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横浜のココがキニナル!

元町スイーツといえば喜久家さんのラムボール。味、ボリューム感、値段すべてのバランスが他店を圧倒しているように思いますが、喜久家さんが発祥なのでしょうか。(ピラフランチさんのキニナル)

はまれぽ調査結果

1924年の創業当初、山手の外国人が持ち込んだレシピを元に誕生したラムボールは、喜久家が発祥とされる銘菓としてハマっ子たちに長年愛されている

ライター:菱沼 真理奈 (2015年01月21日)

ハマっ子に長年愛され続ける「喜久家洋菓子舗」のラムボール

横浜を代表する定番スイーツとして不動の人気を誇る、元町「喜久家洋菓子舗」のラムボール。
横浜のディープな話題を紹介するガイドブック『横浜本』(枻出版社)のランキングによると、喜久家のラムボールは「濱っ子御用達・使える手土産ナンバーワン」だとか。

何を隠そう、筆者も喜久家のラムボールの大ファン。両親(80代)も遠い昔に食べた記憶があるというから、かなり古くからあったのだろう。
 


「喜久家洋菓子舗」の看板商品ラムボール(1個220円・税別)


舌ざわり滑らかなしっとりとしたスポンジ生地、優しくとろけるスイートなチョコレート、
そして、ひときわ芳(かぐわ)しいラムレーズンの香り。それらが混然一体となって醸す濃厚な味わいと、満足感たっぷりの食べ応え・・・これに勝る至福のスイーツはそうはないと思う。
 


元町にある老舗店喜久家のホームページ


喜久家のホームページを見ると、同店の創業は1924(大正13)年。
ラムボールは「ラム酒を効かせた生地を、チョコレートの中で発酵させた喜久家のベストセラー商品」と紹介されているが・・・
果たしていつから作られていたのだろうか?
なぜ、ラムボールを作り始めたのだろうか?
なぜ、ハマっ子御用達のベストセラー商品になったのだろうか?
作り方にほかとは違う秘訣があるのだろうか?
そもそもラムボールとは、どこが発祥のお菓子なのだろうか?

ということで、キニナルあれこれを一挙に解明すべく、元町の喜久家さんへ取材に伺った。



創業当初から門外不出で受け継がれる老舗の逸品

元町ショッピングストリートの一角に店舗ビルを構える「喜久家洋菓子舗」。1924(大正13)年の創業以来、本場ヨーロッパの伝統菓子の味を守り続ける、横浜屈指の老舗洋菓子店だ。
 


元町のメーンストリートに建つ4階建ての店舗ビル
 

ガラス張りで入りやすい雰囲気のエントランス


取材に応じてくださったのは、同店の店長を務める杉崎順子(すぎざき・じゅんこ)さん。喜久家に勤めて30年、昔からの常連さんにもお馴染みのベテラン店長だ。
 


温かい笑顔で迎えてくださった杉崎さん。とっても優しいマダムです


さっそく、喜久家のラムボールについて伺うと、その誕生にはこんな背景があったという。

喜久家の創業者・石橋豊吉(いしばし・とよきち)氏は、もともと日本郵船ヨーロッパ航路のベーカー(パン職人)・料理人で、欧州各国の田舎の伝統菓子のレシピを持ち帰り、喫茶室を併設したベーカリー&洋菓子店を元町に開店。当時、ヨーロッパのお菓子やパンを製造販売する店は珍しかったため、居留地だった元町周辺に住む外国人も多く訪れたという。

そんなある日、山手に住む西洋婦人がレシピを持ち込み、本場の味を知る石橋氏に「本国の味のお菓子を作ってほしい」と依頼。こうして作ったお菓子の味が評判となり、喜久家には各国のレシピが次々と持ち込まれるようになったという。

その数あるレシピの中から誕生し、創業当初から門外不出で受け継がれているのが「喜久家のラムボール」なのだ。
 


当時はこんな風景だったのだろうか(喜久家ホームページより)


「ラムボールの原型がどこの国のお菓子なのかは不明ですが、日本では当店が発祥と聞いています。当初は大きな天板型のバットで焼いた生地にチョコレートをかけ、四角にカットして販売していたそうです。その後、昭和10年代に現在の球形になり、丸い形が愛らしくて食べやすいと、ますます人気が広まって現在に至っています。

この形と濃厚な味わいが外国人の方にも好評で、1ダース2ダースとまとめて購入される方や、チョコボール感覚で一口でバクッと食べちゃうなんて方もおられますよ」と笑って話す杉崎さん。
え~?? こんなゴルフボール大のボリューミーなお菓子を、ひと口でバクッと食べちゃうなんて・・・ダイナミック過ぎます!
 


直径は5センチ弱、手に乗せるとずっしり重いビッグサイズ!


形は四角から球形に変わったものの、味や基本的なレシピは創業当初から変わっておらず、親子代々の根強いファンも多いという。

詳しい作り方やレシピは企業秘密とのことだが、ラム酒に1ヶ月ほど漬け込んだレーズンやナッツ類をスポンジ生地に混ぜ込み、2~3日寝かせて発酵させるのがポイントだとか。その間に、レーズンに染み込んだラム酒が生地にじんわりと馴染んで、香り高いしっとり滑らかな生地に仕上がっていくという。
また、生地をコーティングするチョコレートは、夏場は溶けにくく、冬場は固くなりすぎないよう、季節に応じて素材の配合を微妙に調節しているそうだ。
 


割ってみると、ラム酒の芳醇な香りがふわ~っと広がる


「商品は完成して2~3日経ってから店頭に並べます。やはり、出来立てよりも2~3日経ってからの方が美味しいですね。何よりも、お酒に長期間漬け込んだラムレーズンは、生地との馴染みも香りも格段に違います。そこが一番のこだわりでしょうか」と杉崎さんは話す。

ラム酒が香る大人の味わいは、コーヒーや紅茶はもちろん、緑茶や抹茶との相性もぴったり。ウイスキーやワイン、シャンパンなど、洋酒のお供にもGOODだ。
ただし「ラム酒を効かせているので、お子さんにはおすすめしていません」とのこと。
 


ラム酒が効いた大人のお菓子


ラムレーズンの芳醇な香りが溶け込んだ、しっとり滑らかな食感のスポンジ生地と、口どけ優しいチョコレートの絶妙なハーモニー。ひと口食せば、思わず笑みがこぼれる至福の味わい・・・長年に渡ってハマっ子を魅了する銘菓は、老舗ならではのこだわりを受け継ぎながら、一つひとつ手間暇かけて作り上げられているのだ。

商品は1個(220円・税別)から購入でき、花柄のボックス入りの2個・4個・6個・8個セット(480円~1900円・税別)や、白いボックス入りの10個・12個・15個・20個セット(2340円~4590円・税別)も。
賞味期限は1週間とやや長めなので、お土産や贈り物、結婚式の引き出物などにもおすすめだ。
 


オシャレでハイカラな花柄のギフトボックス
 

ちょっとした手土産にも最適な4個セット(950円・税別)


そのほか、ヨーロッパの田舎風おやつ「ジャムターツ」「アーモンドビスケット」「ミートパイ」も、創業当初から続く喜久家の人気商品だそう。それらをお目当てに何十年も通い続ける、長年の常連さんも多いそうだ。

こちらがジャムターツ(1枚240円・税別)。オーブンで2度焼したこんがりパイに、アーモンドをたっぷり乗せて、中にストロベリージャムをサンド。
 


ほんのり甘くて香ばしい、どこか懐かしい味わいのジャムターツ


こちらがアーモンドビスケット(1枚220円・税別)。硬く焼き上げるドイツの田舎風ビスケットを、ややソフトな食感にアレンジした人気の一品。
 


オーブンで2度焼した、ほどよい食感のアーモンドビスケット。


こちらがミートパイ(1個360円・税別)。こんがり焼いたサクサクのパイの中に牛肉、食感を出す豚肉、タマネギほか、隠し味のフルーツが入っている。フルーツは季節によって種類を変えているそうだ(こちらはリンゴ風味でした)。
 


ほっとする素朴な味わいのミートパイ。これはクセになりそう!




喜久家の店内とお菓子づくりの現場を見学

ラムボールのお話をお聞きした後は、杉崎さんに店舗ビルの中を案内していただいた。

まずは1階のショップフロア。明るく広々とした店内には、看板商品のラムボールをはじめ、ベイクドケーキ、生ケーキ、タルト、パイ、クッキー、ビスケット、サブレ、メレンゲ・・・などなど、手づくりのオリジナルスイーツや昔ながらの欧風菓子がずらりと勢ぞろい。そのレパートリーは何と70~80種類! まさに、目くるめくお菓子ワールドだ。
 


店内正面に並んだラムボールのセット。多い時は1日で約1000個も売れるそう
 

フレッシュな生ケーキやタルト、プリンやシュークリームも
 

棚いっぱいに並んだ焼菓子の数々。どれを選ぶか迷いそう
 

ふんわり&しっとりフルーツ入りのカップケーキ
 

手づくりの風味が生きたクッキーの詰め合わせ
  

リンゴを丸ごと使ったパイも美味しそう!
  

お好みの商品での詰め合わせセットもOK。贈り物にもぴったり


店頭に並ぶこれらのお菓子は、店内の一角にある喫茶コーナーでイートインもOK。ショーケースの中から好きなケーキを選んで、飲み物と一緒に楽しめるほか、アイスクリームやフロート、シェークやパフェなどの喫茶メニューも用意されている。
 


店内の一角には、気軽にイートインできる喫茶コーナーも(手前)


現在、喫茶スペースは1階の一角のみだが、以前は2階が喫茶フロアになっていたそうだ。昭和の時期、喜久家の喫茶室はヨーロッパ調のモダンなサロンとして著名人たちからも人気を集め、かの文豪・川端康成も常連だったという。
「その当時、元町の喜久家でお茶するのはハイセンスでオシャレなことだったんですね。ここで働く以前から、私自身も喜久家のサロンは憧れの的でした」と懐かしそうに語る杉崎さん。

こちらが喫茶室として使われていた2階フロア。一面の窓から明るい自然光が差し込む開放的な空間だ。
 


一面に窓が広がる2階の喫茶フロア(現在はクローズ中)
 

レトロモダンな趣きのステンドグラス。これは貴重な品かも
 

2階の窓からは元町のメーンストリートが一望できる


そしてお次は、喜久家のお菓子工場がある最上階の4階へ。重い扉を開けて中へ入ると、大きなボウルに割られた何百個もの卵や、天井まである巨大なオーブンなど、お菓子工場ならではの圧巻の光景に驚くばかり。
 


お菓子づくりの器具が整然と並ぶ工場内
 

2秒に1個の早業で卵を割るパティシエの方。さすがプロ!
 

びっくりするほど巨大なオーブンも


ただし、工場内のラムボールの製造現場は、企業秘密とのことで非公開。これまでのメディア取材でも、ラムボールを作っているエリアだけは見学も撮影も一切お断りしているという。
その現場をちらりと見ようと近づくと、工場スタッフの方に「ダメダメ、ここは絶対ダメだからね!」と手をバッテンにして制止されてしまった・・・う~ん、ちょっぴりキニナりますね。
 


この先がラムボールを作っている禁断のエリア


ラムボールの製造工程を見られなかったのは残念ではあるが、そのかわりにと言って杉崎さんが抱えて持ってきてくれたのは・・・コレ!!
 


完成したばかりのラムボールがぎっしり詰まったケース!


「うわっ、ラムボールが寿司詰めや~~」と思わず叫んでしまった筆者。こんなにたくさんラムボールが並んでいると、あまりにも幸せすぎてクラクラしそう!
 


このまま全部持って帰りたい!!


こうして、看板商品のラムボールとともに、喜久家の歴史やお菓子にまつわるさまざまなエピソードを伺い、工場内も見学させていただき、とてもハッピーでスイートな取材であった。これでまた、プライベートでも喜久家さんへ足を運ぶことが増えそうである。
お忙しいところ、親身になって取材にご協力くださった杉崎さん、本当にありがとうございました!
 
 
続いて、編集部が意外な組み合わせに挑戦! ラムボールちょい足し試食!≫
 

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