東神奈川の傾いた家がついに解体!?
ココがキニナル!
2014年に調査した東神奈川の傾いた家が「空家対策特別措置法」により、市内初の略式代執行となる?(はまれぽ編集部のキニナル)
ライター:はまれぽ編集部
2014(平成26)年に調査した、東神奈川の「家の半分が川に突き出ている家」が、ついに解体に向けて動き始めた。
2014年9月取材時
2017年11月取材時
2018年9月6日取材時
東神奈川の二ッ谷の交差点にある京浜急行線高架下をくぐり、川下方面へ向かう道すがら(神奈川本町)にその家屋はある。
現在は人が近付かないようにバリケードが設置されている
横浜市は2016(平成28)年3月に傾いた家の情報提供を受け、所有者の調査や劣化状況の確認、当時居住していた賃借人への対応を開始。2017(平成29)年3月には賃借人が転居して空き家になっていた。
建築局建築指導課によれば、同家屋は1945(昭和20)年に建てられた、地上2階、延床面積39.66平方メートルの木造家屋。
年月をかけて、徐々に河川側へ越境・傾斜していった家屋は、2018(平成30)年6月27日の強風により、出入り口部分が外れて歩道側に落下。幸いにも怪我人はおらず、ガラスの飛散などもなかったという。
2017年11月の取材時
部材の落下は住民からの通報により発覚。横浜市はすぐに建物入口に立ち入り禁止の黄色いテープを巻き、建物の前に青いバリケードを設置したそうだ。
2018年9月6日時点
建築局建築指導課の調査によると、入口部分が外れたことで建築物内への雨水や風が流入し、建物の劣化が急速に進行している状況。
傾いた家に面した歩道は通学路として利用されており往来が多い。さらに歩道の幅員が狭く、万が一建物の部材が落下した際に通行人への危害が及ぶおそれがあるため、7月に「特定空家」に認定された。
その深刻さを10ヶ月前と比較
2017年11月に取材した時と比べると、事態の深刻さは明らか。現在の様子に唖然とした。
左が2017年11月、右が2018年9月6日の写真
もはや、隣の建物に寄りかからなければ現状を維持できないようだ。
隣家はこれ以上の傾きによる被害を必死で食い止めている?
この状態で建っているのが不思議なくらい
建物が完全に地盤から浮き上がっているということは、河川側への侵入も進行しているはず。河川側から見てみると、その危険度は一目瞭然だった。
左が2017年11月、右が2018年9月6日の写真
以前あったテレビのアンテナはなくなり、木造のベランダは完全に崩壊している
また、前回の取材時にほのかに残っていた生活感は消えていた。自然にどこかへ消えてしまったのか、誰かが持っていったのかは定かではない。
衛生面や防犯面でも、いち早く対応してほしい
この深刻な状況を解決すべく、市は8月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」第14条第10項に基づいて略式代執行の方針を決定。
10月12日までに所有者による解体がなされない場合は、略式代執行を実施すると9月5日に記者発表した。
建築局建築指導課によると、代執行にあたってはあらかじめ市庁舎掲示板への掲示、横浜市報への掲載を行い、履行期限を過ぎた段階で手続きを開始するそうだ。その場合、解体時期は11月を想定しているという。
空き家への代執行が行われることになると、横浜市では初めての事例となる
また建物の所有者と土地の所有者は別で、登記上の建物所有者は国外へ転籍しており、通知文書の返信はなかったという。親族や土地所有者などからの調査を通じても連絡がとれず、所在は不明とのこと。
事故が起こることなく、無事に解体まで進むことを願う
取材を終えて
この河川沿いで、傾いた家はこの家屋だけではない。ほかにも危険な状態に見える建物はある。
同レベルの危うさを感じる
こちらの建物について建築局建築指導課は、「河川側の老朽化は確かに危険な状態です。しかし、歩道側に関しては整備されています。今後の対応はもちろん必要ですが、今回のケースの方が緊急性は高いです」とのこと。
歩道側の様子
表面上では何とか家屋としての趣があるものの、ちょっとした強風であっという間に倒壊してしまうくらいの脆さを感じた。問題が見えないふりをして、何か起こってからでは遅い。
はまれぽでは、今後も進捗状況を追っていく。
ーおわりー
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くらららららさん
2019年07月11日 19時25分
真隣の建物以外どれも似たような古さの家ばかりですね
くらららららさん
2019年07月11日 19時24分
真隣の建物以外どれも似たような古さの家ばかりですね
しらいしさん
2018年12月21日 11時51分
今日通り掛かったら今週辺りから解体業者が入ったようで、もう殆ど撤去されて今日か明日にも更地になりそうでした。