人口がたった1人!? 川崎区浮島の住人とは?
ココがキニナル!
川崎市の浮島は工業団地の一部ですがウィキペディアで人口2人(平成24年6月30日時点)となってます。浮島のような工業団地に一般人が住むことができるの?それとも周辺の関係者か知りたい(横浜の棒人間さん)
はまれぽ調査結果!
川崎市川崎区の浮島町は2016(平成28)年12月現在、人口1人と川崎市が情報公開しており、企業関係の人が住んでいた。一般人は住める物件はない
ライター:山崎 島
さまざまな企業の工場がひしめく川崎市川崎区浮島町。夜は工場夜景スポットとしても人気高いその町に、どうやら住んでいる人がいるという情報が。よくあの辺を車で通るけど、見た感じだとどこも企業の敷地で、人が住めるところはなさそうな・・・
今回は浮島町の歴史をお伝えし、住人の方にたどりつくまでの様子を記事に致します。
浮島町の歴史
ではまず、浮島町ってどんな場所なのか。
浮島町は多摩川の河口に位置する埋め立てによって造成された町で、大部分をゼネラル石油や東燃化学、日本石油化学などの石油コンビナートが敷地を有している。
赤く囲った島全部が浮島町。面積は4.84平方キロメートル(Googlemapより)
工場夜景も撮ってきました
江戸時代よりも前から、この場所には土砂や漂流物などが堆積してできた浮州が点在しており、1762(宝暦12)年の『池上家文書』には、荏原郡羽田村(えばらぐんはねだむら:現在の大田区)の三本葭(さんぼんあし)という島に隣接する島としての記述がある。手を広げたような扇形をした島だったため、人々からは「末広」と呼ばれていたそう。また幕末には島内に常夜灯が設置され、中央部には西澪(にしみお)という水路があったとの記録も残っている。
1939(昭和14)年の東京湾埋立株式会社事業案内の表紙。工事に使用する機械などの写真が(東亜建設工業株式会提供)
同資料裏面。末広島の形が分かる貴重な地図(同社提供)
昭和初期に京浜工業地帯造成事業計画が始まり、末広島は付近の中州と合体し面積が拡大する。この計画は1945(昭和20)年内に竣工予定だったが、第二次世界大戦(1939~1945年)が激化したため工事は一時中断。放置された末広島は潮流に面積を削り取られ、戦後には築堤にかろうじて洲が残っている状態になった。
1954(昭和29)年の東亜港湾工業株式会社施行埋立地付近川崎港平面図(同社提供)
1957(昭和32)年に神奈川県の埋め立て造成が再開し、1959(昭和34)年には末広島が以前の大きさに再現され「末広町」と地名を変えた。またその東側に新しく埋め立てられた土地は「浮島町」と名付けられた。
1974(昭和49)年に「末広町」と「浮島町」の2つの町を併せて「浮島町」とし、その後1975(昭和50)年から市営による埋め立てにより、さらに拡張を進め、現在に至る。
大手企業の工場がひしめく浮島町。要塞のような建物が並ぶ大きな町は、かつては小さな島だったんですね。
うーん、じゃあ行政に聞いてみる!
初めから工業地帯として埋め立てられた浮島町に、人は住めるのだろうか、イマイチぴんと来ない。その上、手がかりがないため、何かつかめないかとダメもとで川崎市に問い合わせた。
まずは「情報管理部統計情報課」に話を伺った。こちらは川崎市の地域ごとの人口や世帯数を統計・公開している機関。浮島町の人口について質問すると、「統計情報課では住民基本台帳に登録した方を人口としています。私どもで把握している浮島町の住人の方は、現在お1人だけですね」との答えが。
わあ、噂じゃなくって正式に浮島に住所置いている人がいるのね!! 年賀状も浮島に配達されるってことよね、すごい!! ちなみに、一般人が浮島町に住めるのか聞いてみると、「こちらでは詳しいことは申し上げられません」とのことだった。
そのほかにも川崎市のHPに、1997(平成9)年度までの世帯数と人口を公開しているページがあったので閲覧した。すると、浮島町の人口は1997(平成9)年~2016(平成28)年度の間で、大分変動していることが分かった。
表にすると
なんと、1997(平成9)年度には16世帯21人が浮島町に住んでいた!! が、どんどん人口は減少し、2016(平成28)年度には総人口1人。何があったんだろう・・・そのほか詳しいことは統計情報課からは聞けなかったが、個人情報だし当然だよなあ。
もう1ヶ所、川崎市の戸籍住民サービス課にも問い合わせた。こちらは市内に住居を構えた際に、住所を交付する機関だそうで、浮島町に住居があるのか聞いてみると「一部住居表示されている所はありますね。詳しい事は申し上げられませんが、研究所の多い所です」と教えてくれた。
戸籍住民サービス課あるビル。研究所の多いところに一部住居表示されている場所があるという
ふむふむ、じゃあやっぱり企業関係の人がお住いってことだよね。でもその住所に今も誰か住んでるとは限らないし、私ら一般人が外から確認できる場所である可能性は低いだろう。
その一人にたどり着ける気が全くしないぞ・・・これはもう現地で聞き込むしかなーい! ということで浮島町へ。