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【衆院選2014】自民党の圧勝に終わった衆院選を専門家が分析。横浜市民の有権者が新政権に期待することは?

ココがキニナル!

2014(平成26)年12月14日に行われた衆議院議員選挙で、自民党が県内の18小選挙区のうち13選挙区を制したけど、横浜市民は新政権や新議員に何を期待しているの?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

横浜市民30人の意見では、景気回復や消費税に対する要望が多かった。子育て世代では保育、高齢者世代は年金問題と、年代別の特色も出た

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ライター:はまれぽ編集部

大勝も「宿題」背負うと分析



年の瀬迫る2014(平成26)年12月14日(日)、第47回衆議院議員選挙の投開票が行われた。「大義なき解散」といわれ、有権者の関心が高まりきらない中での選挙戦となったが、県内18の小選挙区で自民党が13議席を獲得。ふたを開けてみれば、自民党の大勝に終わった。
 


2区(横浜市西区・南区・港南区)を制した自民党・菅義偉(すが・よしひで)氏

 
しかし、今回の衆院選の争点について解説いただいた東洋大学経済学研究科の南学(みなみ・まなぶ)客員教授は警鐘を鳴らす。

神奈川県選挙管理委員会によると、県内の投票率は53.88%で、過半数は満たしたものの、任期満了に伴う前回2012(平成24)年に比べて5.99%マイナスだった。さらに国全体では小選挙区の投票率は戦後最低だった前回をさらに下回る52.66%(総務省調べ)となった。

南教授は「2割台の得票で(自民党が)議席の6割(国政で475議席中291議席、県内で18議席中13議席)を確保してしまう小選挙区制による議席数なのだから『二大政党による政策論争を基盤にするべき』という主旨である、この制度の見直しを進めなければならないという課題が明確になった」と指摘する。
 


「政策論争を」と南教授

 
その上で「“アベノミクス(安倍政権が進める経済政策)”という『実態のない景気』を争点に打ち出した点で、経済状況を好転させなければ、4年間の政権維持が難しくなるという宿題を背負ったことが大きいのではないだろうか。このことは、もっとも厳しく政権批判をしてきた共産党が議案提出権(衆議院では20議席以上。共産党は21議席を獲得)を手に入れるほどの躍進となった(ことをみても分かる)」と分析している。

さらに、アベノミクスよりも基地の存続・維持に重点が置かれた沖縄で、自民党が全滅したという結果に注目。
 


沖縄のみならず関心が高い基地問題(写真は横須賀海軍施設)

 
南教授は「あまりにも脆弱(ぜいじゃく)な野党集団と選挙制度(=少ない得票で多くの議席を獲得できる小選挙区制)の恩恵がありながら、非常に難しい日本経済の復興を公約してしまった政府にとって大きな課題を突きつけた選挙結果だと思う。雇用と被雇用者賃金の実質的な改善実現を期待したいし、するべきであろう」と、早くも次の審判に目を向けていた。