プロでも運転が難しい?市営バスの難関路線に迫る!
ココがキニナル!
9系統のバスに乗ると、弘明寺から先にすれ違うのも難しい区間がありました。ぜひ市営バスの運転手さんに聞く運転しにくい路線ランキングみたいなのを取ってみてほしいです(マンパワーさん)
はまれぽ調査結果!
10営業所の運転手さんにアンケートを行い、9つの営業所に運転しにくい路線ランキングを付けてもらった!
ライター:田中 大輔
スーッとバスがセンターラインを越えて角を曲がる。
グーッと壁に寄って対向車とすれ違う。
それがキニナルにある市営バス9系統の車窓からの風景だ。
弘明寺停留所から滝頭(たきがしら)停留所までは狭い上、曲がりくねってアップダウンもある道が続いている。
9系統の車窓から。カーブの立ち上がりではセンターラインを越えてしまう
普通の自動車よりも大きく、さらにはお客さんも乗せているバス。
それを扱う運転手さんも相当に気を使う区間に違いない。
市内にはほかにもこんな運転が難しい路線や区間はあるのだろうか。
今回は交通局の協力を仰ぎ、市営バスの難関路線について調べてみた。
市内10ヶ所の営業所にアンケート
取材に協力してくれたのは、交通局自動車本部の笠原係長と長田さんのふたり。
主旨を伝え、市内に10ある営業所に運転しにくい路線があるかどうかのアンケートをとってもらった。
現在、市営バスは市内に128路線と、特に高齢者の利便性を確保する目的で設置された「ふれあいバス」の路線を持っている。
もちろん、一つの路線でいくつもの町を通過していくわけだから、まるまる全部が難しい路線があるとは考えにくい。でも、運転困難なポイントを抱えた路線はあっても不思議じゃない。
9系統も全部が狭いわけではない。弘明寺のバス停があるのはこんな広い道路
そのアンケートの結果はというと、「特になし」という回答の本牧営業所を除く9つの営業所から、全部で24ヶ所の特に運転に気を付けている難関路線や注意すべきポイントを教えてもらうことができたが、ひと口に難しいと言ってもいろいろな理由があるようだ。
今回は、24のポイントから“難関たりえる理由”ごとに、各営業所がトップにランク付けた路線を中心に、実際にバスに乗って現地の様子を取材してきた。
笠原係長、長田さんへのインタビューを交えながらご紹介しよう。
一番多い難関ポイント「狭い道」
まずは最もシンプルな理由、「道が狭い」。これは全体の中でも一番多い理由でもあった。
キニナルにある9系統はその代表格。道が狭いという理由でほかのメディアに取材を受けたことがあるそうで、滝頭営業所の難関ランキング1位とのこと。
赤線部分は9系統の中でも気を使う区間のようだ
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9系統の弘明寺~滝頭間の「藤の木停留所」付近。だいぶ狭いが、この先はもっと狭くなる
実は、現在は路線計画課で働く長田さんは元運転手さん。この9系統も乗務した経験があるそうで、「気を使う部分ですね。こういった場所では、特にほかの車の動きなどの予測が大切になります」と長田さん。
なにも考えずに進むと、対向車とのすれ違いができないケースもあるそうだ。
あらかじめ前方を注意深く見て、対向車が来れば電柱と電柱の間などの少しでもスペースのある場所にバスを入れて待機したりもする。
9系統以外では、若葉台営業所の難関1位となった23系統。
中山駅を出発して、次の台村町停留所までのわずか200m余りの区間が挙げられた。
赤マルで囲んである部分が問題の区間
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中山駅のすぐそば。人通りもあり、気を使いそうな場所だ
この場所では、道が狭い上に交通量もそこそこあり、バス同士、あるいはバスと一般車とのすれ違いが難しい。
そのため、誘導員を配置して交通整理をしながらバスを走らせている。
バスや一般車両を安全に通すために、誘導員さん大活躍
港南営業所が1位に挙げた217系統も、路線が狭い。
路線付近には小学校もあるため、登下校時間にはいつも以上に気を付ける必要がありそうだ。
赤マルの場所が注意ポイントだ
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217系統の日野中央2丁目停留所付近の様子
特にこの日野中央2丁目停留所付近は、特に狭い。その上、坂道。
片側に歩道があるとは言え、取材時のように雨が降っていれば更なる注意が求められる。