昭和の名残? 横浜市内に点在する「謎のタワー」の正体とは
ココがキニナル!
南区六ツ川のこども植物園近くの駐車場や磯子区杉田6-29-12にある「謎のタワー」は、何なのか? もしかしたら市内の他の所にもあるのかも。とてもキニナリます!(まさきち557さん/横濱マリーさん)
はまれぽ調査結果!
「謎のタワー」の正体は団地の給水塔だった。昭和の団地には多く見られたが、給水システムの進化で姿を消しつつあるランドマークタワー。今なお残るその貴重な景観を求めて、編集部は市内を巡った。
ライター:結城靖博
人間はどうも地面からニョッキリ立っている塔がキニナルものだ。だからこそ、塔は昔から「ランドマーク」としての機能を果たしていたのだろう。
ましてやそれが、工場地帯や繁華街ではなく、閑静な住宅地と思しき場所に存在していると、なおさら唐突感は否めない。今回の二つの「謎のタワー」は、いずれもそんな地域にあった。
南区六ツ川の謎の塔に迫るべく、こども植物園へ
JR保土ケ谷駅か東戸塚駅からバスに乗って「児童遊園地入口」で降り、徒歩5分ほどの「横浜市こども植物園」。訪れたのは秋の盛りで、ちょうど「柿展」なるものをやっていた。
「横浜市こども植物園」正門
「柿展」とは何か? キニナったが、本題を急ぐ。
まずは入り口の案内板で園内の様子をチェック
キニナル投稿では「植物園の近くの駐車場」とあったので、園内に謎のタワーがあるわけではない。発見の望みは、果たして園内から「近くの駐車場」が見えるかどうかにかかっている。
とりあえず案内板を参考に園内の奥へと歩を進める。
さすが植物園。色とりどりの花がきれいだ
などと観賞に耽(ふけ)っている場合ではない。と思いつつ、ふと遠方に目をやると・・・
あらっ、早くも彼方にニョッキリしたものを発見!
さらに公園の奥まで行って望遠レンズを向けてみた。
塔の右下には駐車場らしきものもある
「ここでしょう!」ということで、さっそく地図で場所を確認。
(© OpenStreetMap contributors)
上の地図の大きな円が植物園、小さな円が塔のある場所。矢印の向きで見ている格好だ。
地図に書かれている通り、塔があるのは「六ツ川団地」の一角だった。植物園から直線距離では行けないので、いったん国道1号線に回り込んで、団地の塔のそばに近づいてみた。
近くで見るとこんな感じ
真下から仰ぎ見る。なかなかの迫力だ
で、結局これは何なのだ? それは、塔のフェンスに貼られた駐車場に関する注意書きのプレートが教えてくれた。
「高架水槽」、またの名を「給水塔」と人は呼ぶ――団地内の案内図が、さらにそう教えてくれた。
塔の前にあった団地案内図。グッと寄ると「給水塔」と書かれた場所が
というわけで、「南区六ツ川のこども植物園近くの駐車場」にある「謎のタワー」の正体は、六ツ川団地の給水塔であることが判明した。
もうひとつのキニナル塔、磯子区杉田の「謎のタワー」に迫る
もうひとつの場所は、キニナル投稿のユーザーさんが住所の詳細まで示してくれたので、すぐにわかった。
円で囲った辺りが該当の場所(© OpenStreetMap contributors)
そのそばには、やはり団地があった。団地の名は、「杉田大谷団地(すぎたおおたにだんち)」。京急線杉田駅から徒歩15分ほどの高台に位置する。
隣接する公園から望むと団地の向こうに薄っすらと白い塔が
団地入り口の案内図。寄ると、「給水施設」とある
塔のそばに迫る
近づいてみると、六ツ川団地と同じ四角い形をしていた。案内図では「給水施設」と表記されていたが、塔自体は六ツ川のものと同じ機能を果たしていると考えていいのだろう。
真下から仰ぎ見るとやはりなかなかデカい!
というわけで、磯子区杉田6丁目の「謎のタワー」の正体も、六ツ川と同じく団地の給水塔であることがわかった。