保土ケ谷の焼却炉は停止中なのに、隣のプールや温泉はなぜ温かい?
ココがキニナル!
資源循環局の保土ケ谷工場は今は休炉中ですが、隣にあるプールや温泉施設は稼働しています。熱源はどうしているんですか?(doramucanさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
既存のシステムを使い、購入した白灯油をボイラーで燃焼させ蒸気を作り、プールや温泉にパイプで送っている。事務所の暖房や給湯も自給自足だ。
ライター:吉岡 まちこ
ごみを燃やさず、何を燃やして蒸気を作っている?
(続き)
では肝心のキニナル質問。ごみを燃やさずにどうやってボイラーで水を沸騰させ蒸気を作っているのか。
・・・なんと白灯油を購入して燃やしているという!
昔からあった補助ボイラー。小坂さんのマスクは単に粉じん防止
ボイラーの中で灯油がゴーゴーと燃えていた
ちなみに今は廃止となった港南工場や栄工場に隣接していたプールは、現在は余熱利用ではなく新設したガスボイラーが温めている。
施設の裏手の地下で白灯油を貯蔵している
余談だが、小型ごみ収集車の作業員約70名を抱える保土ケ谷事務所の中には、作業後に体を洗うための浴場もあるらしい。給湯はもちろん工場のボイラーから。10人以上は入れる銭湯ほどの大きさというレアな光景だが、今回撮影できなくて残念!
保土ケ谷工場は廃止か休止か?
いま稼働している4つの焼却工場が作る電力の売却益は、年間約27億円(平成23年度)にものぼる。
ところが最新の金沢工場と比べ、保土ケ谷工場の売却電力量は約40分の1しかなかった。
「保土ケ谷工場は、総発電量のほとんどを自分で使い切っちゃっていたんです。昔は発電して外に売るという発想もなかった。だからここは発電機も小さいし、あまり収入を得ることができなかったんです」と長谷部さんは振り返る。
「サンダーバード」の秘密基地をほうふつとさせる!?
「ほかの工場にゴミを送ってあげれば市の収入になるわけですから」(小坂さん)と、一番発電量の少なかった保土ケ谷が一時休止となった。
しかし、いざという時は動かす予定でいる。たとえば震災時などに他工場でトラブルが発生した際、ごみの焼却能力をバックアップするためだ。
また、横浜市の焼却工場は長寿命化の工事を施して35年もたせることを目標としている。実際にはコンクリートの躯体(くたい)はそれ以上もつため、中の設備を大規模改修しながら使い続けられる。
「そういう改修工事期間中や、万が一の時のバックアップ工場として、保土ケ谷工場は手を加えれば立ちあげられるよう月に1回は一部の設備の動作試験をしています」と小坂さんは言う。
いざ稼働することになったら、相当手を加える必要がありそうだが
“一時休止”でありながら、ごみ収集車がひっきりなしに集まるのは、ここが横浜市の中心にあるからだ。焼却を休止したため、ここが中継施設となって、小さい収集車から大型のパッカー車にごみを移し替え、まとめて運搬しようというわけだ。
小型の収集車で運ばれた市中央のごみは、一度ごみピットにまとめられる
「予算の関係も考慮して、既存の施設を不用意に壊さず、できるだけ安く活かそうという試みです(長谷部さん)」。ゴミピットの1つを改造して中継地にしたのは全国でここだけだそうだ。
特殊なベルトコンベアで、ごみはまた大型パッカー車に積み込まれる
大型パッカー車は小さい収集車の4台分。確かに大きい!
1日に60台がごみを運び出して行く。その量348トン
取材を終えて
保土ケ谷工場の焼却が一時休止になっても、隣接の老人福祉センター「狩場緑風荘」の温泉施設と保土ケ谷プールに熱源を供給していることがわかった。温水そのものではなくパイプで蒸気を送っていること、ごみの代わりに白灯油を燃やしていることは意外だった!
「プール及び野外活動施設等の見直しに係る基本的な考え方」という横浜市総務局の資料を見ると、学校プールを除く市内41ヶ所の屋内外プールは、年間18億円以上もの税負担で成り立っているとわかる。
利用が減っている公園の屋外プールを始め、26年度末までに見直しを進めるそうだ。
年間を通じで利用者の多い余熱・旧余熱利用の屋内プールだが、今後の動向から目が離せない。
―終わり―
IZ12さん
2014年04月02日 20時21分
記事は記事として、面白かったです。ゴミを焼却しないで灯油で…ってのも、新鮮でした。 で、税金の投入に文句があるのであれば、この記事のコメントで文句言っていないで市の担当部局にメールなり何なりすればいいのに…ね。
ツバメ°さん
2013年07月24日 11時49分
悪口を見ていてもなんら面白いものでもありません。現実にこの記事を面白いと思っている方もいるのですから、悪口を言い見る人を不快にさせるようなことをする人ははまれぽをログアウトするべきだと思いますが、はまれぽ全体の悪口を言っている方はどのようにお考えですか?
ushinさん
2013年04月10日 15時22分
そもそも感想・コメントって自己中心的なものじゃないの?記事に共感することもあれば、たとえ他人の意見に反しても異論を唱えることもある。升野兄さんって、他人の目を気にしながら[そう思う]って票がたくさん入りそうな事だけをコメントするのを日課にしているんだろうか?