横浜市が取り組む「人生記念樹配布事業」とは、どんな制度?
ココがキニナル!
横浜市環境創造局では、人生の節目に記念樹を無料プレゼントしてくれる取り組みを行っているそうです。この取り組みをはじめたきっかけや、実際に記念樹を育てている人のお話など聞いてみたいです(maniaさん)
はまれぽ調査結果!
きっかけは新生児を対象とした市内緑化事業だったが、段階的に賀寿(がじゅ)や就職などの12項目へ拡大。今では家族が集まる機会にも利用されている。
ライター:河野 哲弥
苦労した点、これからの課題など
それにしても、年間約1万人利用者がいると聞くと、その多さに正直驚いてしまう。この点について野木さんは、「この事業で最も苦労した点は、市民の皆さんに広く知ってもらうことでした」と話す。試行錯誤を重ねた結果、現在同課で行っている方法は、以下の4点に絞られたようだ。
・横浜市の公式サイト
・『広報よこはま』
・市内各区役所へのリーフレット設置
・市立小学校の新入生を対象とした、入学前の周知
このうち、特に効果があったのが、市立小学校での周知とのこと。「小学校入学」という申し込み要件を満たしているだけでなく、これを機会に、住宅の新築や賀寿など、ほかの家族が利用するきっかけにもなったという。
リーフレットにも一工夫。「苗木をプレゼント」と、分かりやすい表記に改めた
実際の受け渡しは、各区役所で、申込者が直接引き取る方法を採用している。宅配という方法も検討されたのだが、そのときに留守だと、確実な受け渡しができなくなる。しかも、苗は生ものだ。配送業者に、水やりなどのケアを頼むわけにもいかない。
保土ケ谷区の例。新築記念に申し込んだYさんご夫妻の様子
サツキやキンモクセイなどの苗木が並ぶ
野木さんは、「今のあり方がすべてとは考えていません」と話す。人(市民)や木にとって何がベストなのか、事業を続けながら模索している毎日なのだそうだ。
さて、「人生記念樹配布事業」の概要が分かったところで、寄贈先のお宅へ伺ってみることにしよう。記念樹配布日の10月27日(日)、野木さんのご紹介を受けて、保土ケ谷区にお住まいの吉原家におじゃました。
90歳の誕生日記念に、家族の絆をプレゼント
同事業に申し込んだのは、この4月で90歳を迎えた吉原喜美(きみ)さん。誕生日やクリスマスなどの行事があるたびに、親戚一同が集まって、ホームパーティを行うのが慣例なのだとか。
ひ孫、孫、お子さんたちに囲まれた、中央の女性が喜美さん
「家族が集まるきっかけにもなるし、元気をもらっている感じがする」と話す喜美さんは、背筋もまっすぐ伸び、とても90歳とは思えない。この事業を知ったのは『広報よこはま』を通してのこと。記念樹の感想をたずねてみると、これから庭いじりが楽しみで、運動のきっかけにもなると喜ばれていた。
手書きのプレートは、ご家族からのプレゼント
その日植えたのは、花の色が次第に変わることで知られる落葉樹の一種「ニシキウツギ」。自宅に植えていないものというのが、この苗木を選んだ理由。これからは、家族全員の人生の節目にも利用していきたいと話していた。
目指せ、横浜「みどりアップ」
「みどりアップ」という言葉を聞くと、2次元的な広がりだけでなく、樹木がグロウアップしていく3次元的な響きがイメージされる。
横浜市内で見かけた、秋の点景
個人でできることには限界があるが、約370万人の横浜市民が1人ひとつずつの「人生記念樹」を持てば、370万本の「森」が誕生することになる。こうした民間のパワーを活用した事例は、「クラウドファンディング(市民から寄付を募って起業する仕組み)」のように、今後増えていくかもしれない。
皆さんも、この機にぜひ参加して、「みどりアップしています!宣言」を行ってみてはいかがだろうか。
―終わり―
たろーさん
2013年11月11日 20時20分
うちももらいました♪どんどん緑が増えるといいですね♪
rerereさん
2013年11月11日 12時48分
いい記事ですね。人生の節目のお祝いは素晴らしいですね。でもそれは友人知人家族がやるべきで、なんで行政が出しゃばんの?、という気が少ししました。緑が増えるのは賛成ですので費用対効果が高い順にやって頂ければと思います。