鶴見のめがね橋は目が一つしかないけどなぜめがね橋なの?
ココがキニナル!
鶴見の国道1号線にかかる響橋は「めがね橋」の愛称で親しまれているのですが、【目】が一つしかなくメガネにならないのですが・・・何故めがね橋とよばれるのでしょうか?(あんずパパさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
役所や地元にも、聞いてみたが理由は分からなかった。ただ、横浜には本当のめがね橋があることが判明した!
ライター:ワカバヤシヒロアキ
道路局橋梁課の見解は?
橋梁課に勤める松本誠さん
話を伺ったのは、橋梁課を担当して20年という橋のベテラン、松本氏。
響橋のことを聞くと、「この橋は昭和11年、第12回オリンピックの東京開催が決まった時に、開催に合わせて着工されたものです。当時は、フルマラソンの折返し地点が橋の付近に計画され、社会的にも重要な意味を持つ橋だったそうです。結局、そのオリンピックは戦争で開催されませんでしたが」と話してくれた。
また、アーチの壁となる部分にスリットが入っているなど、デザインとしても優れていている。橋としての価値が高いそうだ。
言われてみればコンクリートの空洞部も独特なデザインだ
響橋についての説明を聞いたところで、今回の本題について尋ねてみた。
―なぜ「めがね橋」と呼ばれているのですか?
「アーチの形で、地元の方がそう呼んでいるみたいです」
―普通は2つのアーチがあってこそ、「めがね橋」ですよね?
「確かに一般にはそうですね。ここは、1つでも呼んでいるみたいです」
―横浜市としてはどうお考えですか?
「地元の人が呼んでいるから良いんじゃないでしょうか。あくまで市が付けたのは『響橋』ですから」
確かに、橋の名前は響橋。めがね橋は単なる愛称にすぎない。
地元の人に聞けば語源が分かるのか?と尋ねたが「さすがに昭和16年の建築物だから、分かる人もいないのでは」と言われてしまった。
途方に暮れていると、松本氏は面白いものを見せてくれた。
横浜市道路局が局内に発行している「橋の名前について」という文書だ。
言わば橋のネーミングマニュアル
その中に、命名に当たっては地元町内会等の組織及び近隣住民と協議する旨の内容も書かれている。実際、橋の名前で地元が揉めることも多いようで、松本氏も何度も苦労してきたそうだ。
響橋についても同様に、地元の方と話して決めているはずということであった。
ちなみに、橋の名前の注意点を抜粋すると、以下のようなものがあった。知らなかったので意外と面白い。
・「○○大橋」を使用する場合は、橋の長さが100m以上のものを原則とする
・橋名板(きょうめいばん)等のひらがなは「○○はし」と濁らずに表示することを原則とする(「ばし」と濁ると河川が濁るという災いを連想させるので、「はし」と表記しているらしい)
・同一や類似の名前は避けること、やむを得ない場合は理由を明記すること
と、ここで「同一の名前を避ける」という表記を見て疑問が涌いてきたので、思い切って松本氏にぶつけてみた。
―横浜に、めがね橋って他にあるんですか?
「1つありますよ」
なんと、他にもめがね橋があった。
しかもそちらは、「めがね橋」というのが正式名称で、平成10年に竣工している。
場所は、瀬谷区宮沢。
松本氏に別れを告げ、その足で現地に向かった。
公式の「めがね橋」とは?
相鉄線いずみ野駅から歩くこと20分。きれいに整備された小川にめがね橋は架かっていた。
これぞ、その名の通りの「めがね橋」である
名板にも「めがね橋」と表記されている
横浜市としては、この橋をめがね橋と定義しており、鶴見区のめがね橋は、やはり「響橋」なのだ。
しかし、響橋付近の地元の人たちに話を聞いた時、みんな嬉しそうに橋のことを語ってくれた。
橋は地域にとってのシンボルなのだろう。特に昭和16年にこれだけ立派な橋が出来たとなれば、地元も相当に盛り上がったことと思う。そんな中、綺麗なデザインのアーチ橋を見て、思わず「めがね橋」と言い始めたのかもしれない。
地元がめがね橋と呼びたいのなら、その意向が一番良いのかもしれない。いくら語源がはっきりしていても、地域に馴染んでいなければその土地のシンボルとは言い難い。
今回、はっきりと名称の由縁は分からなかったが、めがね橋という愛称によって、地元の人が橋を愛する気持ちは十分に感じることができた。昔なじみの友達をニックネームで呼ぶ感覚。それと同じく響橋はきっと地元に愛される橋なのだろう。これからも永く地元のシンボルであり続けてほしいと思う。
― 終わり ―
炎嵐さん
2020年03月26日 20時08分
昔の東京オリンピックの折り返し点だというのは知っていて、今回のオリンピックのごたごたで、改めて響橋を検索してここを見つけました。個人的には、アルセーヌルパンがしているような一つのメガネがあるので、響橋もめがね橋でいいと思いました。〇〇はしと濁らない理由が面白いですね。これが今回一番の収穫です(笑)。
ヒゲオさん
2016年06月20日 17時58分
師岡に在った宅配寿司でアルバイトしてた時に、、最大距離の場所でよく「めがね橋の先」と言ってました。橋の本名は知りませんでした。
ひでざるさん
2015年11月29日 18時03分
地元に住むものです。ある方に聞いた話です。その昔、めがねのレンズは大変高価で、首から下げて使う片レンズの物も当然ながらめがねと呼んでいた。なので、アーチが一つでもめがね橋とネーミングされたそうです。