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元バナナ倉庫がフードコートに? 天王町の住宅街の謎の建物の正体は?

ココがキニナル!

天王町から保土ケ谷に向かう道路沿い、もともと倉庫か冷蔵室かあったところにバーや寿司屋が、倉庫の中に店を構え営業しているそう。ちょっと変わったフードコート的な雰囲気もあり、気になっています(しげさん)

はまれぽ調査結果!

正体は「WAREHOUSE 161」。元倉庫で現在は株式会社ナイン・マンスの事務所でありシェアハウスでもあり飲食店でもあった。

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ライター:三輪 大輔

投稿によると元倉庫なのか元冷蔵室のフードコートが、天王町から保土ケ谷に向かう道路沿いにあるという。しかも、倉庫の形状を生かして営業をしているらしい。
 


一般的なフードコートがこんなイメージ(フリー画像より)


確かに、どんな店なのか、とてもキニナル。まず、インターネットを使って調べると、投稿にある建物はどうやら「WAREHOUSE(ウエアハウス) 161」であることが分かった。そこで早速、アポイントを取って、現地に飛んでみることに。



「WAREHOUSE 161」とは、どんなところ?



「WAREHOUSE 161」は、相模鉄道「天王町駅」から徒歩5分、JR横須賀線「保土ケ谷駅」からも徒歩7分の立地にある。この日、筆者は天王町駅から「WAREHOUSE 161」へ向かうことにした。目的地までの道順は、下記の通りである。
  


天王町駅を降りて


目の前の通りを「保土ケ谷駅」方面に真っすぐ進むと


瀟洒な作りの建物が現れる!


ここが「WAREHOUSE 161」


建物の全体は、4階建て


1階に飲食店がたくさん入っている


ただ、元倉庫にしては、オシャレ過ぎる。「本当にここで合っているのだろうか・・・」と一抹の不安が、筆者を襲う。

しかし、1階の飲食店が入っているフロアを見てみると、壁がコンクリートの打ちっぱなしで、倉庫だったような面影が残る。
  


飲食店が入るフロア


果たして「WAREHOUSE 161」とは、どんな建物なのだろうか。同ビルを運営する「横浜空間/株式会社ナイン・マンス」の事務所にお邪魔することにした。

  

2階にある事務所にお邪魔すると・・・ここにもオシャレな空間が!


この日、取材に応じてくれたのは、「横浜空間/株式会社ナイン・マンス」の三橋慶輔(みつはし・けいすけ)さん。
  


三橋さん、お願いします!

「横浜空間/株式会社ナイン・マンス」とは、2002(平成14)年に設立された一級建築士事務所だ。「横浜空間」という屋号で、横浜・湘南エリアの住宅仲介や既存物件のリノベーション、不動産コンサルティングなど、幅広い事業を手掛けている。

それでは、「WAREHOUSE 161」とは、どのような建物なのだろうか。その詳細について、三橋さんは次のように答えてくれた。

「『WAREHOUSE 161』は、もともと青果会社が保有するバナナの保管倉庫でした。フィリピンや台湾から輸入したバナナを、この倉庫で熟成させてから市場に出荷していたそうです。しかし、輸送技術が向上して使用する機会もなくなったため、建物の売却が検討されました。それを弊社で購入した後、リノベーションを加えて『WAREHOUSE 161』にしました」
  


旧所有者の方がバナナ農園で撮影したと思われる写真


倉庫の時に使用していたドアも活用している


建物の明かりも元倉庫のスイッチを活用している


窓も、倉庫の時のものをそのまま活用


元の建物が竣工したのは1970(昭和45)年で、建物の売却の話が、銀行経由で同社にもたらされたのは2012(平成24)年の秋ごろだった。そして、「横浜空間/株式会社ナイン・マンス」が購入して「WAREHOUSE 161」にリノベーションしたのが2013(平成25)年である。
  


なぜ元バナナ倉庫の建物に入居を?(フリー画像より)


その時、同社は「象の鼻パーク」の近くにあるビルに入居しており、「元の事務所に不満はありませんでした」と、三橋さんは話す。それでは、どうして元バナナ倉庫の建物を購入して、リノベーションをしたのだろうか。その理由について、下記のように説明してくれた。

「元事務所は、内装に手を加えられないという点に物足りなさを感じていました。当社には、不動産部と設計部の2つの部署があります。互いにシナジー効果を発揮して、事業展開をしていますが、不動産の担当者は実際のリノベーション案件がなければ経験を積めません。そのため、社員のアイデアが自由に表現できるように、自社ビルを保有することは前から検討をしていました。元バナナ倉庫という珍しい物件は、なかなかありません。取り壊すことも検討されていましたが、当社でなら、倉庫特有の雰囲気などを生かして活用していくことができると考えて、購入に踏み切ったのです」
  


社員のアイデアで作られたカフェコーナー


来客用に本格的なコーヒー豆もそろえている


「WAREHOUSE 161」は、1階が飲食フロア、2階が「横浜空間/株式会社ナイン・マンス」の事務所、そして3~4階がシェアハウスになっており、全体の構造は社員の話し合いで決められたという。

「当時、シェアハウスが、世間的に大きな注目を集めていました。しかし、横浜市内には、まだまだ数が多くなかったため、3~4階部分をシェアハウスにすることにしたのです。そこから逆算して、入居する方は自炊する機会も多くないだろうと考え、1階部分を飲食フロアにすることが決められました」

現在、シェアハウスも飲食フロアも、ともに好評であるという。シェアハウスは入居者を募集するとすぐに埋まり、飲食フロアに限ってはまだ退店した店はない。それほどまでに人気を集める「WAREHOUSE 161」の全容は、どのようになっているのだろうか。三橋さんに、建物を案内してもらうことにした。
  


ちなみに、打合せスペースもオシャレ!