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じわじわ増えているという横浜のご当地ヒーロー「シボレンジャー」って何者!?

ココがキニナル!

資源循環局のご当地ヒーロー・3R夢戦隊シボレンジャーがじわじわ増えてます。レッドとイエロー、ブラック、いそごマモルンジャー、グリーンの5人。誕生秘話や活動が知りたい(かもめのみらいさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

シボレンジャーは、現在6区に7体。今後もヨコハマ3R夢プランを広めるため活躍が期待される

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ライター:田中 大輔

いつの時代も、男の子たちはスーパーヒーローに憧れるもの。
1960年代に始まったウルトラマンシリーズや70年代に産声を上げた仮面ライダーシリーズ、そして70年代中盤にスタートしたスーパー戦隊シリーズは、どれも現在でも子どもたちの、あるいは昔を懐かしむ大人たちにとっても、ヒーローとして存在し続けている。

その人気を受け、最近では日本各地にオリジナルのご当地ヒーローが生まれ、街おこしに起用されているのはご存じの通り。ご多分にもれず、我らが横浜で活動するヒーローも存在する。

しかし、彼らは単なる盛り上げ要員ではなく“ごみ問題を解決する”という大きな使命を背負ったヒーローなのだ。
それが、今回の主役「3R夢(すりむ)戦隊 シボレンジャー」である。
 


(画像提供:横浜市資源循環局緑事務所)
 



6区7体の大戦隊!



横浜市では、大きな成果を出したG30(じー・さんじゅう)計画に続き、2011(平成23)年から「ヨコハマ3R夢プラン」を策定、実行している。

これはReduce(=リデュース、ごみそのものを減らす)、Reuse(=リユース、再使用する)、Recycle(=リサイクル、再生利用する)という3つの「R」を通じて、平成37年度までに2009(平成21)年度比でごみの総排出量を10%、温室効果ガスを50%以上削減しようという新たなごみ減量計画だ。
 


ヨコハマ3R夢プランのマスコット「イーオ」
 

そのヨコハマ3R夢プランを市民に広く知ってもらうべく活動しているのが、話題のシボレンジャー。南区で誕生したこのヒーローの正体を解き明かすべく、取材を開始した。

まず訪れたのは、JR長津田駅から徒歩約10分の場所にある資源循環局緑事務所だ。
資源循環局では各区に事務所を設けていて、職員さんたちは日々ごみ収集の現場などで活躍している。

取材に応じてくれたのは、緑事務所で副所長を務める青木雅徳(あおき・まさのり)さん。この人こそがシボレンジャーを企画し、現在でも中心的な役割を担っている人物だ。
 


グリーンのマスクを持ってポーズの青木さん
 

青木さんは、シボレンジャー誕生当時、南事務所に勤務していて、その後この緑事務所に異動してきたそうだ。まずは、シボレンジャーについて聞いてみた。

シボレンジャーという名前は生ごみを出す際にしっかり水切りをして絞ってもらうことや、ごみそのものを絞る(=削減する)ことをイメージしてつけられたそう。

青木さんによると、南区のレッドに端を発したシボレンジャーは、レッドと同じ南事務所のイエロー、港南区のブラック、磯子区のブルー(通称、マモルンジャー)、港北区のゴールドに金沢区の3R夢レンジャー、そして緑区のグリーンと、現在では6つの区で7体というところまで数を増やしている。
 


青木さんの勤める緑事務所のグリーン
 


出動件数はトップクラスという港南事務所のブラック(画像提供:資源循環局港南事務所)
 

その目的はヨコハマ3R夢プランの啓発で、ヒーローらしく「特に幼稚園や保育園、小学校低学年の子どもに向けて」活動しているそうだ。

子どものいる施設を訪問してのショーやイベント出演を通じて、ごみの正しい捨て方やごみを減らす方法といった内容を伝えているというわけだ。



最低限のお金で手作りのヒーローを



では、横浜のごみ問題に立ち向かうヒーローは、どのようにして生まれたのか。
始まりは2012(平成24)年の5月ごろ。当時、南事務所で働いていた青木さんの耳に「そう言えば、横浜にヒーローっていないね」という当時の副区長の言葉が届いたのがきっかけだった。

仮面ライダーやウルトラマンを見て育ったという青木さんは、オリジナルヒーローを作って啓発活動に役立てたいというプランを前々から暖めていたそうで、すぐに副区長の言葉に反応。
 


元祖シボレンジャーのレッドと相棒のイエロー(画像提供:資源循環局南事務所)
 

「すでにデザインも考えてありました」と準備万端だった青木さんが提出した企画はとんとん拍子で進み、あっという間に予算がつくことになった。

「タイミングも良かったんですよ」と話す青木さんだが、その心は7月末に区民祭りという発表の場を控えていたということ。そこに向けて、一気にレッドを仕上げていったそうだ。

「3週間くらいで大急ぎで作りました」と当時を振り返る青木さんは、コンセプトに「手作り」を掲げた。

「お金をかければ完成度は上がるけど、それでは面白くないと思った。愛情を込めて、いかにも手作りといったチープさを売りにして、最低限のお金で啓発に使いたかった」と青木さんは言う。

実際、ヒーローたちのベースとなっているのは、パーティーグッズとして売られているマスクやスーツ。
 


元になっているのはすべて同じマスクだそうだ
 

買ってくるマスクは赤く派手な飾りのないものだ。そこに、必要に応じてラッカー塗料で塗装したり、ソフトボードと呼ばれるスポンジのような素材でツノなどの装飾を作り、クールガンというハンダごてのような道具で接着していくことで、個性を出している。
プラモデルが好きだったという少年時代の経験が生かされ、正に手作りのヒーローが出来上がっていったわけだ。
 


胸のプロテクターももちろん手作り
 

ヒーローの足元を支えるのは、なんと地下足袋
 

シボレンジャーは市販されている素材だけを使い、一体当たり2万円程度で完成させているそうだから、「手作り」のコンセプト通り。
区民祭りでお披露目されたレッドは好評を博し、区内の幼稚園やイベントに出演を繰り返すようになっていった。これがシボレンジャーの始まりというわけだ。

当時の南区長から押された太鼓判で、青木さんや仲間たちにはさらに火が着き、新キャラクターのイエローが作られた。レッド、イエローの活躍に賛同したほかの区からは「うちも作りたい」という声が上がり、冒頭でご紹介した通り、今では6つの区にまたがる大戦隊となったのだそうだ。