栄区桂台、上った先が崖で行き止まりになっている用途不明の階段の正体は?
ココがキニナル!
栄区桂台南2丁目1-1の立派な階段、頑張って上がってもけもの道、その先は崖で行き止まりです。一体この階段は何のために作られたの?昔は崖の下まで道が繋がっていたとか?(ときさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
1970年前後、横浜市認定路線図の市道が通る場所に作られた。市の宅地開発の条件につき開発業者が作った。階段の先は崖の下につながっている。
ライター:小方 サダオ
利用目的のはっきりしない階段
栄区桂台の住宅地内に、用途不明の階段がある、という。
横浜市都市整備局のホームページによると、この地区は「栄桂台地区計画」と称され、昭和40年代後半に作られた戸建住宅地。約31.6ヘクタール(31万6000平方メートル、横浜スタジアム約12個分)の丘陵地に、緑豊かな快適な居住環境を維持・保全することを目標に作られたという。
問題の階段(青い矢印)
その地区の南側のはずれ、高速道路建設予定地の近くにある山の斜面に、その階段はあった。
高速道路建設現場の近くにある、問題の階段
住宅の脇から伸びている
階段は整備されていて、手すりも丈夫で比較的新しく作られた印象だ。幅は4メートルほど、大勢の人たちが一度に利用できそうだ。
階段の先には、比較的使用頻度の高い、散歩するにはちょうど良い便利な遊歩道か山の反対側の街に下りられる道があってもおかしくない雰囲気。
そこで向こう側に何があるのかを期待しながら、階段を上ってみることに・・・。
幅広で丈夫そうな階段
桂台地区が一望できる
階段を上ると・・・
その先には、藪に覆われた細い山道しかなかった。
藪の中の細い山道
右側は草木が生い茂っていて、左側は崖下になっている。
細い山道を進む
道を進むと「この先崖地 行き止まり」の看板が・・・。
「行き止まり」の看板
さらに進むと、また行き止まりを示す看板が・・・。
段々と道が悪くなる
看板の先に進むと、今度は「危険 この先行き止まり」との看板が現れた。
栄警察署と栄土木事務所による看板
しかし、山道の跡は確認できるので、道の上を覆う竹藪をかき分けながら進むことに・・・。
ふもとには墓地が広がっている
すると苔むした階段が作られた場所に出た。草で覆われて分かりづらかったが、階段は数段しかなく、先は崩れて崖になっていた。気づかずに階段を下りていたら足を踏み外していたかもしれなかった。ここが看板の言う、行き止まりの崖地のようだ。
数段だけ残る階段
山道の突き当りは切り立った崖地だ
行き止まりの崖地だったので引き返すことに・・・。すると先ほどは一本道のように思えたが、崖下に沿って分岐する細い山道があることに気づいた。
左側に伸びる崖沿いの山道を進むことに・・・
道は細いながらも草などで覆われていないので歩きやすく、場所によっては階段も作られている。
山道には階段も設けられている
しばらくうねりながら続く山道を進むと、崖下に下りられた。
崖の下に下りられた
山のふもとの開けた場所
そこは地元の愛護会が管理する「荒井沢市民の森」という緑地公園であった。公園内には炭焼き小屋があったり、水田が作られ谷戸が再現されていたりしている。また山道を進むと、皆城山(みなしろやま)山頂などがあり、鎌倉のハイキングコースのひとつへとつながっているようだ。
荒井沢市民の森
公園の愛護会によって管理されている
ここで畑仕事をしている男性を発見、問題の階段に関して伺ってみた。
「この山はマムシが出て嫌なので、夏場はあまり入りませんが、山道の先の住宅地につながる階段は知っています。こんな細い山道を利用する人のために作った階段とは思えませんし、なぜ作られたかは分かりません。この公園内の道沿いに進むとゴルフ場に出ますが、そこにも似たような階段がありますよ」とのこと。
そこでその階段を目指して先を進んだ。
公園内は整備され、さまざまな動・植物が生息しているようだ。谷戸の風情に心が休まり、緑が深くなるこれからのシーズンには、絶好の散策スポットといえよう。