横浜・川崎両市が横浜市営地下鉄延伸の事業化判断を発表! 今後の課題は?
ココがキニナル!
横浜市営地下鉄ブルーラインのあざみ野駅~新百合ヶ丘駅延伸の計画、どうなっているのか気になります(ナチュラルマンさん/タイサンさん/神奈川の玉子さん/HIDANAGAさん)
はまれぽ調査結果!
2019年1月に横浜・川崎の両市長から事業化の発表があり、今後は2019年度中を目処に川崎市内のルートを絞り込み、事業許可に向けて国や関係者との協議・調整を進めていく
ライター:田中 大輔
川崎市推薦、東側ルート
では、川崎市はなぜ東側ルートを推しているのか。
川崎市の担当者、まちづくり局交通政策室の久木田直史(くきた・なおふみ)課長と井口尚(いぐち・ひさし)係長に話を聞いた。
小田急線の新百合ヶ丘駅。この南口あたりに地下鉄駅ができる予定
「川崎の街づくりや地域交通に関する視点から見た場合、東側ルートの方が整備効果が高いと考えています」というのが、川崎市の考え方。
東側ルートが通る “ヨネッティー王禅寺”の辺りは、いろいろな方面に向かう路線バスのネットワークがすでに存在しているので、その付近に新駅を整備することで「ほかの地区よりも相乗効果が期待できる」というのが、その根拠のひとつ。
ヨネッティー王禅寺。周辺には大学などもあり、バス路線も多い
また、「既存駅から最も遠いルートであること」も理由とのことで、要は小田急線から離れていることで、駅を中心とした圏域が競合せず、より高い街づくりの効果が期待できるというわけだ。
これまでの検討結果を踏まえて東側ルートを有力案として示した、というのが両市の考えのようで、正式決定ではないものの現状ではこのルートが選ばれる公算が高い。
新百合ヶ丘駅のバス乗り場。多くの人がバスを待っていた
いずれにしても、2019年度中にルートが決定される予定なので、国への許可申請はそれ以降。横浜市の橋詰さんは「できるだけ早くやりたいとは思っているが、現時点では具体的な時期は言えない」状況だと話してくれた。
お金の配分はどうなるの?
川崎市の意向も汲んで、東側ルートが選ばれる可能性が高そうな現状だが、事業主体である横浜市と違い、運賃収入などの直接的な収入を得られない川崎市としては、いかに経済効果を挙げるかは大きなポイント。
商業施設も多い新百合ヶ丘駅。付近のさらなる発展もキニナルところ
「新百合ヶ丘駅の周辺は、2021年度を目指してまちづくりについて検討していきたい」と考えていると久木田さん。また、中間の新駅周辺については、すでに住宅街が広がっていることから大規模な土地利用転換はせず、「今あるものを中心に、住んでいる方がより暮らしやすくなるように、ということを考えていきます」と言い、「バスがさらに多方面に充実できるように取り組んでいきたい」と話してくれた。
費用負担については、概算事業費を約1800億円とした場合、以下の表のような感じ。
概算事業費を約1800億円とした場合の負担割合はこんな感じ
青い部分が横浜市の一般会計から出されるもので、合計でおよそ575億円。赤い部分が横浜市交通局が負担する額で、約625億円となる。また、川崎市は地方負担の430億円の半分となる215億円(表の緑色部分)を払うことになっているが、これはそれぞれの市域を通る路線の長さなどを考慮し、横浜市と折半する形となっている。
この考え方について久木田さんは「(この事業は)川崎市にとってもメリットが得られるもの」と話し、経済効果の金額は算出していないとしながらも、「川崎市の北部地域は駅が少ないですし、小田急線沿線から横浜市中心部や新横浜駅にアクセスしやすくなる。それを横浜市と折半の地方補助分でできるのは大きい話だと思います」と続ける。
新百合ヶ丘駅周辺。横浜へのアクセス向上は川崎市民にもプラスとなる
こうした費用分担を含めた事業概要を説明する中で、川崎市民からも早期完成を求める声が出ており、負担する金額については両市ともに納得の配分ということになっているようだ。
取材を終えて
横浜市民、川崎市民、あるいは近隣の都市に住む人からは「早く完成してほしい」の声が聞かれる。両市の担当者も異口同音に「できる限り早い開業を目指したい」と話している。
ただ、市民感覚の「すぐに」というのはなかなか難しく、どうしても時間はかかってしまい、2030年の開業が現在の目標になっている。
あざみ野駅で発車を待つブルーライン。10年後には反対方向にも!?
開業すれば1日8万人の利用が見込まれるこの路線。
まだまだ市民の目に見える発展は少ないが、少しずつ確実に実現に向かって進行しているようだ。
-終わり-
幸人さん
2019年05月23日 11時51分
横浜市は基本的に2つの鉄道整備が上限となっているので、2020年代はブルーラインの延伸と相鉄JR・東急直通線開通後に二俣川駅〜西谷駅間(鶴ヶ峰駅)地下化。横浜環状鉄道とも呼ばれるグリーンライン延伸(日吉〜鶴見方面、中山〜二俣川〜東戸塚〜上大岡〜根岸・元町中華街方面)は早くても2030年代前半着工で同年代後半から2040年代開通(完成した区間から随時)かな?
Nicksさん
2019年04月28日 01時44分
神奈川東部のネットワーク化を進め、新横浜、横浜駅周辺、みなとみらい、関内への企業集積を進め、県外への昼間人口流出を抑えることも目的の一つだと思う。その為にも横浜市はただ地下鉄延伸だけでなく、新横浜南口を再整備して新横浜をターミナルとして機能強化し、今まで手薄感があった新横浜への企業誘致強化、日産スタジアム、横浜アリーナ、ニッパツスタジアムといった集客コンテンツの強化を官民一体で進める必要があると思う。新横浜はとくに相鉄東急直通線も開通し交通の結節点となるので、企業集積を進めて地域経済の拠点化を目指してほしい。隣の小机南口整備、羽沢整備事業を包括しながら、政策的に強化していくべきエリアだと思う。比較的インフラ整備強化が求められている横浜線沿線との連携も含め、横浜市は経済、消費、都市インフラ、沿線の公共ストックの均衡活用など包括した成長を進める政策を進めてほしいと思う。
狐猫さん
2019年04月11日 01時01分
小田急線の考えや計画などを知りたいです。この横浜市営地下鉄の延伸で、新百合ヶ丘駅を改造するのかしら?あるいは、現在、代々木上原や新宿などから向ヶ丘遊園までの列車を新百合ヶ丘までの運転に変えたりするのかしら?特急列車の停車駅の変更があるのかしら?などですね。