本牧のツタに覆われた「看板のない」謎の弁当屋、絶品カレーの味とは?
ココがキニナル!
以前に本牧の「名前のないお弁当屋さん」の記事が掲載されていましたが、本牧・小港の美濃屋あられ製造本舗の向かいにも看板のない店名不詳の弁当屋があります。年季の入った外観の店で気になります(みむくんさん)
はまれぽ調査結果!
名前のないお弁当屋さんの正体は精米店「小港橋商店」。カレーが有名で、“米屋のカレー”と呼ばれるほどお米がおいしい!
ライター:カメイアコ
行って確かめるほかなし! 小港町にある名前のないお弁当屋さん
(続き)
評判がどんどん広がり、カレーで有名なお弁当屋さんへ
同店は特に「カレーが美味しい」と口コミでどんどん広がり、常連さん以外も足を運ぶように。看板がなく、名前も分からないとなれば調べようもないのに、客足が途絶えることなく、評判を聞きつけた人が来店するというから驚きだ。
ところでなんで看板がないのですか? と本題に入ると・・・
「え、あるじゃない。そこに」
え、どこ?
「旗が」
あー。旗ねぇ。いやいや、看板は?
「看板はないわね。経費削減ってとこかな」
じゃあお客さんって、評判のカレーのことをなんて呼んでいるんですか?
「“米屋のカレー”」
ナイスネーミング!
カレーのルーって、あくまで米をおいしく食べるためのツールなんだよね。カレーのメインは米! 米のうまいお店は流行るよね(※米好きライター・亀井の見解)。
そのネーミングを聞き、俄然興味が湧いてきたということで、どのように作られるのか教えていただくことに。
特別にお鍋の中を拝見
“米屋のカレー”は、夜中のうちに仕込みを始める。「家庭の味よ」と吉原さんは言うが、こだわりのポイントを伺うと、「タマネギをしんなりするまでしっかり炒めて甘みとコクを出すこと。あとは香辛料もプラスしてピリ辛にしているの」とのこと。
「辛口なので、若い人には好評ね。マイルドにしたい人は“目玉焼き付き”にすると辛さが抑えられていいですよ。中高年の人は昔懐かしい甘めのカレーを好むので、目玉焼き付きを注文されます」
ちなみに吉原さんは辛党
カレーだけはお弁当屋さん開業当時からあり、最初はカレー一本で勝負していたという。そのうち毎日訪れるお客さんたちの要望で、「ハムカツ丼」や当て字がおもしろい「勝丼」など、オリジナルメニューが増えていったそうだ。
毎日たくさんのお弁当を用意する同店ではあるが、吉原さんと吉原さんのお兄様の奥様、水上干美子(みずかみ・えみこ)さんの2名で切り盛りしている。
なんと71歳! 若々しい!
お肌もお米同様つやつやだ。水上さんにもカレーのおいしさの秘訣を伺うと、「愛情いっぱいだからよ」とチャーミングな返答をいただいた。ノックアウト。
取材中に店に訪れた方は、10年以上通っているという常連さんばかり。やはりカレーを購入する方が多く、「ここのカレーおいしいっすよ」や「とにかく、ごはんがおいしい!」の声も聞かれた。
力仕事や運送業の方も同店の弁当で鋭気を養う
「お客さんの中には体力勝負の仕事をしている人も多いから、普通のお弁当よりはボリュームあるよ」と吉原さん。お腹いっぱいおいしいご飯が食べられるって、幸せなことだよね。
お世辞にも洒落た店内とは言えないが、「ここに来れば、お腹いっぱい、手作りのおいしいごはんが食べられる」っていう実家のような安心感がある。吉原さんの背中を押してくれるような明るい声、水上さんの心安らぐ笑顔。“小港の母ちゃん”がここにはいる。
愛情たっぷり! 噂の“米屋のカレー”を食べてみた!
目玉付カレーライス(650円)、ブルーベリージャムパン(80円)、おにぎりセット(370円)を購入し、早速いただきます!
ぱかっ
トロトロ系のカレーだ!
うーん! スパイシー!
家庭のカレーよりも本格的で、香辛料の食欲をそそる味と香りがたまらない。根菜は崩れる一歩手前という最高の状態。ルーは溶けたタマネギがとろみと甘みをプラスする。ゴロッと大きな牛肉もいい。炊き立てご飯はもちろん、ホカホカ。もっちりと甘みがあり、カレーのスパイシーさと合わさってスプーンが止まらない。
目玉焼きも半熟、とろーん
亀井、山岸ともに「うまい、うまい」と呟きながら、あっという間に平らげた。女子2人、ベンチに座って無心にカレーをがっつく。客観的な姿はあまり想像したくない。
まぁそれほどおいしかったということが、伝わっていたらうれしい。カレーの味はもちろんおいしいのだが、米屋さんの炊き立てのお米の魅力は計り知れない。米をおいしく食べる術に長けているのだから、何年も通い続けているという人がいても全く不思議ではないのだ。
おにぎりとパンは自宅に帰ってから!
おにぎりは角までまんべんなく具が入っていて、どこからかじっても具材と巡りあえる。おにぎりには新潟産コシヒカリを使用しているそうで、噛むごとにうまみがでて、粘りとコシが感じられた。
幸福の断面図
ブルーベリージャムとマーガリンで懐かしい味!
作っている人の顔が見えるから、余計においしい。コンビニ弁当じゃ得られない、手のぬくもりを小港橋商店のお弁当からは感じられるだろう。
取材を終えて
共働き家庭の増加やパン食ブームにより「自宅に炊飯器がない」人もいるという。そんな中、街のお弁当屋さんは重宝する存在だ。炊き立てのお米を噛みしめる喜び、ぜひ小港橋商店で体感してみてはいかがだろうか。
個人的にまた来たいと思うお店を見つけました
―終わり―
店舗情報
小港橋商店
住所/横浜市中区小港町1-2
電話/045-622-9271
営業時間/6:30~18:30
定休日/日曜
三日坊主さん
2016年06月28日 17時16分
一度行こう行こうと思いながら・・・
ro-me-3さん
2016年06月25日 19時01分
記事がUPされてすぐに行ってみました!ほんとにごはんが美味しい!上手に炊けてます。カレーは「家庭のお母さんが作った」感じに見せかけて・・・実はスパイスが効いていて辛口です。福神漬けと目玉焼きと相性がいい美味しいカレー。もう2回も買いに行っちゃいました。次回は期待大のオムライスにしてみようかな♪
みむくんさん
2016年06月18日 23時10分
依頼者です。取材、有り難う御座いました。……が、昨年の依頼後に、看板の存在に気付いてしまいました。URビューコートの遊歩道がある店の左側面上方に錆びた看板が架かっています。記事を読む限り、お店の方も失念されているようですね。