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横浜市内の貨物駅を徹底調査!【前編】

ココがキニナル!

横浜に現存する「貨物駅」が気になる。安善、横浜羽沢、東高島、根岸、横浜本牧、本牧埠頭。普段は見たり乗ったりできません。どんな貨物が取り扱われ、どんな機関車や貨車が走っている?(横濱マリーさん)

はまれぽ調査結果!

前編は、一般人でも見られる外側をまわった様子を全6駅分お届け。後編では、うち1駅を内部から取材し、取扱貨物なども調査する。

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ライター:紀あさ

10月といえば、鉄道



鉄道発祥の地として知られる横浜。新橋-横浜間に日本で初めての鉄道が開業したのは1872(明治5)年10月14日(旧暦9月12日)。現在ではそれを記念して、10月14日が鉄道の日とされている。

 

秋は鉄道がキニナル季節(画像は初代横浜駅、横浜開港資料館所蔵)

 
貨物列車の歴史を調べると、やはり貨物も横浜発祥。鉄道開通の翌年1873(明治6)年9月15日、同じく新橋-横浜間で貨物運輸が開始された。

ちなみに、日本ではこの年から新暦が採用されたため、旧暦・明治5年12月2日(=西暦1872年12月31日)の翌日が新暦・明治6年1月1日になり、12月がほぼ消えてしまった、そんなころの話である。
 


貨物運輸の創業時代 (『貨物鉄道百三十年』日本貨物鉄道株式会社刊より)

 
それでは、貨物発祥の地・横浜の貨物駅、6駅へと、出発進行!



貨物ファンと行く、貨物駅探訪



意気込んだものの、貨物駅にはどうやって行くのだろう。駅だけでなく機関車や貨車も見たい。そこで助っ人を頼むことにした。

貨物といえばまっ先に思い出す、『JR新川崎駅「元操車場」、外から楽しむスポットは?』で見事なまでに新川崎周辺の貨物スポットを案内してくれた鶴見区在勤の会社員・今井英明(いまい・ひであき)さんだ。
 


鉄道ファンは背中で語る。今井さん、今回もご快諾ありがとうございます!

 
電話でお誘いしたらすらすらと横浜市内の貨物駅名を挙げ、翌日には、公共交通機関だけを使って6駅を1日で巡るルートを考えてくれた。
 


貨物駅を巡る冒険、1日コース(※クリックで拡大)

 
 
  

出発前に、禁断の書を

 
鉄道好きや旅好きの人なら一度は手にとる時刻表。これと見た目は似ているが、貨物時刻表というものがある。存在を知っているだけでも鉄道ファン初級な気がするが、購入となると上級感がひしひし。でも今回は貨物列車に会いたい! から・・・
 


出発前に、「貨物時刻表」を初購入


貨物時刻表は横浜市中央図書館では禁帯出のため持ち出せない高嶺の書物で、買うとなると一冊2500円もする高値の書物である、どきどき。

まず時刻表内の「貨物取扱駅コード図表」を見てみよう。
 


横浜市の貨物駅(貨物時刻表に筆者書き込み)

 
キニナルでは「安善、横浜羽沢、東高島、根岸、横浜本牧、本牧埠頭」の6駅が挙げられているが、ほかに鶴見区の新芝浦駅と緑区の長津田駅も市内の貨物駅のようだ。今井さんにお尋ねすると、新芝浦と長津田は日常的に貨物列車はやってこないとのこと。なるほど、では予定通り6駅で行こう。



祝日は貨物日和

待ち合わせは、9月の祝日の午前7時30分に相鉄線上星川駅。今井さんによると、貨物列車は日曜だと本数が少ないが、祝日の場合は平日と同様に走る場合もあり、多少の期待が持てるそう。
 


おはようございます

 
一緒に来てくれたのは今井さんの長男、小学6年生の広大郎(こうたろう)くん。広大郎くんも電車好きだが、貨物は? と聞くと「貨物、人乗せないじゃん」と辛口コメント。あら。
父・今井さんの「今日はなんできたの?」の問いに、「貨物の何が面白いか、見に来た」と返事。そう、私もそれが知りたい!
 


今井さん(左)と広大郎くん

 


1. まずは、横浜市内最大の貨物駅「横浜羽沢」


 


上星川駅を出て、北口のバス停へ

 
バス停の先に、高架の貨物専用線の防音壁が見える。
 


バスで横浜羽沢駅に向かう(GoogleMapに筆者書き込み)


貨物駅は進行方向右手側、座席は右側に座りたい


羽沢貨物駅に到着


駅を横切る橋(貨物時刻表に筆者書き込み)


橋の柵の隙間からは貨物駅が良く見える!


横浜羽沢駅(※今井英明さん撮影、以下※は同)

 
JR貨物が所有する赤紫色(JRFレッド)のコンテナが多く見え、貨物駅に来た! という実感たっぷり。まさに一般に貨物駅といって想像する通りの駅だが、実は貨物駅全駅でこうしたコンテナを取り扱っているわけではないので、まずはこの駅で貨物駅探訪気分を高めたい。
 


停車中の機関車DE10形と貨車、手前には貨物駅内のシンプルな踏切(※)

 
形式がDから始まるのはディーゼル車だ。
 


機関車の形式記号(貨物時刻表より)

 
首都圏に住んでいると列車を見た時につい「電車」と呼んでしまうが、全国の鉄道線には電化されていない区間もあり、そうした非電化路線ではディーゼル機関車が活躍する。
 


使用を止めたらしき線路も普段は目にすることがなく興味深い


駅に隣接する物流拠点にはトラックが並ぶ

 
さて、来るか来ないか貨物列車。この日、ダイヤから期待されていた列車は通らなかったが、撮影機材持参の人が現れたので、何か来るかも? と少し待ってみることに。
 


「来るとしたら11番。レールがほかより光っているから」

 
今井さんによると、レールは丸一日車両が通らないだけでサビつくことがあるそうで、レールがピカピカの線路に注目しているのがよいそう。

ここで、貨車と連結していない、単機の赤い機関車が現れた。予想通りの11番線!
 


DD200形901号機(※)

 
DD200形! まだ実用化されていない新型車両の試作機だ。2017(平成29)年6月末に新鶴見機関区に輸送され、本線での試運転が8月に始まったばかり。これはレア。後日「鉄道ファン」サイトのニュースに掲載されていたほどの珍しい車両の試運転だった。いきなり出会うとは幸先がいい。

バス停に戻る途中では広大郎くんが「何かきた!」と発見。
 


185系が回送で通過

 
185系は国鉄時代に特急と通勤列車の両方に使えるように設計され、「国鉄最後の特急列車」ともいわれる車両で、まだ現役。「平日は湘南ライナーとしてお客さんを乗せて走り、休日は回送。東京駅に着いたら伊豆急下田駅行きの踊り子号になるはず」と今井さんが教えてくれた。だが老朽化により、踊り子号からは数年以内に退役する方針が決まったことが2017(平成29)年4月に発表されている。

新型車両と引退発表済の車両。未来と過去の間に居るような、(現代とは当たり前にそういう時を指すのだけれど)、少し不思議な気分になりつつ、次の駅に移動しよう。