横浜DeNAベイスターズの中畑監督退任会見をレポート!
ココがキニナル!
10月3日の本拠地最終戦の後に行われた中畑清監督の退任会見はどんな様子?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜DeNAベイスターズの監督を4年間務めた中畑監督。低迷の責任を取って、ファンや球団に惜しまれながら退任会見を行った。後任は未定。
ライター:田中 大輔
ランドマークタワーのてっぺんで「熱いぜ!」を連発してから4年。
横浜DeNAベイスターズを率いた中畑清監督が、チームを去ることとなった。
今季は3年振りの最下位。DeNAがオーナーに変わり、中畑体制になってからの4年間では、5位が2回と6位が2回。でも、少しずつ光が見えてきている感触は多くのファンが得ていたはずだ。
それでも、「けじめをつけなきゃ」とユニホームを脱ぐ決意を固めた中畑監督が、10月3日、今季最終戦終了後に記者会見を行った。
さらば、キヨシ監督
報道陣でごった返す横浜スタジアム内に設置された会見場に姿を現した中畑監督は、立ち上がったままマイクを取った。
「自分の中ではまだまだ志半ばという気持ちはあります」と切り出すと、「どっかでけじめをつけなきゃいけない部分が出て来る。ダメなときはダメだ、というね、そういう分かりやすい世界を目指してきたつもり。そういうところを流してしまうダラダラした組織というのは、僕は一番嫌いなんで」と辞意を告げた。
監督として最後の会見に臨んだ中畑清監督
「勝てそうで勝てない、もうちょっと、という内容だったらまだやったかもしれないです。でも、首位から陥落するあの内容というのは、ファンのみなさんの期待を大きく裏切ったという、重い責任を感じてます」といつになく神妙な面持ちで続ける中畑監督だが、そこは我らがキヨシ。
引き締まった表情で「けじめをつける」と語った
「でも、楽しかったです」と笑顔を見せると、就任会見を引き合いに出し「ランドマークタワーで、契約もしていない時に会見をした。あの時間が昨日のように思い出されますね。こんな雰囲気、大好き。またやる?」とおどけてみせた。
就任会見での一コマ。あれからもう4年
最終戦後のセレモニーでも、スタンドからは「キヨシ、辞めるな」の大合唱だったが、ファンだけでなく球団からの続投要請もあった。
でも、本人は「一年一年、覚悟を決めながらやってるつもりなんですよ。本当だったら解雇で文句のない結果だったと思います」と改めて意思の硬さを感じさせる言葉を紡いだ。
キヨシ劇場
4年間の監督生活を振り返り、「監督業ってのはどういうものかな、という不安の中からのスタートだった」と話す中畑監督。
就任会見で「グラウンドはステージ。選手は役者、監督は演出家」と話した通り、中畑DeNAは心の奥に刺さるような劇的な試合を多く生み出した。
2013(平成25)年最終戦を前に取材に応じた中畑監督
監督自ら最も印象に残った試合として挙げたのは、就任2年目の2013(平成25)年5月10日のジャイアンツ戦だった。
「最後は多村の逆転スリーランでサヨナラだったあの試合」という監督の言葉を聞けば、ピンとくるファンも多いはずだ。
初回に5点を失うなど序盤から劣勢に立たされ、7回表が終わった時点で7点のビハインド。しかし、その裏に6点を返し、最終回には当時の巨人の抑え・西村健太朗(にしむら・けんたろう)投手からチャンスを作った。最後は、一軍に合流したばかりだった途中出場の多村仁志(たむら・ひとし)選手が、ファンの待つライトスタンドにサヨナラ弾をたたきこんだあのゲームだ。
多くのファンの心にも残ったあの試合をベストゲームに挙げた
監督が常々言い続けた「最後まであきらめない姿勢」。
最後を決めた多村選手を始め、すべての選手がその “演出方針” を貫いた象徴的な試合で、「あの試合は今でも忘れません」と演出家に言わしめた。