元住吉の「入るのに勇気がいる」猫ミュージアムとは?
ココがキニナル!
中原区にある人形劇団ひとみ座の先「ねこのミュージアム」という看板が出ているのですが、どう見ても民家しかありません。看板も新しくなり、気になりますが、1人で入れません。是非取材を(ぴろさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「猫のミュージアム ラッキーフィールド」はオーナーさんの集めた猫グッズを展示しているミュージアム施設で自由気ままな猫と触れ合える
ライター:山崎 島
ねこねこねこねこねこねこねこ
そしてそこはニャンニャンパラダイス
木のぬくもりを感じられる空間には、びっしりと猫にまつわる絵や小物などの作品が展示されている。ほーっと室内を見回していると足元に気配が・・・
あー!!
白と茶トラの猫が山崎の足をふんふんしていた。ささやかな鼻息に悶絶。
よく見るとあちこちに猫がいる
「バンダナをまいた猫だったら、触っていただいて大丈夫ですよ」と、先程扉を開けてくださった女性がお声がけくださった。こちらの方が、「猫のミュージアム ラッキーフィールド」の代表・吉野和枝さん。
猫たちの優しいお母さんでもある
山崎に寄り添ってまるまった猫を愛でつつ、同ミュージアムについてお話を伺った。
幼いころから猫が大好きだった吉野さんが、同ミュージアムをオープンしたのは2010(平成22)年。以前から里親探しのボランティアや、街や島を巡りながら猫を見る会などに参加されていたそう。
「いろいろなコミュニティーを見て、私が猫と関わる上で一番しっくりくる方法を探していました。その活動の傍ら、猫をモチーフにした絵画や小物を集めており、ほかの人に私のコレクションを見てもらって、猫とも触れ合える場所が作りたいなあ、と思うようになりました」と吉野さん。
ご実家の裏の借家だった物件をログハウス風の建物に改築し、ご自分の思うような場所を作られた。入場料は基本的に無料だが、多くの人が入館時に500円の寄付をしていくそう。
吉野さんお気に入りの作品が展示されている
「よく『猫カフェですか?』と言われるんですが、ここはあくまでも個人のミュージアム施設です。オープンにあたって、いろいろな猫カフェを見てきました。それぞれ良い所ももちろんあったのですが、どうしても猫に強制しているような気がして、私には何か違うと感じたんです。あるところでは猫を常に空腹にさせ、お客さんが餌で呼び集めていました。それって猫の健康にも良くない上に、ものすごいストレスです」
「ここはあくまでもメインは猫のコレクションの展示で、猫がいるミュージアムです。猫はマイペースに暮らし、遊びたいときに猫からお客さんに近寄っていく。猫と人間が無理なく触れ合える場所なんです」
現在同ミュージアムで飼われている猫は13匹。どの猫もわけあって吉野さんが引き取った猫ばかりだそう。
猫は放っておいてほしい時は部屋の奥でのんびりし
好きな時にご飯を食べる
吉野さんが約30年かけて集めたコレクションは
およそ50点。これからもどんどん増えていくもよう
レオナール・フジタさんの作品だ!
同ミュージアムはオープン当初、喫茶スペースが併設されていたそうだが、保健所からの指導で2013(平成25)年に廃止。今は入館時の寄付のお礼として、美味しいコーヒーをいただける。
川崎市には個人事業として申請しており、きちんと食品衛生課の指導も受けていた
カップ、スプーン、スプーン置きまで、全て猫
ちなみに、投稿にもあった看板なのだが、約半年前にリニューアルされたそう。吉野さんが書いたという初代の看板はかなり味があってよかったのですが、残念ながら公式なお写真がなく、お見せすることができない! わーん!!
いよいよ猫と触れ合う
ほっ
ここからは山崎と遊んでくれた猫をご紹介していきます。まずは右の太ももにずっと寄り添ってくれていたまこちゃん。
3歳のまんまるさん
人懐っこいまこちゃんは、常連さんの足音を聞きつけお出迎えするというジーニアス。まこちゃんは元々近所で飼われていたが、飼い主が引っ越しをした際に置いて行かれてしまったそう。近所をうろうろしていたところを吉野さんが保護し、以来同ミュージアムで生活している。
座っていると膝に乗ってくれるまめちゃん
特に男の人の膝が好き! という三毛猫まめちゃんはメス。その潔さがとてもいいと思う。まめちゃんは近所のお年寄りに飼われていたそうだが、その方が亡くなり新しい飼い手が見つからなかったため吉野さんが引き取った。
なかなかこっちを向いてくれなかった黒猫のアトラス
「かっこいい名前にすれば里親が見つかると思ったけど、結局うちにいることになっちゃったね」というアトラス。指をちょっと嗅いでくれたのが嬉しかったです。
そして同ミュージアム、一番の美人さんのチビちゃん
恥ずかしがり屋のチビちゃんは、常連さんが連れてきてくださったが、ずっと緊張していた。肉球がピンクと黒だった!!
毎週土曜日にはいらっしゃるという、常連さんにもお話を伺った。
「私がここに来たのは3年ぐらい前だったかしらね。そのころ私は兄弟の猫を飼っていたんだけど、1匹が死んで、そのあとを追うようにもう1匹死んじゃったの。ショックでショックで、げっそり痩せちゃって・・・その時、前から看板を見ていたこの場所に来てみたの。そうしたらたくさん猫がいるじゃない。それから毎週来るようになりました。生きがい」とおっしゃっていた。
常連さんに撫でられてお腹を見せるまこちゃん
「最近、猫ブームが来ていると言われるけど、私はちょっと思うところがあります。猫を飼う人が増える一方で、捨てられる猫もまた増えている。悲しいことです。当ミュージアムでは、今いる猫のお世話で精一杯のため、新しい猫の受け入れはしていません。ですがやはりたくさんの問い合わせがあります。そういう方には愛護団体の紹介や里親探しのお手伝いはしていますが、やはり最後まできちんと自分で飼ってほしいです」と吉野さん。
ペットに対しての倫理観が問われる今日、多くの方に猫の魅力を伝えつつ、人間の勝手で辛い思いをする猫を減らそうと活動されているお姿は、なんだか考えさせられました。
またお話しに来たいです。ありがとうございました。
取材を終えて
ペットに対してはいろいろなご意見があると思うが、「猫のミュージアム ラッキーフィールド」はできる限り猫主体で考え、運営している場所だと思った。猫は柔らかかった。
―終わり―
猫のミュージアム ラッキーフィールド
住所/川崎市中原区井田3-11-12
電話/044-752-0083
営業時間/11:00~15:00
定休日/火・金・日
八景のカズさん
2016年02月19日 08時20分
山崎レポーターも常連になれば、もっとお友達が増えますよ!
ぴろさん
2016年02月18日 01時12分
取材ありがとうございました!以前の看板にも今の看板にも少し怪しさ(←すみません)を感じていたのですが、こんなに素敵な場所だったとは驚きです。早速見に行って来ようと思います。
ムバークさん
2016年02月17日 10時49分
ここの猫は楽ちんそう。私も社畜をやめて、ここの猫になりたい。