「家」の冠を持たない家系ラーメン店とは?~横浜の家系ラーメン全店制覇への道~其の弐拾八
ココがキニナル!
シンプルながら奥深い味わいが魅力の片倉町「とんぱた亭」と、さらりとしたアブラのバランス系スープの弘明寺「とん桜」が登場!
ライター:はまれぽ編集部
桜を愛する弘明寺の街
とんぱた亭を食べ終えたあと、「もっと勉強の必要がある!」とマーコ氏に諭され、ちょっとお茶をするような流れで軽やかに連れてこられたのが、大岡川の桜で有名な弘明寺の街。この街にも店名に“家”を持たない家系ラーメンの人気店がある。
目的のお店は横浜市営地下鉄ブルーライン・弘明寺駅下車で
徒歩5分ほど、オシャレな外観の「とん桜」に到着
「なんかポーズしてください」という雑なフリに応えてもらう
取材に対応してくださったのは、とん桜店長の守屋健太郎(もりや・けんたろう)さん。
雑なフリPart2にも応えてくださった優しい守屋さん
とん桜は2012(平成24)年開業。元々イタリアンや和食を学んでいた守屋さんと、以前いたスタッフの2人で今のラーメンを作り上げたという。店名は“とんこつ”の“とん”に、弘明寺は桜が有名で愛されているので、“桜”を加えたことを由来としている。
ここでふと、先ほどのとんぱた亭と名前の由来が似ているなと感じ聞いてみると「実は以前いたスタッフが、とんぱた亭さんで修行を積んでいたんです」と守屋さんが話してくれた。なるほど、店名に“家”を持たない家系ラーメンはここに繋がるのか! と驚く筆者と、既知の情報から同店へ筆者を導いた、落ち着いた面持ちのマーコ氏。家系の奥深さを痛感する。
明るく清潔感溢れる店内、カウンター11席に
4人掛けテーブルが2つ
なにやらキニナル、額縁に入れられた「筑波山もち豚」
守屋さんによると、筑波山もち豚は茨城県筑波山の麓で飼育された豚肉で、さらりとしたアブラと食べ応えのある食感が特徴とのこと。同店ではチャーシューはもちろんのこと、スープに使うとんこつもすべて筑波山もち豚を使用しているという。また、野菜はその時々で一番良い国産のものを八百屋さんから仕入れており、そばの製麺で有名な八角(やすみ)製麺に特注した中太麺を使用するなど、随所にこだわりを見せる。
「まずは食べてみてください」とのお誘いを受け、早速「ラーメン」と最近若いお客さんにかなりの人気だという「まぜそば」をお願いした。
家系ではやや珍しい、白磁のどんぶり
湯切りはテボで
先ほど食べたばかりだというのに、スープの匂いに誘われて、お腹はすでに臨戦状態だ。家系ラーメンマイスターでありながら、まぜそばも大好きというマーコ氏のテンションも上がっている。そうしてやってきたのがこちら!
驚きのコストパフォーマンス、「ラーメン(550円)」
麺は通常の1.5倍! ボリューム満点の「まぜそば(750円)」
まぜそばは具材のネギ、青菜、モヤシ、キャベツ、フライドオニオン、チャーシューが麺を覆い隠している。こちらの麺も通常のラーメンと同じ八角製麺の中太ストレートを使用。
背ガラ、ゲンコツ、コミガラ、トリガラを使ったラーメンのスープについては守屋さんが「バランス系です」と話してくれたが、どうだろうか。
好みは“普通”でオーダーしたが、もともとアブラの少ないスープのようだ
「確かにバランス系と言うのも分かる、控えめだがしっかりまとまっているスープ。ただ、鶏油(ちーゆ)が効いたパンチのある家系に慣れていたら物足りない。でも、この味でこのコストパフォーマンスはかなりキてますねぇ~」とマーコ氏。
筆者もいただいたが、「地元密着で、家族でも女性だけでも入りやすい店、食べやすいラーメンを大切にしている」と守屋さんが話す通り、お年寄りやお子さんでも食べやすいだろう、マイルドで柔らかな味のスープだ。さらりとしたアブラの筑波もち豚のおかげなのだろうか、スープ自体もアブラが控えめ。シンプルなスープと絡む歯切れの良いもっちり麺と、肉のうま味をしっかり感じるチャーシューが嬉しい。
筆者がラーメンを味わっている前で、マーコ氏は普通のラーメンを軽くたしなみ、続いてまぜそばに挑む。
1.5人前あるまぜそばに、文字通り食らいつく
マーコ氏に「これこれ!」と差し出されたのは「壺七味」
とんぱた亭と比べると辛味は強めで粉末感が高いが、ラーメンやまぜそばにもベストマッチ。1.5人前のまぜそばを「美味いけど多いな・・・」と言いながらもマーコ氏は10分ほどで食べ終えた。
「もう無理」と言いながら顔は幸せそうである
筆者は本日2杯目のラーメンであるが、すんなり完食できたことに驚いた。やはり同店の食べやすさが生きた結果ではないだろうか。
「弘明寺は年配の方も多いので、老若男女、小さなお子さんまで安心して食べられるラーメンを作り続けていきたい」と言う守屋さんの言葉に納得の1杯だった。
取材を終えて
今回は店名から家系図が見えてくるという、面白さと奥深さを感じる取材となった。時代に即した味、また修行先からのオリジナルの味へと変化する、その変移を追ってみるのもひとつの楽しみかもしれない。
「家系の道はまだまだこれからだ」と背中で語るマーコ氏
―現在の全店制覇状況― ※クリックして拡大
※上記軒数は2016年6月時点で再調査した家系家系図内の店舗数となります。開店・閉店・発見により軒数が変動する場合があります。
※現在特設ページの家系図は調整中で、近日中に更新予定です。
―終わり―
取材協力
とんぱた亭 片倉町店
住所/横浜市神奈川区片倉2丁目2-2
電話/045-481-5925
営業時間/午前11時~午後11時
定休日/なし
とん桜
住所/横浜市南区通町3-71 スターフィルド 1F
電話/045-731-7110
営業時間/11:30~23:00
定休日/木曜日
shinobu0614さん
2016年11月30日 05時38分
とんばたは名店「せんだい」を生み出しただけでも偉大である
若林源三さん
2016年09月12日 01時27分
今回のマーコさんの距離感は良かった。食べ方や店の歴史に関してのコメントのみで主観がほぼ無かったので、違和感なく読めたし、勉強になった!色々書かれてるけど、この家系シリーズにそれだけ期待を皆がしていると捉えられるので、最後まで頑張って欲しいです。
本音勇三さん
2016年08月04日 21時56分
ご本人には申し訳ないですが、マーコ氏は生理的にダメな人間が多いということをいい加減に分かるべきじゃないかなと。