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保土ケ谷区にある天王町の由来は?

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保土ケ谷区の天王町の由来が気になります。なんだかカッコイイ名前ですが、どんな理由があるんでしょう?(はまんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

天王町に今もある橘樹神社に祀られる牛頭天王がその名の由来だった!

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ライター:田中 大輔

御祭神は牛頭天王? それとも・・・



その神社とは、駅から歩いて数分の「橘樹神社(たちばなじんじゃ)」。
 


立派な鳥居は大正時代に建てられたもの


さっそく鳥居をくぐり、中に入ってみる。
広々とした境内には新しそうな社殿のほか、アマテラスオオミカミ(天照大神)などを祀った神明社なども建てられている。

社務所を訪ね、宮司の岩崎さんにお話しをうかがうことができた。

まず、この神社の縁起について尋ねると、「1186(文治2)年に建てられた神社なんです」。
岩崎さんによれば、文治2年は壇ノ浦の合戦の翌年、つまり平家が滅亡した次の年に当たる。


それにより自らの力をより確固たるものにした源頼朝が関東の平定を祝い、京都祇園社(現在の八坂神社)から御祭神を分霊して造られたのが橘樹神社なんだそうだ。
 


岩崎さんにいただいた“橘樹神社由緒略記”の一部


ところが、この橘樹神社の御祭神は、薗さんの話に出てきた牛頭天王ではなく、スサノオノミコト(素戔男尊)になっている。
これについて岩崎さんは「スサノオノミコトってことは、牛頭天王ってことなんです」との答え。

なんだかチンプンカンプンだが、どういうことかと言うと、牛頭天王はお釈迦様の生まれた祇園精舎の守護神と言われている。お釈迦様なのに守護神? と違和感を覚えるが、これは神仏習合(古来からの神様への信仰と、後に伝わった仏教の教えを融合したもの)の影響を受けているためで、スサノオノミコトの化身が牛頭天王と解釈され、日本では同じ神様として扱われているんだそうだ。
なので、橘樹神社の御祭神はスサノオノミコトであり、同時に牛頭天王でもあるのだ。



地元に親しまれた「お天王さん」が町の名に



さて、肝心の地名について。
神社に祀られた牛頭天王の名前が天王町の由来になったということについては、「それは間違いありません」と岩崎さん。

実は、正式に橘樹神社という名前になったのは1921(大正10)年のことで、それ以前には牛頭天王社、天王宮といった名前だったこともあるとのこと。今でも年配の人からは「お天王さん」と呼ばれているんだとか。
 


牛頭天王が祀られる社殿は平成9年に建てなおされたものだ


では、いつごろから天王町という地名が使われるようになったのだろうか。
記録の上でハッキリ分かるのは、1927(昭和2)年に横浜市へ編入されたときに天王町という地名ができたということ。

それまでの住所は橘樹郡帷子町字川岸で、『横浜の町名』(横浜市市民局)にも“昭和2年の区政施行の際に新設された町”と書かれている。

つまり、新たな制度に当てはめて区割りや町名を整理したときに、「お天王さん」のある町だから天王町にしよう!ということになったのが由来というわけだ。



いつまでも生き続ける町名の由来



岩崎さんによれば、現在でも小学3年生くらいで郷土の歴史について子どもたちが調べる機会があるんだそうだ。
クラス単位で橘樹神社を訪れたり、個人個人で話を聞きに来ることもあるようで、岩崎さんは子どもにも分かるように説明をしている。

地名の由来が長い時間の中で忘れられてしまうケースも多いが、この町では大人も子どももその由来を知っているようで、いつまでもこの地に伝わっていきそうな感じがした。もしかしたら、これも「お天王さん」の思し召しなのかもしれない。


―終わり―
 

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  • この神社でお参り後目の前に宝くじ売場があり 御利益を得ようと購入 ナンバーズ4ですが当たりました その後はただただ感謝しに行きます 神主さんへ報告したら喜んで頂けました 人の良さそうな方で通っています

  • 牛頭天王って、明治政府の神仏分離・廃仏毀釈の過程で弾圧された神様なので、これはその過程でスサノオを軸にして再編された痕跡なんですよね。流石にそこまで踏み込むとなると取材がややこしそうですが…。

  • 先日友人と野毛で飲んだあと、2軒目にわざわざ天王町まで行って飲み直した、という事がありました。友人曰く『天王町は意外に奥が深い街だ』との事。今回の記事を読みながら、(彼は別の意味で言ったに違いないが)確かに奥が深い街だと妙に納得しました。完全に個人の感想です…失礼致しました。

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