相鉄線の旅のお供に、フリーペーパー『相鉄瓦版』って?
ココがキニナル!
相鉄線の券売機のそばに昔からある「相鉄瓦版」。相鉄といえば相鉄瓦版!無料とは思えないほど内容が充実しており毎号楽しみにしています。どんな人が作っているの?(maniaさん、たこさん)
はまれぽ調査結果!
お金を儲けるわけでも、単純に相鉄線を宣伝するわけでもなく、40年間「読者に楽しんでもらおう」という気持ちを込め続けたフリーペーパーだった
ライター:田中 大輔
『瓦版』にかける思いとは?
「読者の求めているものを掲載したい」。
担当者はそう話し、相鉄のPRのためだけにこの冊子を利用しようとは微塵も考えていない。
新しい年度が始まる前に8回分の特集内容を決めるそうだが、沿線情報を含んだものを4本、そのほか一般的な内容を4本という大枠は毎年変わらずに存在するとのこと。編集作業は発行の2ヶ月前をめどに行うという。
例えば取材時に最新号として発行されていた号の特集「花と植物をめぐる物語」は、頭に「相鉄線沿線」と銘打ってはいるが、大和駅周辺の緑化運動や沿線の花農家へのインタビュー記事などが扱われている。つまり、相鉄線そのものをアピールするような内容ではない。
沿線住民のインタビューなども
「相鉄色が濃くなることを嫌う方も多いと思う」と話す担当者は、「楽しんでもらえることを第一に考えて内容を決めています」と続ける。
この考え方は創刊時からあったようで、第1号の特集は「昔話」。相鉄線はおよそ登場しないし、紹介された8本の昔話のうち関東地方のものは1つだけという具合だ。
創刊号の表紙と、その目次。話題はなんと「昔話」だ
そもそもこの冊子、広告などは一切ないので、制作にかかるお金はすべて持ち出し。フリーペーパーだから、お金の面だけで言うと出せば経費が増えるということになる。
沿線のお店を紹介するコーナーもあるが、「沿線にあるお店のことを知りたい」という読者の声を受けて掲載を始めたそうで、掲載料などは取らずに紹介をしているだけだそうだ。
読者サービスも!
売って利益があるわけでもなく、かと言って単純な企業PRだけでもない。
「40年の間に、『相鉄瓦版』という一種のブランドが出来上がってきていると思います」と担当者が自信を込めて言うように、根本にあるのは読者、その多くが相鉄線の利用者だが、そういった人たちに楽しんでもらいたい、という思いだ。
2014(平成26)年に沿線にある時計店の職人を紹介した際には、記事を読んだ読者が大切な時計を修理に持ち込んだそうだ。
その後、時計屋さんからはお礼の手紙が届き、今でも大事に保存されている。
お礼の手紙は相鉄本社に大切に保管されている
「読者にも登場者にも喜んでいただける。こういうのは本当にうれしかったですね」と顔をほころばせる担当者。
こういった出来事が、この冊子に込められた損得勘定を超えた情熱の原動力になっているのかもしれない。
取材を終えて
電車の中での過ごし方も40年前とはすっかり変わり、若い人を中心にスマホやタブレットをいじる人が増えている。
相鉄瓦版には昔からのファンという年配読者が多いそうだが、「若い人にももっと注目してもらえるような取り組みを始めたところです」と担当者の意欲は尽きない。
これからも読み物を中心に、電車利用者に「車内の娯楽」を提供すべく、「読者のみなさんに愛し続けてもらえるように」という思いを込めた瓦版作りが続いていくようだ。
―終わり―
Mですさん
2016年10月09日 10時50分
相鉄で通勤していますが、相鉄瓦版で出会えたお店がいっぱいあります。
Hiro-Cheungさん
2016年04月20日 23時56分
タダなのに、けっこうレベルが高い。読み応えも充分で、下手な雑誌より価値がある。相鉄に乗るたびに探してしまう。ずっと続けて欲しい。
カニさん
2016年04月20日 23時15分
「相鉄アプリ」でスマホやタブレットでも読めますよ.