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市から立ち退き命令があった横浜ビブレ前のおでん屋台、2016年1月に姿を消すってホント?

ココがキニナル!

横浜ビブレ前の川沿いにあるおでんの屋台問題は、2011年6月22日の横浜のココがキニナル!以降、今日まで何か進展したの?この3年余りの実情を追及してください。(あっくんしょうちゃんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

1955年ごろから変わらずに昭和の雰囲気を醸し出しているおでん屋台は行政とおでん屋台の組合が話し合いにより、2016年1月に「自主撤去」で合意

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ライター:山崎 島

物心ついたころから、横浜駅西口のおでん屋台の通りは見てきた。幼いながらにあの渋さは憧れだった。成人してからも、いつか絶対常連になってやる! と思いながら通り過ぎてきたあの道。結局未だ常連の夢かなわずだ。
 


以前記事にした2011(平成23)年6月の時点では「策なし」との結論
 

そんな今日このごろ、別件の調べもので神奈川新聞を読み漁っていると、2012(平成24)年12月31日の記事に「おでん屋台」について書かれているのを発見。なんと2016年1月31日に全ての店舗が自主撤去するというものだった。

あと約1年しかない!! 「ここに来始めたころは、この子もウブな娘さんでねえ」とか女将さんに言ってほしかった・・・



まずは現地へ
 


横浜駅西口から徒歩約3分
 


横浜ビブレそばに
 


おでん屋台が立ち並ぶ


前回の記事でもお伝えしているが、こちらの屋台は「1955(昭和30)年ごろから道路を占拠して営業している」という。もともと16軒あった屋台は2001(平成13)年から2004(平成16)年までに4軒が自主撤去、2014(平成26)年現在は12軒が残る。
 


警告の看板。以前と変わらず
 


撤去跡には新たな店舗の営業を防ぐこのフェンス


どの屋台にお話をお伺いするか一軒一軒中を伺う。ほとんどの屋台には利用客が見られ、すでに楽しげな雰囲気だった。
 


多くの常連さんたちでにぎわう。憧れです!
 


大根ください


通りを2往復していると、おいでおいでと呼んでくださった女将さんが。うれしい! お邪魔します。

とあるお店の店内は中央に四角いおでん鍋とテーブル、一番奥に冷蔵庫と流しがあり、10人も入ればいっぱいの空間だった。不思議と窮屈、という感覚がなかったのはおでんパワーだろうか。初めてお会いした方々と肩を寄せ合っておでんを囲む。自然に利用客全員とお話していた。

「おかあさん、大根と昆布ください」とみなさんに習って注文、女将さんがお皿の隅にからしをつけて手渡してくださる。席が遠い時はお客さん伝いでお皿を渡してくださるのが、また良い。おでんは、良く煮込まれた薄味で大変おいしかった。毎日女将さんがご自宅で仕込んでいるのだそう。
 


たくさんの種類が
 


インゲンと昆布、大根・厚揚げ・つくね。電球の明かりの中いただく


しばらくおでんと常連さんの歌う歌を楽しんでから、そろそろと自主撤去の話題を出した。すると、一気に店内の雰囲気が変わった。先ほどまでほろ酔い気分でにこにこしていた女将さんが、困ったお顔をして「あと1年でなくなっちゃうよ」とおっしゃった。

常連さんも事情を知っていらっしゃるよう。黙ってお酒を飲まれた。新聞でも前回のはまれぽ記事でも、内情についてはあまりお話にならないと書いてあり、大変心苦しかったが、少しだけお話をお伺いできた。
 


たことサザエのおでんにビール


もともと撤去について行政から言われ始めたのは1988(昭和63)年ごろ。翌年に横浜博覧会が開催されており、これがきっかけになったのだろうか。最近では1年に1回は必ず横浜市西土木事務所へ店主全員で出向き、話し合いをしている。

「この店は1959(昭和34)年からだから、今年で55年目。当時は車の通りも激しくなかった。移動式の屋台をやめたのは1970(昭和45)年ごろでしたね」と女将さん。
 


店内には営業許可証と
 


食品衛生責任者講習会受講済みのステッカーが貼ってある


毎年食品衛生についての講習を受けている上に、保健所からの営業許可も5年ごとに更新されている。不法占拠といわれているのに、どうしてこのような許可を行政が出しているのだろうか、疑問。

取材の趣旨をご説明し、ご了承いただいてからお店を後にした。

この後、もう3軒別の屋台で取材しようとしたのだが、「もう撤去は決まっている。取材もされたくないし、何も話したくない。そっとしておいてくれ」とのご意見で、お話を伺うことができなかった。

新参者が外からひょっと来て引っ掻き回して去っていくなんて、長年あの場所を愛してきた店主さんや常連さんからしたら、とても不愉快で無礼なんだろう。自分がとてもデリケートな問題に立ち入ろうとしていることを改めて実感した。