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【横浜の名建築】曹洞宗大本山 總持寺

ココがキニナル!

建築家の伊東忠太さんの設計した作品の宝庫、總持寺さんを名建築シリーズで取り上げてください。キニナル。(にゃんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

總持寺の仏殿は荘厳な美しさ。伊東忠太設計の大僧堂内部の雰囲気は衆寮(しゅりょう)で伝わった。百間廊下は、災害への思いを新たにさせる場所

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ライター:吉澤 由美子

大僧堂と衆寮(しゅりょう)、放光観音(ひかりかんのん)台座



仏殿から出て大僧堂に向かう途中、仏殿のすぐ横にある放光堂(ほうこうどう)にちょっと寄り道。ここは、總持寺が能登から鶴見に移転して、初めて法要が行われた建物だ。

 

 放光堂の正面


なんとこの建物、安政年間(1854年からの6年間)に山形・鶴岡の総穏寺(そうおんじ)本堂として建立されたもの。總持寺移転に際して、特別に献納されたという由緒を持っている。

 

 入口上には、波間から日輪が昇る装飾。下は波間に亀が泳ぐ
 

 中には阿弥陀様が祀られていた


選りすぐりのケヤキで作られた桁行(けたゆき:長さ)30メートルの雄大な堂であり、幕末期の造形を見ることができる貴重な建物だ。

さて、總持寺の堂宇(どうう:神仏を祭る建物)で唯一伊東忠太設計の大僧堂だが、ここは總持寺に約150人いる修行僧のための建物。修行僧が食事をし、眠り、坐禅を組む、生活と修行のための場だ。そのため、部外者は中に入ることはできない。

 

 百間廊下から撮影した大僧堂。建築面積208坪で木造では日本で一番大きな僧堂だそう


大僧堂の入口ぎりぎりからの撮影はしてもいいとのことだったので、まずそちらに向かう。

 

 外堂に大きな太鼓があった。これで作務(さむ:そうじ)などの時間を告げる


「坐禅会で一般の方が利用する衆寮(しゅりょう)は、大僧堂の内堂にそっくりなんですよ」と花和さん。衆僧のために設けられた寮舎である衆寮はもともと僧堂だった場所らしい。そこで、衆寮の中を見せていただくことに。

 

太鼓こそないが、外堂は大僧堂とほぼ同じような造りの衆寮
 

 中に入ると中央に尾張徳川家から寄進された准胝(じゅんてい)観音像


大僧堂は、全てが1人1畳のスペースになっており、壁際に生活用品や布団を収納するための棚があるそう。中央に僧形文殊菩薩像(そうぎょうもんじゅぼさつ)が安置されているとか。

 

 この衆寮で坐禅体験ができる


大僧堂内では、音を立てることはご法度。食事の際、沢庵を噛む音も立てないようにすると聞いたことがある。花和さんにそれを伺うと「はじめはそっと、徐々に噛む力を強くしていくとできますよ」と教えてくれた。

伊東忠太設計の堂宇は大僧堂だけだが、駐車場奥に建立されている放光観音(ひかりかんのん)の台座も伊東忠太が設計したもの。ほかに、本人のものを含め總持寺の墓地にはいくつか伊東忠太設計の墓があるそう。

お墓は個人の持ち物なので撮影することはできないが、台座はいつでも見ることができる。そこで駐車場に向かう。

 

 伊東忠太が設計の台座。六角形のそれぞれの面に梵字が描かれている


初代の観音像は第二次世界大戦時の金属資源の不足による金属供出により失われてしまい、現在の観音像は2代目。

この台座も登録有形文化財として登録されている。

最後に、もう1つ、個人的に禅寺の魅力を一番感じる場所、百間廊下を紹介したい。



百間廊下に込められた想い



百間廊下は東西の殿堂群をつなぎ合わせて、外苑と内苑とを分けるためのもの。全長162メートルと伝わっていたが、測ってみたら164メートルあったそう。

 

 いつ行っても磨き込まれている百間廊下


この長さは建物の間を広く取るためのもの。能登にあった總持寺は火事で堂宇のほとんどを失った。そのため、鶴見に移転するにあたり、類焼を防ぐことを念頭に堂宇の配置を決めたため、建物の間をつなぐ廊下もそれだけ長くなったのだ。

禅寺は徹底的に掃除された清潔感もその大きな魅力のひとつ。總持寺でも毎日2回、洒掃行(しゃそうぎょう:廊下の雑巾がけ)が実践されている。

 

 床の三和土(たたき:廊下左半分)の部分に水を撒いた線が2本見える
 

はまっているガラスのうち、風景が歪んで見えるのは貴重なクリスタルガラスを使用しているから。
窓の外にはイチョウが多く植わっているが、これもイチョウが水分を多く含む木であることから、これも類焼の防止として植えられたそう。


「百間廊下は1963(昭和38)年の鶴見事故の際、ご遺体を安置した場所です。掃除の際に水を2本の線に撒きますが、これは亡くなった方の御霊をお慰めするため。2本の水の線はレールを表しています」と花和さん。

鶴見事故は、旧国鉄の鶴見駅近くで起きた列車脱線多重衝突事故で、161人もの方が亡くなっている。これからはここに来たら鶴見事故で被害に遭われた方の冥福も祈りたい。

ふと見ると、廊下の三和土にダンボールが並んでいる。

 

 木の枝が出ているダンボールには「がんばろう東北」の文字
 

「この枝はエドヒガンザクラの苗木です。ソメイヨシノは樹齢が60年ほどですが、エドヒガンザクラは樹齢1000年を超える木が珍しくないとても長寿の木です。東日本大震災で大きな被害を受けた東北に千年桜を贈って応援しようとエドヒガンザクラを境内で育てて送るプロジェクトを行っています」と花和さん。

 

 仏殿横にエドヒガンザクラ育苗地があった


さりげない水の跡、ひっそり並んだダンボールにこんな意味が隠されていて、災害を忘れないというとても大事なことを思い出させてくれた百間廊下だった。



取材を終えて

与謝野晶子が感嘆のあまり歌を詠んだ仏殿は、その歌のままの荘厳な美しさを保っていた。残念ながら伊東忠太設計の大僧堂内部は見学できなかったが、衆寮でその雰囲気は伝わってきた。

そして、いつもピカピカに磨かれた木の床を感嘆しながら見つめるばかりだった百間廊下は、災害への思いを新たにさせる場所だった。

  

 雨でいっそう色を濃くしていた向唐門(むかいからもん)前のサクラ


ところで、興味が出て花和さんに坐禅体験について伺うと、「坐禅というと修行とか厳しそうとか考えがちですが、のんびり過ごしてルーツを感じる時間。時計や携帯電話など普段の生活で縛られているものから解放されて本来の自分に戻り、くつろいでいただけたら、それでいいんですよ」とのこと。

木々に囲まれた和建築の畳の上で、なつかしさやくつろぎを感じるだけでいいなら、ちょっと坐禅会に参加してみようかなと思った。
 
 
―終わり―
 
 

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コメントする
  • 地元なのですが、なかなか行く機会が作れずにいたものの、先日初めて行ってきました。見所がいろいろありましたが、こういう詳しいガイドがあるとさらに楽しめるなぁと思います。

  • あの廊下は良いよねぇ~。確かに禅のお寺って感じがする!暖かくなってくると行きたくなるね。でも、境内のマップはもっと大きい画像も見れるようにしてくれないと、どこがどこだか分かんない、、、。

  • 記事にあるように与謝野晶子の句、「胸なりて われ踏み難し 氷より澄める 大雄宝殿の床」百間廊下ではあるが、毎日2回の雑巾がけでピカピカの廊下が保たれているという。この長い、広い床を磨きあげる中での僧の心の裡は"無の境地"なのであろうか?それとも??知りたくもある。

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