日産の超小型電気自動車に乗って「チョイモビ」を利用! 横浜の景色を一挙レポート!
ココがキニナル!
チョイモビの試乗レポートや利用者の感想、窓がない理由など、今後の予定も含めてキニナル(ピラフランチさん/あめまさん/kazさんほか計10人のキニナル)
はまれぽ調査結果!
みなとみらい周辺を楽しむ範囲ではメリットも大きく、便利。コンセプトが屋根付きバイクのイメージのため窓がなく、現段階では2015年9月まで利用可
ライター:山口 愛愛
こんな風に使えるチョイモビ
「あの2人乗りの小さい車、なんだろう?」
みなとみらい周辺などで車を目にし、キニナっている人も多いだろう。「ラッキーモビちゃん」の乗り方でも紹介した、チョイモビ。
チョイっと借りて好きな場所で返せる、超小型電気自動車を使ったワンウェイシェアカーだ。横浜市と日産自動車が環境未来都市づくりのために全国に先駆けて行っている実証実験が一昨年始まり、第2期(2014〈平成26〉年11月1日~2015年9月)に突入。
ちなみに、チョイモビとはサービスの名前(正式名称:チョイモビヨコハマ)になり、車の正式名称は「日産ニューモビリティコンセプト」になる。
今回の主役「日産ニューモビリティコンセプト」
はまれぽは、ありがたいことにみなさんのキニナル投稿で成り立っているわけだが、とくにチョイモビに関しては、数多くの投稿が集まり、関心の高さが窺(うかが)える。
「実際の使い勝手、乗り心地」「窓がないのに支障はないのか」など多くの人が心をくすぐられているよう。
ハマっ子である筆者も、もちろんキニナルその一人。チョイモビははまれぽの取材などでも使えるのではないか? チョイモビの会員登録をし、実際に試乗してみよう。
キニナル疑問を解決しに
試乗する前に、チョイモビの実証実験の現状を伺い、おすすめの使い方などを聞くため、編集部・小島とともに日産自動車グローバル本社へ。
前回のチョイモビ取材でも登場いただいた、経営戦略本部プロジェクト企画部の押野直美(おしの・なおみ)さんにお話を伺う。
押野さんに、複数のキニナルが寄せられていることを伝えると「多くの方に興味を持っていただいていることは非常にありがたいです。一歩踏み出して、実際に乗ってみてほしいですね」と笑顔を見せる。
「会員数は増えています」と押野さん
チョイモビを利用し、乗降車できる場所を「ステーション」というが、その「ステーション」は、みなとみらいを中心に東神奈川駅エリア~山手・本牧エリアまで約60箇所(駐車スペース約115台分)、車両50台。「第1期」では、平日の稼働率など課題も見えてきたそうだ。
「休日と平日では使い方がかなり変わるんですよ」と押野さん。チョイモビを利用するには会員登録が必要で、現在のチョイモビ会員数は約1万1400人。使う目的はさまざまだが、1回の利用は平均15分程度で3~4kmが多いとのこと。
「休日の利用者は、利用時間が長くドライブや観光目的が多いですね」と話す。
「各駅から少し歩く赤レンガ倉庫や本牧、そこから山手方面に行くアクセス方法は意外と少なく、しかも坂が多いですよね。高台から横浜の景色を堪能するのにチョイっと使ってみては」とアドバイスいただいた。山手周辺は洋館などの観光スポットが住宅街に混在しているので道幅が狭いところも。超小型のチョイモビなら安心して運転できそうだ。
超小型なので小回りも効く
平日は「お昼に稼動が上がり、ランチなどに使われているようです。わたしもチョイモビを使って、中央卸売市場本場へランチしに行きました」。なるほど。チョイモビなら「ちょっとした足」になり、2人乗りして2台で4人で行くなんてことも。会社周辺の店が混んでいるときや気分転換としても最適だろう。
「駐車場も1台のスペースに2台駐車できますしね」
多い日は1日100件を超える利用があり、Facebookページなどでも利用者の声を集めているという。「目的なくドライブやデートで、横浜スタジアムに野球観戦、ちょっとした買い物、子ども(幼稚園)の送り迎え、飲み会の行きに使った」など、いろいろな使い方があるそうだ。
駐車場が混雑しているところでもチョイモビのステーションは専用なので、空いている可能性が高い。ワンウェイカーシェアリングなので、帰りは置いて来られるなどの利点を上手く生かしているようだ。
使い道は乗る人次第のアイデアで!
料金は「基本プラン」1分30円。「サポータープラン」は月会費1000円で1ヶ月50分まで無料で利用できる。50分以降1分20円。
たとえば、桜木町駅前のコレットマーレステーションから横浜赤レンガ倉庫ステーションまで8分で着いたとすると、基本プランでは240円。2人乗りで利用すれば1人120円。ドライブしながら1時間利用した場合は1800円になる計算。
駐車場代はかからない、置いて帰って来られるというメリットがあるので、利用時間と料金との兼ね合いも考えて使いたいところだ。
関内駅近くにあるステーション
ここでもう1つキニナってくるのは「横浜限定の実証実験」と謳(うた)いながら利用者が遠出をしてしまったらどうなるのか、ということ。
「車両にGPSが搭載されているので横浜市から出てしまうと警告音がなるようになっています。過去には数名ほど警告音を鳴らされた方もいらっしゃいますね」
日産ニューモビリティコンセプトは1回のフル充電で100kmまで走行可能。基本的に残量が一定以下になった車は貸し出していない。充電残量がなくなれば、当然、帰って来られなくなる可能性もある。東神奈川駅エリア~山手・本牧エリアに「ステーション」が集中しているため、チョイモビを利用して遠出をする人はいないのではないだろうか。
元々「楽しいけど、歩くにはちょっと広い。そんな横浜が近くなる」というテーマがあるように、現状の実証実験の中では、チョイっと乗って賢く楽しむというのが根底にある。
速度表示の横に充電残量のマーク
窓がないのも「屋根付きバイクのイメージで、車で行くほどでもないけどチョイっと乗る」という車のコンセプトから。「横風があると多少濡れるので、雨の日はヤッケ(ウインドブレーカー)などを着ることをおすすめします。濡れているシート用に車内には雑巾がありますよ」とのこと。強風や台風、雪のときなどは、安全を考慮して場合によって運用を中止している。
窓がないので外からも手を入れられる
このように実証実験の段階では、短時間利用が主のようだが、今後の展開にも注目が集まる。
「実験の結果次第では、増車の可能性やステーションを増やしてエリアを広げるなども考えられますが、日産だけの判断ではなく、横浜市や国、ステーション提供者として協力いただける賛同企業さんとの関わりなどが出てきます。実用化に向けて、課題を改善していかなければいけません」と押野さん。「そのためにも多くの方に使っていただいて、意見をたくさんいただきたいです」と力強く言葉を足した。