六角橋商店街にある「猫企画」ってどんな店?
ココがキニナル!
六角橋商店街に「猫企画」という怪しげなお店があるのですが、一体何のお店なのか、店名の由来は何なのかがキニナルのでぜひ調査していただけると嬉しいです。(ロイヤルさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
1階では本のレンタル・販売、2階ではタイ古式マッサージを行う。主催イベントも盛りだくさん。経営者のお気に入りが詰まったアジト。
ライター:ナリタノゾミ
店主のお気に入りが詰まったオモチャ箱みたいな店(つづき)
「これなんかオススメですね」。寺田さんが手に取ったのは、「快楽のテニス講座」。
「村上龍の著書です。ひたすらテニスボールを追いかける、若かりし頃の村上龍の写真が満載です。ムチムチの龍’s bodyを堪能できますよ」と、寺田さん。
「快楽のテニス講座」(村上龍 著/講談社)。本を片手に熱く語る寺田さん
「もともと自分の家にあった本を店頭に並べたところから始めたので、好きな本ばかり置いています」とのこと。サブカルチャー関連の書籍から、文学や児童書まで、幅広く取り扱う。
なお、寺田さん本人が手放したくない書籍については「貸本」という形態をとる。図書カードを作成の上(要・身分証)、2冊300円から利用できる。
委託販売しているミニコミは、寺田さんご自身がネットやイベントを通して発掘したものだ。
寺田さんの独特のセンスによりセレクト。屁にまつわるミニコミ「PU(300円)」
妻・香代子さんオススメのミニコミ。
某有名漫画のセクシーなセリフのみを写経のように書き綴った逸品(300円)
カレーマニア必見。カレー同人誌「カレーキャラバン(840円)」
店舗2階の6畳ほどの空間では、本場タイで修行をした香代子さんがタイ古式マッサージを担当する。
階段を上ると、1階の賑やかさとは一変、静ひつな空間が広がる。ミラーボールの光が幻想的だ
2階のマッサージルーム
このほか、ハワイの伝統マッサージ、「ロミロミ」の施術者による新しいサービスの提供も行っている。
人と人を繋ぐハブとしての「猫企画」
神奈川県出身の二人だが、横浜に居を移したのは2009年。
横浜にやってきて、セラピストの職を探そうと履歴書を購入したが、すべて書き損じてしまい、求職意欲が失せてしまったという香代子さん。
そんな折、訪れた黄金町の飲み屋でマスターにその話をしたところ、「自分でお店をやってしまえ」と言われ、その場で不動産会社に電話。次の瞬間には黄金町の物件を借りていたのだとか。
もっとも、いざ借りた物件が、マッサージサロンにしては広すぎた。
「余分なスペースをどうやって使おうか」、そう考えた際に、「主人が書店員だったので、『じゃあ、本屋でいいじゃん』ということになりました」と、香代子さん。
こうして、寺田さんの部屋にあった本で書店部分が設営された。
猫企画おなじみの猫ロゴ
店名の由来について、「ロゴのデザイナーから『店名を決めてもらわないとデザインできない』と、言われて。うちで猫を2匹飼っているので、何となく、電話口で決めてしまったんです」と、寺田さん。
猫好きな夫婦だけに猫にまつわる本も充実
2009年10月、あっという間に黄金町店を開店させた二人だったが、その後、賃貸借トラブル等、不可避な問題が続き、開店からほんの8ヶ月程で店を閉めることになった。
「移転先も決まってないし、もう店舗経営は断念しようと考えていました」
ところが、そんな矢先、常連客と、六角橋商店街にある陽月堂薬局のご主人の助力で、閉店から間髪入れずに六角橋商店街への移転が決まったというのだ。
猫企画は、経営者夫婦を取り巻く周囲の助力もあって、2011年9月11日、見事、六角橋商店街にて再スタートを切った。
猫企画主催イベントも目白押し。フライヤーの貼られた壁
開店から移転まで、周囲の愛によって支えられてきた猫企画。
そんな同店の経営者夫婦が店舗2階を利用して主催するイベントは、毎回大盛況。
二人を慕う知人は勿論、独創的なイベントの企画を嗅ぎ付けた個性派が集う。最大人数10人を収容できる空間では、多くの出会いが生まれる。
9月に行われた、ミニコミ「恋と童貞」編集長を囲む「ドギドキ童貞お泊まり会」は、「性」についてそれぞれの視点から語り明かすという健全なイベントだ。
好評だったため、クリスマスには、同ミニコミ編集部の鈴木先輩(DTP担当)を囲む「先輩☆ナイト2012」という続編イベントが開催されるという。
話題のミニコミ「恋と童貞(500円)」
また2013年1月12日には、漫画家・狩撫麻礼(かりぶ・まれい)について熱く語り合いながら鍋をつつくという、「狩撫鍋 ~おれたちの狩撫~」の開催が予定されている。
狩撫麻礼の著書も店舗に並ぶ
1つのテーマで共通項を見出し、語り合えば、老若男女が壁を超えて交流を深められる。
猫企画はイベントを通し、人と人とを結びつけるハブとして機能している。
タイ古式マッサージサロンでありながら社交場として活用されている店舗2階では、7月から「猫企画民宿」が始まった。
宿泊料金は自由。つまり、投げ銭形式だ。デポジットとして3000円を要するが、チェックアウト時に返還される。
現在のところ、ミニコミ制作者が会議を行う際や、イベント参加者が終電を逃した際に利用されているという。
取材を終えて
その後、来ることはなかった会員番号1番の外国人を懐かしむ寺田夫妻
(イラスト:ナリタノゾミ)
猫企画の経営について、「周囲の助力があってこそ」と口を揃えた二人。もっとも、助力を得られたのも、恐らくは来る者を受け入れる間口の広さと懐の深さゆえ。
猫企画には、終始「いつでもウェルカム」な空気が流れていた。
-終わり-
猫企画
所在地/横浜市神奈川区六角橋1-7-22
営業時間/14:00~22:00
定休日/月曜日(不定休あり)
※イベント参加・マッサージ・民宿は要予約
※2月16日、綱島温泉にて新年・目玉イベント開催予定。近日、正式告知!
MKさん
2012年12月23日 21時07分
あー、黄金町ありました。アウトサイダーで飲んでるとき、ときどき話題にでたでた。いつのまにか潰れちゃったと思ってたら、こんなところに移転してたんですね。お元気そうでなにより。
ushinさん
2012年12月23日 01時45分
良心的なタイマッサージ店は「資格に基づいた施術ではない」点を明示しているね。そうでなければ、利用者に誤解を与えて集客していることになりかねない。