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誰かが反対している? 陸の孤島・本牧に鉄道が延伸しない理由の真相は?

誰かが反対している? 陸の孤島・本牧に鉄道が延伸しない理由の真相は?

ココがキニナル!

地下鉄が本牧まで延びないのは本当は誰が反対しているのか?(kodama_koさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

今まで何度か地下鉄が通る計画はあったが、港湾業界や地元住民の反対、また採算性が悪いなどの理由で実現できなかった。

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ライター:小方 サダオ

本牧の鉄道問題の真相について地元の方は?



米軍の接収地であった影響で国内でのジャズの本場として知られ、また横浜三溪園という和の風情を持つ観光地を擁する本牧は、横浜の名所といえよう。
そんな本牧が「陸の孤島」などと言われているが、それは鉄道の駅がないことも関係しているのではないだろうか。

 

本牧のメイン通り
 

この問題に関して過去の記事では、行政も鉄道会社も予算がない、港湾業界からの着工延期要請があった、との結論が出ていた。しかし今回は、当の本牧の地元住民の反対があったから実現しなかった、という事実の確認から取材をはじめることにした。
 


三溪園への入り口
 

イオン本牧店


この件に関して、まずは(本牧原を中心として)本牧の住民の方たちに聞いてみた。

地元のある商店の店主に鉄道が通らない理由について伺うと、次のような話が出た。
「麦田トンネルから本牧へと向かう途中に本郷町というところがあるんだけど、そこの人たちが『本牧だけに駅が出来るのはズルイ』といって、地下鉄建設の時に反対したらしい。その街に事務所がある伊波洋之助(いなみ・ようのすけ)前横浜市会議員は地下鉄を引くようにがんばったらしいんだけれど、実現しなかったようだよ」と答えてくれた。

投稿のように、地下鉄建設に対する地元民の反対はあったようだ。
 


元町と本牧を結ぶ麦田トンネル
 

元町と本牧原の間あたりに本郷町がある。緑の矢印は麦田トンネル
 

本牧はバスの本数が多い
 

本牧車庫前行の千代崎町バス停時刻表
 

本郷町
 

本牧原
 

本郷町商栄会


さらに地下鉄の話のあった当時、本牧の商店会の役員をされていた、Eさんに話を伺った。
「以前地下鉄の計画がありました。とても具体的な段階まで進んでいて、本牧の商店会としては関係者に、駅の出口の位置について商店街の中心にしてもらうようにお願いまでしていました」

「しかし私たちとしても賛成意見ばかりだったわけではありません。もし駅が出来たら、地元のお客さんがよそのお店に取られてしまうのではないか? といった不安もあり、それで街が良くなることについて疑問もありました。しかしその計画がボツになって、このあたりがさびしくなってから、後悔しました。ここは中区の中心地なのに電車が通っていないのはおかしいですし、不便さも感じています」

「マイカル本牧があったころは商店街も売り上げが伸びてよかったですね。今はスーパーなどが出来ていますが、大型店舗、商店街ともどちらもよくないです」と答えてくれた。
本郷町だけではなく、本牧でも地元市民から少なからず反対意見が出たようだ。
 


バブル経済の終わりごろに出来たマイカル本牧


本郷町の人たちが反対したという話に関して伺うと「その話は聞いています。あの商店街の人たちは力を持っていると思いますよ。警察に掛け合って、車で買い物をしやすいようにと、路上駐車の時間帯を緩和させたようですし・・・」とEさんは答えてくれた。



三溪園に話を伺う



横浜の観光名所として知られる、横浜三溪園。
今回の本牧における鉄道の問題に関してどのように思っているのかがキニナり、訪れた。
 


横浜三溪園の入り口


横浜三溪園の担当者に、まずは本牧の交通機関に関してお話を伺うと「当園では、東日本大震災以来、落ち込んだ入園者数が今一つ伸び悩んでいます。お客様の入場料による収入がないと、園内の管理は難しくなります。庭園や歴史的建造物の維持保存には費用がかかっています。そのため近くに鉄道が通ることは、集客そして財源の確保につながります」

「本牧周辺のバスのダイヤは住民の生活向けになっているため、入園者の多い土曜日・日曜日はかえって少なめです」と答えてくれた。
 


正門を入ってすぐにある大池


園内で外国人の姿を見かけたことを伝えると「外国人の入場者としては、港からのクルーズ船の乗客の方たちが最近増えてきています。時間のある方は、東京や鎌倉まで足を運ぶことが多いようですが、停泊時間の短いクルーズ船の乗客の場合は、横浜港から近い三溪園を目的地として選ぶ場合も多いようです」と答えてくれた。

横浜三溪園への交通に関して伺うと「昭和40年代までは本牧には市電が走っており『本牧三溪園前』という停留所があって便利でした」
 


本牧三溪園前停留所(『本牧波瀾の百年』 横浜市中図書館)
 

本牧三溪園前(『懐かしの横浜市電』天野洋一)


「しかし今は『横浜三溪園へは最終的にバスでアクセスしなければならないので不便』という印象が強いようです。また駐車場のスペースが狭小(きょうしょう)で、マイカーでの来園にも限界があります。そういったことからも公共交通機関の利便性が向上してほしいところです」
 


駐車場のスペースには限りがあるという


「横浜三溪園は四季折々の花々に好評をいただいており、リピーターの多い観光地となっています。より多くの人が気軽にアクセスできるようになるという面では、鉄道の開通には期待しています」

「しかし閑静な風情も三溪園の魅力の一つです。年中にぎやかになり過ぎるのも問題です。静かな平日、にぎわいのある休日と、それぞれの雰囲気が楽しめるバランスの取れた状態が理想ではないでしょうか?」と答えてくれた。
 


平日でも入場者の姿が多い横浜三溪園


やはり三溪園を含め本牧では鉄道の開通を待ち望んでいる人が多いようだった。
それでは本牧の人たちの話題に出ていた、本郷町の人たちはどのように思っているのだろうか?

中区本郷町、麦田町、上野町からなる、本郷町商栄会の人たちを中心に話を伺った。