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多摩川の東横線付近は川崎側だけブルーテントがあるのは何故?

ココがキニナル!

東急東横線で多摩川を渡っていると、東京側にはないのに、川崎側だけブルーのテントがたくさん建っています。何か理由があると思うのですが、調べてください。(kamekunさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

東横線付近の土地の形状や、大田区側にセキュリティの高い取水施設があることが大きな理由だった!

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ライター:篠原 章公

担当の方にお話を伺う



鶴見川沿いにある京浜河川事務所へ伺うと、河川管理において主に法律に関する部分を担当されている、占用調整課の平石さんが対応をしてくれた。
 


京浜河川事務所へ
 

占用調整課の平石さん。残念ながら写真はNGだった


ずばり東横線付近において、川崎市側と大田区側でホームレスの数に偏りがある点について質問すると、
「やはり地理的な要因が大きいのではないかと思います。大田区側は土地が狭く、付近にセキュリティの厳しい取水施設もありますし、川崎市側には広い河川敷があるという事で、たまたまこういった状態になっている。だからといって多摩川流域で川崎市側にホームレスが多いということではありません」
との回答をいただくことができた。
やはり川崎市側にブルーのテントがたくさん建っているのは地理的な問題によるもののようだ。
 


写真左側に見えるのが大田区側にある取水施設


記事冒頭Fさんの「大田区側は厳しいのではないか」という点や「火気・水道の使用」に関する点についてお聞きすると、
「多摩川沿いにある公園などの施設や線路下の土地などは国から自治体や企業にお貸ししている土地になり、管理者の方が管理をされていますので、場合によって厳しい対応をされているのかもしれません」
とのことだった。

せっかくなので多摩川流域におけるホームレスの現状についてもお話を伺った。

――多摩川全体ではどのくらいホームレスの方がいるのですか?
「ざっくりとした数を申し上げますと、全体では約650人ほどになります。川崎・大田に限定しますと約400人。川崎市側と大田区側での数はほぼ同じでして、傾向としては平成19年をピークに全体数は減少傾向にあります」

――普段こちらではホームレスの方に対してどのような取り組みをされているのですか?
「河川巡視と言いまして、毎日川のパトロールをする中でホームレスの現状を把握し、さらには定期的に各自治体や警察等と合同で、より密な巡回も行っています。『ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法』という法律がありまして、これに従い自治体の福祉担当部局と連携を取りながら、できるだけホームレスが自立して多摩川から出て行ってくれるように様々な活動を行っています」

――2007年には台風による増水でホームレスの方が流されてしまった事件もありましたが……
「基本的に堤防の内側というのは水が通る場所として想定していますので、ホームレスの人命を守るという点でも、できるだけ早くここでの生活に見切りをつけていただけるようお話をしています。また、台風の接近や大雨が予想される場合にはチラシを作って一人ひとりに手渡しし、川から逃げるよう呼び掛けも行っています」
 


実際にこのようなチラシで呼びかけを行っている


――住民の方からの問い合わせや要望なども多いのでは?
「お電話などをいただくことは多いです。多摩川の景観が好きで引っ越されてきた方や、衛生面での心配をされる方。決してホームレスは犯罪集団ではないのですが、安心して通路を通れない、などのご意見をいただいております。ただ、一朝一夕で解決する問題ではないと考えておりますので、呼びかけや支援などを通じて少しでも数が減るようにという事を考えております。多摩川は地域の財産と思っていただいている方も多い『愛されている川』ですので、少しでもお役にたてればという思いです」


まとめ



実際にホームレスや河川管理者の方にお話を伺った今回の取材。
国有地に小屋を建てて住みついてしまうというのは言うまでもなく不法行為だが、ホームレスに関する問題は法律や様々な立場の人間が入り組んだ一筋縄ではいかない問題だということを改めて感じた。
撮影ロケ地としての利用も多く、年間延べ2000万人の方が利用するという多摩川。
簡単に言うのは憚られるが、一人でも多くのホームレスが社会復帰できることを願うばかりだ。
 


きれいな多摩川



― 終わり ―
 

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  • 東横線の写真が、来春で運転終了する日比谷線直通電車というのがポイント高いです!

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