ときに市外まで足をのばし家系ラーメン店をめぐっているが、「東京モノの油そばをあえて横浜で食べるならどこ?」というのが今回のキニナル。
家系ラーメン店でも油そばを提供する店もあるが、油そばを「店の看板メニュー」としている店をリサーチ・・・したところ、どこも東京に本店のある多店舗展開しているところが多い模様。
・・・というわけで、今回ははまれぽユーザーからツイッター上でイチオシの店を募り、横浜市内の個人店を2店ピックアップ。では、行ってみましょう。まずは「ただただ美味しいです」と投稿のあった弘明寺の「中屋」さんから。
「中屋」のあぶらめん
さっそくアポイントを・・・とインターネットで検索してみたところ、電話番号が載っていない。ここは突撃取材を敢行! というわけで、弘明寺へ。
横浜市営地下鉄弘明寺駅から徒歩で約2分の「中屋」へ到着・・・
中休みの時間をみはからって突撃!
中へ入ると、スタッフの金(こん)さんが突然訪れたにもかかわらず取材を承諾、笑顔で対応してくれた。
スタッフの金(こん)さん。写真は恥ずかしい! とのことなので背中で語ってもらう
中屋は今から4年前に開店、現オーナー(以下、大将)は「中屋」2代目。開店から2年後、もともと知り合いだった前オーナーから縁あって店を買い取ることに。「店を出すのが夢だった」という大将は和食店で修行後、都内のラーメン店に勤務していたとのこと。
カウンター8席のシンプルな内装
なぜ初代オーナーや大将は「家系ラーメン店」が中心の横浜で、東京モノだといわれている「油そば」を中心としたラーメン店としてやっていこうと思ったのだろうか? スタッフの金さんはにこやかにこう答える。
「横浜で油そばの店って珍しいでしょ! あえて家系文化にぶつけてみようと思ったんです!!」
とはいえアンチ家系っていうわけでもないんですよー、とサワヤカな笑顔を見せる金さん。リサーチをしても油そばをメインに提供するお店があまりなかったのは、「東京の食べ物」として浸透しているからだということを改めて感じる。そう思うと同店のオーナーはなかなかの猛者(もさ)だ。
ここでいよいよ油そばをオーダーしようとメニューを見てみると・・・
「あぶらめん」
金さんになぜ「そば」ではなく「めん」なのか伺うと、「ちょっと普通と違うところを見せたくて」と笑う。お客さんの7割が注文するという人気メニューなのだそう。
そもそも東京で「油そば」ブームになったのは、武蔵境の「珍々亭(ちんちんてい)」がTV番組に取り上げられたから、というのが理由なんだとか。そんなお話を伺いつつ、調理風景を見せていただいた。
醤油ベースの「秘伝のタレ」を器にまず入れる
バーナーでチャーシューを炙る
あぶりチーシュー、メンマ、半熟玉子と揚げネギを盛りつけて・・・
あぶらめん(600円)完成!
いただきます!
・・・美味い。正直、「油そば」というとこってりしていて「胃もたれ注意のキケンな食べ物」という先入観があったのだが、醤油ベースのタレのうまみがほどよい油と一緒に麺にからみ、するすると入っていく!
この上品かつ和風な「あっさり感」の理由は?
金さんいわく、ラーメンのスープやタレの作り方に、「繊細さ」を重視した調理法を取り入れているからではないか、という。なるほど、和食料理の職人出身の大将ならでは。そして、油そばを提供する多くの店でラードをメインに使用しているなか、同店は香味野菜を入れたラードに火を入れるという独自の油を使うことにより、爽やかな風味を出している、というのがこだわりポイントなのだそう。なるほどー!
カウンターにならぶ調味料は左からゴマ・一味・醤油・酢・ラー油。加減で楽しむべし
一心不乱に麺をすすり、ふと壁を見るとこんな張り紙を発見。
オーナーが「超こだわって探した」一味とうがらしはゴマ油で揚げ・・・
濾して提供。濾して残ったものがラー油
続いて、「納豆キムチあぶらめん(850円)」も実食。
納豆とキムチとなるとが共演するレアな丼ぶり
揚げネギ・メンマ・チャーシュー・なると・納豆・キムチの豪華キャスト。美味しく食べるコツは「全部ガーッと混ぜちゃって、箸でめんをすすりながらレンゲで納豆とキムチをすくって一緒に食べることです!」とのこと。
では、いただきます。
ガーっと
なんと・・・先ほどのあぶらめんに納豆とキムチという「ごはんのおとも」が登場するだけで、こんなに味が変わるとは。まさに白飯に納豆とキムチをかけてかきこむ感覚。醤油ベースのタレが納豆とキムチに合っているからだろう。
中太の麺がモチモチしていて女性にも好まれそうですね! と言うと、「ウチの麺は水分率が高め。大将と長く付き合いのある八王子の製麺所に要望を出し、“中屋流”にアレンジしてもらっています」とのこと。
客層はサラリーマン中心だが女性客も近ごろ増えてきた、とのこと。「味はもちろん、人間力で地元に根付いていくことが中屋の目標」なのだという。ちなみに中屋には東京都桜新町に2号店「ねこぜ」がある。「繁盛しているお店は従業員もお客さんもみんなねこ背になる」ということで大将がずっとあたためていた名前だそうだ。なんともユニーク。笑顔で見送ってくれた金さんにお礼を言って店をあとにした。