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シンプルながら奥深い味わいが魅力の片倉町「とんぱた亭」と、さらりとしたアブラのバランス系スープの弘明寺「とん桜」が登場!

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2016年07月31日

ライター:はまれぽ編集部

長らくお待たせしていた「家系ラーメン全店制覇」。再始動となる28回目の今回は、「家系」と呼ばれる店舗が数多あるなかで、「美味い家系ラーメン店」と知られ、多くのファンを持ちながらも店名に“家”を付けていない店を取材する。

それが横浜市営地下鉄ブルーラインの片倉町駅にある「とんぱた亭 片倉町店」と、同じく横浜市営地下鉄ブルーライン、弘明寺駅の「とん桜」だ。両店とも「家系ラーメン」として地元民に愛され、人気を博している。その秘訣とルーツを辿っていこう。


 
「家」を持たない元祖はどこか?
 
全店制覇再始動として気合を入れて最初に向かったのは「とんぱた亭 片倉町店」。

 

 片倉町駅を出て三ツ沢方面にゆるい坂を上ると
 

 落ち着いた色合いの看板が見えてくる

 
見ての通り、同店の看板には“家”の表記がどこにもない。散歩中という近所にお住いの60代男性に同店をご存じか尋ねてみたところ、「知ってるに決まってるよ! とにかく美味い家系だよ。キミ知らないの?」と逆に質問されてしまった。

「知らないの?」と聞かれて思わず言葉が詰まる筆者。家系ラーメンは好きだが、出不精故に食べたことがない有名店も多い。家系ラーメンと言えば“職人の世界”というイメージだ。素人がホイホイ気軽に踏み込んでいいのだろうかと不安が募るなかで・・・

 

 店内を見つめ「とんぱた亭、かなり久しぶりの訪問ですよ」と話すこの男

 
今回も家系マイスター・マーコ氏に、その豊富な知識と経験を生かして、全店制覇をサポートしていただく。マーコ氏によると、とんぱた亭は同じく店名に“家”を持たない「せんだい」など、実力派家系ラーメン店を輩出した名店であるという。

辛口と聞いたマーコ氏が穏やかに語る姿を見て、俄然期待が高まってゆく。今回は「とんぱた亭 片倉町店」の小柳明(こやなぎ・あきら)さんに話を伺った。

とんぱた亭は1992(平成4)年9月に、片倉町に1店目をオープン。創業から24年が経ち、現在は片倉町だけでなく、子安店や三枚町店、さらには日産スタジアム店と店舗を増やしているが、そのなかで創業当時の味に最も近いと言われているのがここ片倉町とのこと。

 

 店内はカウンターのみで12席と店外のスペースに12席の計24席


看板の色や店内の色合いも相まって、落ち着いた雰囲気。整理された厨房内では小柳さん(残念ながら写真NG)と白井龍太郎(しらい・りゅうたろう)さんが腕を振るう。

 

 カメラを向けるとすかさずポーズを取ってくれるノリの良い白井さん!


小柳さんは「自分が強面だから、スタッフはみんな愛想が良くてとっつきやすい子たちにしてるよ」と話すが、取材中もひっきりなしに訪れるお客さんへ優しく声を掛け、細やかな気配りをする姿に勝手ながら親近感が沸いてくる。そんな小柳さんは他店で3年間ラーメン作りを経験し、1996(平成8)年からとんぱた亭に入ったという。

 

 メニュー表も看板と同じくブラウン


家系ラーメン店で見かける「麺の硬さ・味の濃さ・アブラの量」についての記述は店内に見受けられないが、「言ってくれれば対応しますよ」と小柳さん。「アブラなし、超カタみたいな注文もOKです。基本的にお店にある材料でできるものなら、できる限り対応します」と、かなりフレキシブル。

自分好みの味を探せるのも家系の楽しみのひとつだが、こんなに細かな対応をお願いできる同店が家の近所にあったら毎日通っていたかもしれない。メニューを食い入るように見つめる筆者を見て「まずは食べてみますか」と言ってくれた小柳さんに感謝しつつ、今回はスタンダードな「ラーメン(650円)」と、人気の「辛子味噌ラーメン(800円)」、トッピングに「キャベツ(100円)」をいただくことに。

 

 カウンターから調理風景がよく見える
 

 麺は酒井製麺の中太ストレート。麺上げは平ザルで
 

 シンプルながらそそる見た目の「ラーメン」
 

 スパイシーな香りが食欲を刺激する「辛子味噌ラーメン」
 

 トッピングの「キャベツ」は別盛りも可能とのこと


今回は同店の開業初期のラーメンを食べたことがあり、当時を知るマーコ氏が「ラーメン」を、初とんぱた亭となる筆者が「辛子味噌ラーメン」をいただく。

 

 いただきまーす!
 

 スープはやや乳白色で、雑味のない優しい味わい


スープを一口すすり、「昔は超濃厚だったと記憶していますが、今はややさっぱりしていて食べやすくなりましたね」とマーコ氏。小柳さんによると、昔はアブラとスープを合わせてかなり濃厚にしていたそうだが、家族連れや女性のお客さんが増えてきたこともあり、10年ぐらい前から時代に合わせて食べやすいラーメンへと少しずつ変えてきたそうだ。

とんこつは冷凍物を一切使わず、背骨、ゲンコツ、骨ガラ、そしてトリを使用。何よりも「ブレがない」味を提供することにこだわっていて、スープを完まく(完飲)する女性もいるのだとか。

 

 こちらは辛子味噌。まろやかなスープを辛味が引き締める

 
普段あまり味噌ラーメンを食べない筆者は、味噌ラーメンと言えば少し甘めで「とんこつしょうゆ」と比べるとパンチが薄く食べ応えがないと勝手に思っていたが、ミソの甘さや風味を引き立てつつもしっかり味を締める辛さがクセになる。またキクラゲやモヤシなどの野菜が辛ミソによく合い箸が止まらない状態に。

「とんぱた亭と言ったらこれ入れなきゃでしょ!」とマーコ氏に差し出されたのは創業当初から手作りしている「ニラキムチ」。

 

 フタを開けると、これまた食欲を刺激する香り!


キムチにあたるトウガラシなどの香辛料が粉末に近い形状だが、しっとりしていてニラと麺によく絡む。思わず「家にほしい・・・」と呟いていた。

とんぱた亭の美味しさを実感し、お腹もいっぱいになったところで、同店はなぜ店名に“家”を付けていないのか改めてお話を伺う。

 

 小柳さん(左)の軽快かつ興味深い話に引き込まれるマーコ氏


「とんぱた亭を立ち上げた畑秀幸(はた・ひでゆき)社長は“さつまっ子”で経験を積み、今のオリジナルの味を作り上げました。家系ラーメンとして作ったわけではないので、店名に“家”を付けなかったそうです」と小柳さんは語る。ちなみに、とんぱた亭の名前の由来は“とんこつ”の“とん”に畑社長の“はた”を合わせたことから来ているそう。

 

 なるほどなるほど・・・

 
家系ファンや地元の方に同店が「家系ラーメン店」と認識されていることに対しては「とんぱた亭のラーメンを、自ら“家系ラーメン”とは言わないですね。でも、“家系ラーメン”として皆さんに親しまれているなら、そう呼ばれること自体がダメ! なんて言うつもりはないですよ。それぞれが自由に捉えて、美味しく召し上がってもらえれば嬉しいです」と優しく笑う小柳さん。

味もさることながら、家系ラーメンに対する謙虚で真摯な姿勢と、小柳さんや白井さんの親しみやすい人柄も人気の秘訣だなと感じられる。

また今回の取材で、東京都青梅市の「梅浜亭(うめはまてい)」や千葉県市川市の「風凛(ふうりん)」も同店出身だということが判明。家系家系図に新たな道筋が見えてきた。
 
 
お次は弘明寺の「とん桜」へ! キニナル続きは次のページ
 

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