半世紀以上続いてきた横浜の伝統イベント!「元町チャーミングセール」の秘密とは?
ココがキニナル!
チャーミングセールの名前の由来や、2月と9月に開催する理由、「もっと素敵にチャーミング♪」という歌の詳細、アーケードがない理由を教えて!(悠介さん、しぇりーなさん、熱烈餃子さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
2月と9月に行われるのも、アーケードがないのも、他の商店街との差別化のため。名付け親は「二十日会」。あの歌は現在使われていない。
ライター:たなか みえ
あのテーマソングの詳細は?
「もっとステキにチャーミング♪」という歌の行方については、フクゾーのシャツがよくお似合いの元町SS会事務局長の山田義人さんに尋ねてみた。シャイな山田さん、写真撮影を固辞される。かっこいいのになぁ。はまれぽ読者に山田さんの顔を見ていただけないのが残念。
お話を伺ったSS会の応接室には歴代SS会会長の写真がずらり
では早速、あのテーマソングの話をうかがってみましたが・・・。
「『もっとステキにチャーミング♪』の制作者などの詳細については、資料が残っていないんですよ。というのも、使用契約などをきちんと交わさないまま、長い間使用していたそうなんです。でも、8年前ほどに使用期限が切れてしまっていたことがわかりまして、使えなくなったんです。皆さんにまた好きになってもらえる企画、考えなくちゃですね」
なるほど使用期限か・・・。世の中厳しい。でもまだ私の頭の中には、もっとステキにチャーミング♪」の音楽が繰り返し聞こえている。
「宣伝に使われる歌やモデルさんは、毎年どうするかを検討するんです。その都度、期間を含めて代理店と契約を交わします。今年のキャラクターはMay J.さんです。すでにポスターにも登場していただいています」
今年のチャーミングセールのポスター。キャラクターはMay J.さん
ということで少し元町の歴史を振り返るべく、山田さんに話を伺ってみよう。
「横浜港が開港したのは、1859(安政6)年。当時の元町の住民の大半が農業や漁業に従事していましたが、山手居留地に住む外国人相手に、洋家具の修理製造や洋服やファッション雑貨を売ったりする商人が徐々に増えていきました。その後も関東大震災、第二次世界大戦と、衰退と発展を繰り返し、戦後の1947(昭和22)年4月に『元町SS会』を設立、その後『協同組合元町SS会』に。1961(昭和36)年にはチャーミングセールが始まり、今年で54年目です」
元町の移り変わりが載った新聞記事
事務局長になってまだ14年と笑う山田さん。先人達の発想が豊かなこと、その行動力には頭が下がると言う。でも山田さんのお話にも十分すぎるほど、元町に対する熱い想いが感じられる。そして今の元町・・・
「『青空を見ながら買い物をしましょう』というのが元町のコンセプトなんです。商店街を歩いていて何か気付かれませんでしたか? どの店も1階がセットバックしているでしょう。壁面線後退というのですが、そうすることでお客様がゆっくり買い物できる空間を確保しました。昭和30年代の話です」
セットバック(壁面線後退)で歩行者空間を確保
なるほど、コンセプト通り、晴れた日は青空を見ながら、雨の日にはそれほど濡れずに買い物ができるっていうことだ。お店の1階を後ろに下げることで面積は減るわけだから、売り上げにも関係するんだろうなぁ。それでも商店街が一致団結して、議論して実行して・・・。その姿を想像するだけで何だか胸が熱くなる。
残されていたキニナル「元町商店街は何故アーケードにしないのか」についても、これで解決!でもおっしゃるとおり、土日やチャーミングセールのときは人出が多いから、濡れずに買い物するのは難しい・・・う〜ん。
コンセプトは「青空を見ながら買い物しましょう」
「何か新しいことを始めるには、お金もかかるし、維持管理しなくてはならないし、何より街全体で本気にならなくてはなりません。お客様のことを考えて議論してそして実行するんです。例えば、元町にはペットを連れてこられるお客様が多いので、水飲み場、ペットバーを作りました。赤ちゃん連れのお母さんが授乳やオムツ替えに困らないように、キャンピングカーを改良して動く授乳オムツ替え専用バス「POPPETSTOWN(ポペッツタウン)号」も設置しました。このバスには、子育てが終わった先輩お母さんが乗っていて、若いお母さんの話し相手もしてくれます」
一気に話し終えた山田さん。まだまだやりたいことがたくさんあって、考えるとワクワクして来るのだそう。来年あたりには、お客様があっと驚くような新しい取り組みを企画しているとうれしそうに話す山田さん。聞いている筆者もなんだかワクワクしてきた。
ワンちゃん用のペットバー。お水が飲めます
授乳オムツ替え用バス。どこに止まっているかは元町SS会HPで確認できます
取材を終えて
元町ってすごい! 取材を終えた正直な感想。何がすごいって、商店街の人々の情熱と誇り、実行力。それらが元町の歴史と文化を創ってきたんだ。そしてこれからも歴史を刻み、文化が産まれる。その大元にあるのは、何より元町を愛する気持ち。たくさんの商店、街が消えていく中、元町もチャーミングセールは次の世代につながれていくのだろう。人々に愛されながら。
―終わり―
よこはまいちばんさん
2016年03月04日 13時51分
以前にチャーミングセール用に安物を仕入れて販売していた件がバレテ批判をされた事があった記憶があります。賢い消費者は普段の日に日常陳列している商品をチェックしておいて、セール期間中はチェック済み商品のみをターゲットにしているようです。セール期間用に仕入れた商品には目もくれず・・・セール用に仕入れた商品だったら、割引販売ではなく相応の値段で売っているダケですからね。ここ数年賑わっているアウトレットモールだって、店舗が増え過ぎてアウトレット商品(昨シーズンもの・B級品など)が足りなくなり、最初からアウトレット店舗で販売する目的の安物商品(別ブランド)を企画してまで品揃えをしている昨今ですから・・・
ジャック2さん
2016年02月26日 23時42分
チャーミングセール中だけが混んでいて元町は、馬車道と同じ過去の町ですね~。
みいくんさん
2014年09月21日 11時35分
『もっとステキにチャーミング♪』はユーミンの作詞作曲じゃないんですか?地元では周知の事実だと思っていました。そして長年CMを流していたにも関わらず、管理しているSSH会に記録が残っていないことに驚きました。昔はブランドショップももっと有りましたよね。老舗人気商店街に胡座をかくこと無く、発想の転換をし、1000円安売り店や100円ショップのない、気品と個性あふれる元街商店街を希望します。