観光で来た外国人は横浜のどこが一番好き?
ココがキニナル!
横浜を観光で訪れている外国人の方に、どういうところが魅力で横浜に来てくれたのか、みなとみらいや山下公園などで街頭インタビューお願いいたします(タッカーさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
カップヌードルミュージアムや新横浜のラーメン博物館など、横浜にしかない日本食関連の施設が人気。横浜港周辺の名所の散策を楽しむ人たちも多い。
ライター:小方 サダオ
山下公園の外国人観光客にインタビュー
国際都市として知られる横浜は在住する外国人も多い。横浜市文化観光局のウェブサイトによると、年間約2500万人の外国人観光客が横浜を訪れているという。
日本への観光がブームの中、横浜を訪れる外国人観光客は、どんな場所が気に入ってくれたのだろうか? そのインタビューを横浜の名所、山下公園からスタートした。
山下公園の風情を引き立たせる氷川丸
筆者が山下公園に足を踏み入れようとすると、入れ違いで公園から出てきた陽気な4人組を発見。フェルナンドさんを中心としたブラジルからの観光客だ。
フェルナンドさん(左から2人目)とそのお友達
横浜観光に関して伺うと「今回は旅行で東京に住む友達を訪ねてきて、横浜まで来たんだ。みなとみらいの“カップヌードルミュージアム”が良かったよ。今から中華街に行くつもりだ」と答えてくれた。
つづいてベンチに座っていた4人組に声をかけた。ニュージーランド人で、英語教師をしている女性(写真右端の方)にお話を伺った。
ニュージーランド人の4人組
「私は日本に住んでいます。今はニュージーランドから来た私の姪のサミー(写真左)に横浜を案内しています。私は中国の文化や食事が好きで、彼女はパンダが好きなので、中華街が楽しかったようです。私の息子は赤レンガ倉庫、娘は山下公園が好きだそうです」とのこと。
中国文化にも興味を持つ外国人には、中華街のある横浜は観光の目的地としてよいだろう。
つづいて息子さんとサッカーボールで遊んでいた、デイビッドさん(写真左・イギリス出身) エイミーさん(アメリカ出身)夫妻にお話を伺った。
デイビッドさんエイミーさん夫妻と息子さん
「私たちは埼玉県の浦和に住む英語教師です。私の10才の息子は“浦和レッズアカデミー”に入っています。横浜へはマリノスタウンで行われた、彼のサッカーの試合を見に来ました。横浜観光では、港の見える丘公園、元町、山下公園、中華街が気に入りました。しかしここで自転車を借りてもっと周りたいと思っているのですが、使用方法が英語表記ではないので、分かりづらいです」とのこと。
しかしエイミーさんが近くのコンビニの店員に聞き対処できたようだ。
山下公園のレンタル自転車スタンド
英語での説明文はない
豪華客船が山下公園の雰囲気を演出する
ここでクロアチアから来たという3人組と遭遇。日本人女性の案内で、横浜を観光中とのこと。
「私たちは桜木町駅から歩きはじめて、横浜ランドマークタワーのスカイガーデンや中華街をめぐり、山下公園に来ました。ランドマークタワーでは富士山が見えたことに感動しました」とのこと。
(左から)ヨシュコさん、ゴランさん、イヴァさんと通訳をしてくれた日本人女性
横浜に来て不満に思ったことについては「せっかく横浜でたくさんお金を使おうと思っていたのに、外貨両替所が少なかったり(年末休業のため)閉まっていたりしたことです」と答えてくれた。
日本の感想に関しては「こんな秩序の整った国はヨーロッパにはどこにもないです。電車やバスは車内がきれいだし時間通りに来るし、人がちゃんと列をつくって並んでいることに驚きました。私たちバルカン半島の国々では『法律は飛び越えるために存在する』という考え方があり、規則を守らない人が多いのです。しかし英語が話せる日本人が少ないことにはがっかりしました。外国では英語圏じゃなくても英語を話せる人は多いのに」とのこと。
年末の山下公園は多くの観光客でにぎわっていた
また日本と母国との文化の違いを次のように表現してくれた。
「日本人はシャイですが、人が良くて分かりやすい人が多いです。クロアチア人もシャイで人が良いですが、冗談が好きです。これが“バルカンスタイル”です」とのこと。
桜木町駅から歩きはじめて、みなとみらい~中華街~山下公園のコースは適度な距離で散策には良いかもしれない。
山下公園での大道芸人の周りには外国人が集まっていた
夕暮れ時の山下公園を、一組の熟年の西洋人カップルが歩いているのを発見。
オランダから、横浜に住む娘に会いに来たと言う、ティネケさんとジェルヤンさんだ。
ティネケさん(左)とジェルヤンさん
「今日は横浜駅からシーバスに乗って山下公園に着きました。今から赤レンガ倉庫の方に向かって、そのあとレストランを探したいと思っています。私たちは氷川丸が気に入りました。一週間前にもここに来たのですが、その時は娘の子どもが一緒でした。氷川丸の中では解説の映像が流れていて興味深かったのですが、孫の機嫌が悪くなって早々に見学をやめてしまいました。今回は2人でゆっくり見られたので満足です」
夕空に映える氷川丸
日本について伺うと「東京では渋谷、浅草、築地、また飛騨高山、京都と各地を旅行してきましたが、日本人は礼儀正しくて親切ですね。駅で迷っていたら親切に道案内をしてくれた人がいました。また交通機関は値段が手ごろだし車内もきれいで気分がいいです。そして日本食は最高です。とくに寿司や焼きそばが好きです」
不満なことについて伺うと「日本人はシャイなのが残念です。性格もあるのでしょうが、英語が話せないからだと思います。英語が話せると、多くの人とコミュニケーションが取れて楽しいんですけれど・・・」と答えてくれた。
2度も氷川丸に会いに来てくれたとは感激だ。ハマっ子が愛する氷川丸は西洋人の目にも魅力的に写ったようだ。
日をあらためて山下公園を訪れると、なんと先ほどインタビューしたときに話題にあがったレンタル自転車スタンドの前で頭を抱えているイケメン二人組が・・・。
デイビッドさんたちから聞いた「近くのコンビニの店員が対処してくれる」ということを教えてあげると、無事借りられたようだ。
問題(?)のレンタル自転車のスタンド
声をかけお話を伺った。ウクライナから来たという、レブコさんとゾリアヌさんだ。
ウクライナから来たレブコさん(左)とゾリアヌさん
来日して4ヶ月目、埼玉県和光市で働くレブコさんが、観光で来日した友人のゾリアヌさんを案内しているのだという。まずは「ウクライナから日本に観光に来る人は珍しいのでは?」と聞くと「珍しいです。普通だとビザの取得が難しいのですが、彼はカナダのビザを持っているので取得が簡単でした」とのこと。
横浜でお気に入りの場所についてレブコさんに伺うと「横浜は2度目になります。1度目は日本丸、ランドマークタワー、コスモクロック21など、みなとみらいを巡りました。今回は友達と一緒に山下公園から観光を始めました。東京にも港はありますが、こんなに海には近づけませんね。港と自然が融合しているのもいいですね。これから居酒屋『魚市』の無料券をもらったので、野毛まで行ってきます」と答えてくれた。
帆船・日本丸
ランドマークタワー
つづいてはアイルランドから来日して、山手の「横浜インターナショナルスクール」で経済を教えているパトリックさんとノルウェー出身のカロリーナさん夫妻にお話を伺った。
娘さんと散策していたパトリックさん(左)とカロリーナさん
日本に来て1年半が経ち、生まれた娘さんも6ヶ月になって山下公園の近くのマンションに住むという。横浜ツウともいえよう彼の視点からお気に入りの場所について伺うと「三溪園ですね。歴史がある園内の家屋が好きです。あとは横浜港や馬車道がとてもリラックスできて好きです。横浜のビールもおいしいですね」と答えてくれた。
横浜のイメージについて伺うと「来日前は、横浜というと『ヨコハマタイヤ』のイメージしかありませんでした。山下公園など魅力的な場所はありますが、東京を訪れた際の寄り道程度でいいと思います」とのこと。
不満に思うことについては「この近くに住んでいるんだけど、夜はオートバイの音がうるさいね。あの暴走族ってヤクザと関連があるんでしょ?」と答えてくれた。
つぎに港の見える丘公園に向かった。
トイレの前で彼氏を待っていた、イギリスから来たアントニアさんにお話を伺った。
オーストラリアに住むアントニアさん(右)と彼氏
「私は子どものころ『横浜インターナショナルスクール』に通っていました。今は彼とオーストラリアに住んでいますが、今回彼を横浜に連れてきたのです。このあたりはとても懐かしく感じます。港の見える丘公園は、自然と港がうまく融合していて昔から好きでした。特に元町の雰囲気や日本のオモチャが好きなので、さっきヨシダ(元町YOSHIDA)で買い物をしてきました」
横浜と東京の比較について伺うと「東京はいろんなことができるので好きですが、横浜には違う良さがあり、私は好きです」とのこと。
またオーストラリアと日本を比べるとゴミゴミしているのでは、と伺うと「たしかにそうですけど、ぶつかったりしてもみんな礼儀正しいので問題ないです」と答えてくれた。
山下公園と港の見える丘公園の取材で14人ほど、9ヶ国の人に話を伺い再確認したが、特に山下公園には多く外国人が訪れている。インタビューを終えても公園内を5分ほど歩いていると次の外国人に会える印象だった。カップルの定番スポットとして有名だが、ロマンチックな雰囲気は外国人にとっても魅力的なのかもしれない。