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ここって本当に果物店? 横浜西口「松弥フルーツ」がピンク系書店になった理由とは

ココがキニナル!

5番街の記事を見て思ったのですが、「松屋フルーツ」みたいな名前のお店は、一応飲食物もありますが、なぜ主力商品がピンク色のものばかりになったのでしょうか?不思議です。(たにけいさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

コンビニへの転業など試行錯誤を続け、最も売れる商品に特化させた結果、現在のような姿へ。家電量販店のオープンも、ファンを増やすきっかけに。

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ライター:河野 哲弥

コンビニになれなかった「松弥フルーツ」(つづき)

ところが、肝心の横浜西口店は、ファミリーマートが定める店舗の敷地面積の基準よりも狭かったことが判明。本拠地であるにもかかわらず、業種変更ができなかったのである。

そこで、果物だけの商売に見切りを付けていた弥三郎さんは、コンビニではなく、何でも扱う個人商店として「松弥フルーツ」を続けることになった。もちろんこのころは、果物も扱っていたそうだ。
 


飲料や食品類を扱っているのは、当時の名残


当時、コンビニ各店の売上のトップを占めるのは、弁当類、飲料類、そして書籍であることを知った弥三郎さん。中でも、特に売れ行きが良かったのが『週刊現代』や『プレイボーイ』などに代表される、一歩ピンクに寄った雑誌だった。

「もしかしたら、ソッチ系のニーズが、かなり見込めるのではないか・・・」。弥三郎さんは、コンビニ本部の統制を受けない個人商店の強みを生かし、徐々に路線変更を開始したのである。



家電量販店の開店で、一挙にマニアに知れ渡ることに

七尾さんが「松弥フルーツ」を引き継いだのは、路線変更を開始して間もない、1990年前後ではないかという。仕入れのほとんどが七尾さんに任されていたため、「自分が売れると感じた本が見事に売り切れになると、充実した達成感を得た」と、七尾さんは話す。

また、あまり目立たない同店の立地は、その手のファンには好ましかったのだろう。着実にリピーターを獲得していったようだ。

2000年代に入ると、書籍のほかにアダルトDVDなどが市場に出回るようになってきた。雑誌と比べ、物理的なスペースを取らないDVDは店頭に並べやすく、さらに同店の売り上げを伸ばす結果となった。

そして、さらなる転機が2005(平成17)年に訪れた。同店の目の前に、「ヨドバシカメラマルチメディア横浜」がオープンしたのである。
 


目の前に建つ、家電量販店の外観


まだオンライン通販が浸透していなかった時代である。アダルトゲームやDVDを求めてヨドバシカメラを訪れた男性たちは、すぐ目の前に、彼らにとっての聖地があることに気付いた。

「果物屋さんなのに、品ぞろえのすごい本屋さんがある」

この口コミは、瞬く間に広まった。「松弥フルーツ」の売上は、これを境に、書籍だけで年間1000万円を突破。気付けば、坪あたりの換算では、横浜屈指の超優良書店になっていたという。こうなると、出版社も黙ってはいない。入手困難な書籍は、まず「松弥フルーツ」に卸された。

伝説が、伝説を生みはじめたのである。



やがて時代は、紙からインターネットへ

「行けば必ずある」。そんな評判に支えられた「松弥フルーツ」も、出版不況の流れには、逆らえなかった。インターネットを通じて各種ソフトの購入やダウンロードが可能となった現在、当店の売り上げは、最盛期の6割程度にまで落ちてしまったという。

今では、七尾さんは教室長として塾の経営を任され、「松弥フルーツ」は、主に別のスタッフによって運営されているそうだ。
 


「何の店かと聞かれると、いつも返事にとまどう」と話す、店員の皆さん


同店スタッフの皆さんによれば、こうした品ぞろえは約1000点に及ぶとのこと。よりマニア向けの書籍類を取りそろえ、目の肥えた常連に応えているらしい。

また、通常のコンビニより温度調整を2~3度低くした飲料各種も、隠れた人気があるのだとか。キンキンに冷えたビールで、帰宅前に喉を潤していくサラリーマンも多いそうだ。試しに缶に触ってみたが、持った感じですぐ分かるほど、よく冷やされている。



今後の「松弥フルーツ」

七尾さんによれば、現在、五番街全体のリニューアル計画が進められているそうだ。もし、オシャレでキレイな五番街になってしまったとしたら、ピンク色の「松弥フルーツ」は、今後どうなっていくのだろう。

「そうなったら、そうなったで考えます。ガンダムなどの人気アニメの関連グッズなど、全く別の商品を扱ってもいい。いずれにしても、マニアが来店するような『尖った商品』で勝負する」と、七尾さんは話す。この状況は、弥三郎さんの時代を思い起こさせる。

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず・・・時代の流れを感じさせる一商店の物語である。今後、「松弥フルーツ」という器に何が満たされるのか、楽しみに見守っていきたいと思う。


―終わり―

 

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  • もちろん利用してます。エロの方で!!

  • 「オシャレでキレイな五番街」なんて、五番街ぢゃない!!!

  • ええ、よく利用しますよ!・・・もちろん飲料のほうですがね(冷や汗

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