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土日の昼だけ野毛に現れる“幻のラーメン店”ってどんなところ?

ココがキニナル!

野毛のスナックで土日だけ開店するラーメン屋があるそう。美味しい評判を聞くのですが場所が場所だけに入りづらい。どんな感じか取材してほしい(はまっこ045さん、miyukidさん)

はまれぽ調査結果!

野毛のスナック「いっちゃん」を間借りした店主が土日の昼のみ営業する「灰汁中華 丿貫(へちかん)」。煮干し主体、遠方からも多数来店の“幻の店”

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ライター:松本 伸也

「普通じゃないラーメン」の理由とは?



土日限定の理由は佐藤さんは本業が別にあって、平日はその仕事に従事しているからだそう。
その本業は飲食店ではなく・・・いや、飲食店どころか料理の修行経験もなく、包丁を使っての調理など「ここでタマネギを刻むくらい(笑)」なんだとか。

ところが一昨年の11月、馬車道で知人がやっていた居酒屋から「なかなか経営が厳しい」と佐藤さんに相談があった。それで「土日の昼間に貸してくれたら、家賃分くらいは稼いでやる」と言って、仲間と一緒に馬車道で始めたのが「丿貫」なのだとか(驚)。

経験はないが、一緒にやる仲間はいたのと、飲食に長く携わっていた先輩から“味とはいったいなんなのか”といった“参考書”をよくもらって読んでいたという佐藤さん。

そこに書いてあるのは「いちばん適切な火の入れ方」だったり「塩分とスープ濃度」のことだったり。そのノウハウをもとに始めたお店で現に家賃分は叩き出せたのだが、最終的にその居酒屋は4ヶ月ほどで閉店してしまったのだという。

その経験と、すでに「いっちゃん」で「マンデー」をやっていたことから、じゃあ土日の昼も間借りするか、となって、野毛に「丿貫」をオープンさせたのが2013(平成25)年4月21日。
 


スタッフさんが後で見ることになる目に毒な食べ物をカット中
 

「丿貫」で提供するのは、灰汁と旨味は表裏一体というコンセプトで煮干しを灰汁が出るほど煮込んだスープで作る「灰汁中華」。醤油とかいわゆる“普通”のラーメンを提供しない理由は「ほかと同じことをしてもしょうがないからです。言葉は悪いですが『多くの人が嫌っていれば、多くの人が好き』なんです」と佐藤さん。

それ以外にも、調理設備の問題もあるそうで、店にあるのは家庭用コンロとバーナーだけ。『丿貫』のラーメンは煮干しを灰汁が出るほど煮込むのだが、家庭用コンロの火力では最適な濃度のスープにできないのだという。

そのために煮干しを粉砕する機械を用意して、粉々にした煮干しも用いる。コーヒーも豆を挽いて、表面積を大きくしてから淹れるのと同じ理屈だ。「これはテレビの取材でも言っちゃったのでいいでしょう(笑)」とそれは“企業秘密”では・・・。「まあただ細かくすればいいって話でもないので(笑)」。
 


コーヒー豆を挽くのは表面積を大きくするため(写真はイメージ)
 

お客さんで“普通のラーメン”じゃなくて不満を持った人はいないのだろうかと聞くと、
「いや、野毛の土日の昼で、スナックで、しかも2階でしょ。みなさん来ていただく際は、なんらかの“『丿貫』情報”があるんですよ。『あそこのラーメン、騙されたつもりで行ってみな(笑)』とか。1階とかだったら違うでしょうけれどね。99%、ホントにおひとりだけかな、競馬のついでに寄って想定外・・・だったという方は(笑)」(佐藤さん)

佐藤さんは香川県(今後、大阪に移転)でもう一店舗「丿貫」を経営しているという。「そこは既存の料理屋の物件ですから、いわゆる普通のラーメンなんかも出せます。でも野毛は旗艦店ですからね。煮干しを使ったヘンなラーメンは続けていかなければならない。これもひとつの広告戦略ですね」といわゆる“普通でない野毛店”の有り様も語ってくれた。
 


このタイミングで1階に登場した看板
 




いよいよ実食!



と、佐藤さんの示唆に富んだ話の洪水から瞬く間に開店時間となった。では実際にラーメンいただきましょう、というところで前菜に「おつまみ肉(350円)」と土曜の朝から「日本酒(500円)」をいただく。
 


「罪深い色合いの色、そして脂。日本酒も進む進む」
 

しっかり火の入ったピンク色の豚ロース。「ちょっと肉のグレード上げたので、美味しくなかったら大変です・・・。なので消費増税に合わせて、少し値上げしました(ぼそっ)」という逸品。おおー甘いっ、そしてこれは安いっ。

さらに今日の日本酒は酒を愛する佐藤さんが選んでいる『英君』、「こないだ飲んで美味しかったのでさっそく」と言う一杯。これも安っ。

そしてそんな5分ほどの間に1人、3人連れ、3人連れと雪崩れ込んで、開店5分で一気に8席ある店内はフルハウス(ひとつは筆者)。すでにお一人様待ちの状態である。これは早く食べてお譲りしなければ。
 


出ました、こちらが灰汁中華。カイワレとタマネギがいいアクセントに
 

そんなところで来ましたよ。看板メニューの「灰汁中華(680円)」と、自家製辣油を使った「紅中華(830円)」。

まず灰汁中華は・・・見た目にも鮮やかなカイワレと糸唐辛子、そして先ほどの衝撃再びの豚ロースを掻き分けつつ、堅めの麺とスープを一口。この日は高級魚・ノドグロの煮干しも追加されているそうですが・・・。

おおっ、注目のスープは魚のすごい風味とともに、こだわりの灰汁が! ちょっとの苦味がクセになる。具のタマネギでサッパリしてさらに一口、一口・・・これ、ハマる人はスープばかり飲み続けちゃいますよ。
 


紅中華。真っ赤じゃない。でもとても辛い、でもとても美味い
 

さらに紅中華は「甲殻類と辛いの、どちらも平気ですか? 辛いの苦手な私はちょっと食べられない辛さです(笑)」と最初に確認があったとおり、煮干しに加えて甲殻類の香ばしい風味を感じる。

そしてなにより辛いっ。確認されたの間違いなしの辛さ・・・なんだけれども、“麻”というんですか、ピリッとしてその後に旨味を感じる辛さで、決して嫌ではない。

これはノーマルの灰汁中華よりも、ハマる人は深みにハマっていく危険性がある。気が付けばお隣のお客さんも紅中華だった。これまでは灰汁中華と、たまにある限定メニューしか食べてなかったそうだが、やはり「これはハマる。また来る理由がひとつ増えてしまった」ということでした。
 


「土日だけだからこそ『丿貫にするか』ってなったら止まらない」とお客さん
 

「私も経営者として可能性があれば3店舗目も考えますが、旗艦店は今後もあくまでここですよ」、と佐藤さん。

スナックに間借りするラーメン店「灰汁中華 丿貫」。この先もこの不思議な店から、理知的な店主が個性的なラーメンを出し続けているのは間違いない。



取材を終えて



お店を出るときにはフルハウス+待ち4人。最近は特急に乗っての遠征組なんかも多いそうです。珍しい煮干しを使った限定メニューの情報や、佐藤さんの日ごろのラーメン食べ歩きや飲み歩きについての記事がほぼ毎日更新されるブログ「丿貫日記」もご覧あれ。

なお“いっちゃん間借りの原点”、「マンデースナック」は8年の歴史に3月31日でピリオド。とはいえ翌週の4月7日からは日本酒を愛する佐藤さんと中区若葉町の酒屋『徳丸商店』がプロデュースする “日本酒飲み放題2000円の店”になりました。月曜早々から酔っ払ってくださいませ。

それにしても佐藤さんのお話、おもしろいよ。お店では忙しくてそんなヒマはなさそうなので、ぜひとも一度「丿貫」へ足を運んだ後、野毛でみなさん隣り合わせてみてください(笑)。

それではごちそうさまでした・・・って、土曜の昼11時半に野毛で腹いっぱい。ちょっと迎え酒も入っちゃってるよ。競馬でも打ちにいくか、とりあえず(笑)。
 


「負けました。勢いで行くもんじゃありません」
 


―終わり―

 
灰汁中華 丿貫
住所/横浜市中区野毛町1-23
電話番号/45-654-7242
営業時間/金・土・日・祝11:30~15:30(ラストオーダーは15:00)

※当原稿での所在地による営業は2014(平成26)年8月末で終了し、12月より上記の住所に移転しました。
営業日・時間に関します変更やメニュー、休業のお知らせなどは、以下のブログ「丿日記」にてご確認ください。



丿貫日記
ameblo.jp/ra-menandsoba/
 

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  • このスナックの前にへちかんのラーメンを出していたカフェ「Lauch Pad」のことにも触れてほしかった。

  • 「スタッフさんが後で見ることになる目に毒な 食べ物をカット中」?ってどうゆうこと?

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