鉄棒がさびしげに立っているここは児童公園、それとも空き地?30年続く保土ケ谷区和田町の土地問題に迫る!
ココがキニナル!
保土ケ谷区和田2丁目7番地に鉄棒がさびしげに立っている壊れた住居跡のような小さな空き地は何?近所の方は児童公園と主張するけど、空き地にしか見えない。どうしてこんな状況なの?(三ッ沢さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
空き地は、以前は鉄棒と砂場がある「子どもの遊び場」だったが、30年前から続く不法占拠の問題があり、整備できない状況のため、放置されていた!
ライター:藤井 涼子
この空き地、実は半分道路!?
保土ケ谷駅から徒歩約10分のところにある保土ケ谷土木事務所へ。
対応してくれたのは、保土ケ谷土木事務所・副所長の安達さんと保住さん。
大雪の日に取材。寒かった
まず各区にあるという「土木事務所」とは、どんな仕事をしているところなのだろうか?
大きく言うと「道路の維持管理」だそうだ。区内のアスファルトの補修や公共下水道の維持管理、公園の維持管理も土木事務所の仕事だそう。
今回調査している空き地について聞くと、正確には一部は水道局の持ち物、一部は道路、すなわち保土ケ谷土木事務所の管轄、ということになるそうだ。
実際の土地にも杭が打たれていて見て分かるようになっているらしい
空き地の一部を水道局が町内会に貸しているというのも間違いないと思う、とのこと。
やはり土木事務所としては、「困った建物」で占拠している人に退去してもらいたいと考えていて、定期的に訪問し説得しているという。
お話を伺った安達さん
強制撤去というような方法はとらずに話し合いで解決していくそうだ。
「あまり詳しい話は言えないのですが」ということであったが、どうやらこの場所を占拠している人は戦後まもなくから二代にわたりずっとここにいるらしく、取得時効(民法第162条:他人の土地を不法占拠した状態が20年以上続けば、その土地は占拠者のものになる可能性があるというもの)を主張しているようだ。
しかし裁判をしても、道路や港湾、公園などといった公共物には、現在の判例ではその権利は認められていない。
穏便に解決したい保土ケ谷土木事務所では30年以上も立ち退きの働きかけをしているそうで、「道路としてきちんと機能させたい、という思いでこれからも対応していく」とのことだった。
空き地の現状のまとめ
町内会が水道局から借りているという場所は、「子どもの遊び場」としては整備が必要のように見えたが、水道局と土木事務所が管理している横の土地が占拠されていて、現在はどうするのか結論が出ていないため町内会としても動きがとれない、ということのようだ。
確かに占拠されている土地の問題が解決したら、鉄棒なども一緒に撤去し、きれいな道路になる、という可能性もある。
それにしても、この土地の一部は土木事務所が管理する道路、ということなら、停めてあった車は駐車違反で警察に取り締まられるのではないだろうか、という疑問がわく。
車は廃車ではなく、今も使っている様子だ
近づいてよく見ると、フロントガラスの向こうにこんな証書が置いてある。
「駐車禁止除外指定車 歩行困難者使用中」と書いてある
発行元の神奈川県公安委員会に、この証書の発行条件を確認したところ、障がい者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)と住民票が必要で、届け出先は警察署。障がいの名称や程度によって対象となる場合と除外となる場合があるとのこと。
つまり、乗る車の車庫証明や車検証は必要ないということになる。しかし、水道局と土木事務所の土地であるこの場所で、住民登録し、住民票を発行してもらえるのだろうか?
保土ケ谷区役所戸籍課に連絡して聞いてみたところ、「住民登録は自己申告制なので、明らかにおかしな場所ということがなければ登録できる可能性が高いです」との返事だった。
建物の前には住所が書いてある郵便ポストがあった
住民登録については、以前のはまれぽの記事「みなとみらい2丁目はどこにどんな人が住んでいるの?」でも詳しく調査している。つまりは、この空き地で住民票をもらうことも可能なのだ。
保土ケ谷土木事務所の安達さんによると、ここを不法占拠している人はこの場所に住んでいるわけではなく、家は別に持っているとのこと。
近所の新聞屋さんに聞いてみると、「少し歩いたところに家があるみたいですよ」と教えてくれ、「やはりこの建物は迷惑だから、早く撤去してもらいたい」と話してくれた。
この家に住んでいるらしい
30年にもわたり横浜市の土地を占拠しているとはどういうつもりなのか、話を聞いてみようと家の呼び出し音を押したが留守だった。
何度か訪問した後、ようやく話ができたが、こちらが何を聞いても「あそこはうちの土地だから関係ない」の一点張りで、詳しいことは聞けなかった。
取材を終えて
今回は小さな空き地の調査から、その先の問題の取材をすることになってしまった。
不法占拠している建物はかなり大きなものなので、生活している近隣住民にとっては早く解決してもらいたい問題だろう。話を聞いた住民の方や新聞屋さんも困っている様子だった。これがなくなれば通りもかなりスッキリとするように感じた。
空き地にある鉄棒では近所の幼稚園の子どもたちが遊んでいた。
幼稚園の帰りに遊ぶ園児たち
そこのブロック塀が壊れているのも危険だと思う。
今後、みんなが快適に過ごせる公道に戻ることを願いたい。
―終わり―
てるさん
2014年03月23日 14時37分
お役所仕事はこんなもんですね。民間なら期限つけて仕事をするもんです。
rerereさん
2014年03月22日 13時09分
「30年以上も立ち退きの働きかけをしている」でズッコけた。解決する気がないってハッキリわかるんだね。
吉閥さん
2014年03月22日 01時51分
とうげさん。○などの伏字にすれば、何を書いても良い、というものでは無いと思いますよ。