ソースかつ丼は横須賀のウラ名物って本当?
ココがキニナル!
ブラタモリで案内人がソースかつ丼は横須賀で結構名物ですと返していたので、横須賀のソースかつ丼を出す名店を調べてください。福井まで行かないと食べられないと思っていたのでぜひ行きたいです(nobaxさん)
はまれぽ調査結果!
横須賀にある老舗トンカツ店「やなせ本店」と、ご当地グルメレストラン「LAUNA (ラウナ)」のソースかつ丼をご紹介。
ライター:大和田 敏子
ご当地グルメの店!? 「LAUNA (ラウナ)」
続いて伺ったのは、レストラン「LAUNA」。横須賀中央駅から徒歩10分ほど、大通りに面した店だ。
「ヨコスカネイビーバーガー」ののぼりが目立つ
黒板には「よこすかご当地4大グルメ」を強調。ソースかつ丼はあるのか?
一見したところオシャレなカフェといった雰囲気で、ソースかつ丼を出していそうな店ではなく、少し不安になりながら店内へ。迎えてくれたのは、オーナーシェフの平野耕司(ひらの・こうじ)さん。
平野さんは、生まれも育ちも横須賀!
平野さんの料理人としてのスタートは、鎌倉の懐石料理店「御代川(みよかわ)」。その後、お酒について学びたいと居酒屋さんに勤務し、ホールでの接客や厨房と広く関わった。そこで声をかけられ、江の島の大規模レストランの立ち上げから関わり、店舗経営全般について学んだという。念願かなって、2007(平成19)年、「LAUNA(ラウナ)」をオープン。
LAUNAはハワイ語で「出会い」の意味。大好きなイルカをトレードマークにした
ハワイが好きで、奥さまと出会ったのもハワイだという。「ふたりが好きなハワイの雰囲気のレストランで、お客さんとの出会いを大切に、自分たちのペースでやっていける店にしたいと思いました」と平野さん。
ハワイアン? アメリカン? みたいなポップな雰囲気な店内
開店当初はハワイ料理と和食を出す店だったそう。その後、お客さんの希望を取り入れながらメニューを変更していった結果、ピザやパスタ、タコスとバラエティー豊かな料理を出す店に。
2010(平成22)年ごろから、「ご当地グルメ」の大きな波を感じ、横須賀で飲食店をやっていく上で有利になると考え、それを前面に出す店になったという。
ところで、ソースかつ丼はあるのだろうか?
たくさんのメニューが並ぶなか、「ソースカツ丼」を見つけた
ソースかつ丼は開店当初からのメニュー。平野さん自身、横須賀の名物だと知っていたという。「ソースかつ丼は横須賀名物と聞いたから」と、遠方からわざわざ食べに来るお客さんもいるそうだが、ラウナで1番人気のヨコスカネイビーバーガーに比べると、注文数は4分の1程度だという。
いよいよ、ソースかつ丼を作っていただくことに。調理の様子も見せていただいた。
揚げるのは豚ロース
一般的にソースかつ丼に乗せるのは千切りキャベツのようだが、同店では食感を考慮して、レタスに変えてアレンジしている。
外側と内側の葉の切り方を変えて、より良い食感にする工夫も
こちらのレタスは、奥さまの実家である農家で栽培されたもの。店で使用する野菜の8割程度が自家製だそうだ。
包丁を入れるとサクっと音をたてる、美味しそうなトンカツ
これをレタスの上に乗せて、トンカツソースとマヨネーズをかける。
できあがりがこちら「ソースカツ丼(1080円)」
米軍基地のある横須賀だけに、外国人のお客さんが多いため、ボリュームを重視! 切り口が見えるように盛り付けるのも、さまざまな宗教の方がいる外国人向けだそうだ。ちなみに、オニオンは日本人向け。外国人には嫌う方が多いので乗せないという。
いただきます!
サクッとしたトンカツはしつこくなく、食感の良いレタスがアクセントになっている。ソースやマヨネーズの量も程良いので、思いのほかどんどん箸が進む。でもやはり、見た目通りのボリューム。ガッツリ食べたい人に、おすすめのソースかつ丼だ!
続いて、アメリカ海軍の伝統的なレシピを忠実に再現したという、「元祖ヨコスカネイビーバーガー(1280円)」も出していただいた。
インパクトがすごい!
どうやって食べたらいいのか悩みつつ、ケチャップやマスタード、マヨネーズをかける。
ヨコスカネイビーバーガーは自分で味付けして食べるのが決まり
そのほかにも、横須賀市の「ヨコスカネイビーバーガー」の認定には、パテやパンにも細かな基準があり、認定されるのが大変なのだそう。
とりあえず挟んでみたが、そのままかじりつくのは無理そう
ナイフで切っていただくと、見た目のボリューム感からイメージされるより、ずっと食べやすいハンバーガーだ。パテはジューシーで肉の旨みがたっぷりで、レタス、トマトなどの野菜がすごくフレッシュ。自分で味付けできるので、好みの味にできるのもいい!
ご当地グルメ「よこすか海軍カレー」も人気だとか
ご当地ものとしては、横須賀市認定のご当地デザート「チェリーチーズケーキ」や横須賀ブラジャーもある。また、2018年10月までの期間限定で「海上自衛隊潜水艦『せとしお』カレー」も出している。
2階席は和のテイストも加えた、すっきりしたスペース
この雰囲気は外国人のお客さんに好評だとか。
横須賀という土地柄や客層に合わせて、柔軟に変化してきた「ラウナ」。ソースかつ丼を独自にアレンジしたように、さらにインパクトのあるメニューが登場するのだろうか。今後もキニナル店だ。
横須賀のソースかつ丼のルーツとは?
福井、福島、長野、群馬などソースかつ丼を名物とする土地はいくつかあり、それぞれの土地で、その発祥についての歴史が伝わっている。
ヨーロッパ軒のホームページによると、大正初期に東京・早稲田でソースかつ丼を提供したヨーロッパ軒が横須賀の追浜に移転し、その後、故郷の福井に戻ったとのことだが、会津のソースかつ丼の名店が横須賀に出店した時期があったという話も伝わっているようで、横須賀にソースかつ丼が伝わった経緯には不明な点も多い。また「LAUNA」の平野さんによると、以前に比べ横須賀でソースかつ丼を提供しているお店も減ってきているようだ。
こちらは「敦賀ヨーロッパ軒 本店」のソースかつ丼セット(1050円)
菊地さんの話や「やなせ本店」の伊藤さんの話にあるように、どこからか伝わった1つのレシピを元にというより、洋食が発展していくなかで、庶民の味としてソースかつ丼が自然に出てきた部分も大きいようで、そのルーツを引き続き追及していきたい。
取材を終えて
横須賀のソースかつ丼は、名物と言い切るほどには広まっていないようだが、紹介した以外でもソースかつ丼を提供している店がある。店それぞれに、こだわりのソースかつ丼がありそうでキニナルところ。横須賀ソースかつ丼食べ比べというのも、楽しそうだ。
―終わり―
〈店舗情報〉
やなせ本店
住所/横須賀市若松町1-2
電話/046-822-2054
営業時間/11:30~15:00、16:30~20:00
定休日/水曜日
LAUNA (ラウナ)
住所/横須賀市本町1-15-11
電話/046-854-5688
営業時間/11:00~21:00(L.O.20:00)
定休日/月曜日
ホトリコさん
2016年09月03日 19時44分
豚汁も発祥が不明ですが、ソースカツ丼と共に日本人が世界に自慢しちゃって良い美味しい大発明です。
くま180さん
2016年08月31日 20時59分
ソースカツ丼といえば長野県駒ヶ根市と福島県会津若松市が随分前から街興しに宣伝してますね。駒ヶ根のは今のように宣伝する前、学生時代に偶然元祖と言われるお店で食べました。会津若松は当時の市長も参加してテーマ曲を作ったりしています。横須賀のは近いから全店制覇したいですね。
横浜初心者さん
2016年08月31日 13時42分
新潟にもタレに漬けたカツをご飯の上に載せている「タレカツ丼」というのもあります。全国に似たようなものがありそうですね。