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横浜にある妙香寺が「君が代」発祥の地って本当?

ココがキニナル!

横浜にある妙香寺が『君が代』発祥の地って本当ですか?(TKKさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

明治初期、妙香寺で軍楽隊の指導を行っていたフェントン軍楽長に国歌の作曲を依頼して初代の『君が代』が誕生しました!

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ライター:吉澤 由美子

歴史あるお寺で吹奏楽を学んだサツマバンド

(続き)

練習を重ねた薩摩藩洋楽伝習生は翌年の1870(明治3)年、フェントンの指揮のもと、妙香寺の隣にある山手公園の演奏会に出演。

当時、横浜に居住する外国人向けの新聞『ザ・ファー・イースト』は、妙香寺境内に整列した薩摩藩洋楽伝習生の写真を、「サツマバンド」として紹介した。
 


サツマバンドが演奏した山手公園。残念ながら修復工事中だった


サツマバンドについてこの新聞は、楽譜の読み書きもすでにマスターし、短期間にマーチを演奏できるほどになったとその才能をほめ、容貌もすぐれていて利発そうだと記している。

長い歴史を誇る妙香寺に、洋装で整列する薩摩藩洋楽伝習生たち。この画像は、横浜開港資料館のサイトにあるキッズページ内「文明開化をのぞいてみれば・・・」コーナーの「山手居留地 山手公園・妙香寺」で見ることができる。



初代『君が代』のメロディは讃美歌風



薩摩藩洋楽伝習生への指導がはじまる時、フェントンは日本に国歌があるなら、その作譜から指導をはじめようと提言したが、その時点で日本には国歌がなかった。

薩摩藩洋楽伝習生の穎川吉次郎(えがわきちじろう)が、当時薩摩藩の砲兵隊長であった大山巌(おおやまいわお)にそれを伝えたことから、『君が代』が誕生したと伝わっている。

大山巌は西郷隆盛の従兄弟で明治の元老(明治時代の重要な政治的案件の決定に参与した政治家)。折しもこのころ、イギリスの王子、エジンバラ公の来日があり、儀礼に演奏する日本の国歌の必要性が高まっていた。

国歌という概念にはじめて触れた大山巌を代表とする薩摩藩士たちは、日本にも国歌を作ろうと検討をはじめ、 古今和歌集に記載され、おめでたい歌として小唄、長唄から浄瑠璃でも幅広く親しまれている『君が代』を歌詞として選ぶ。

『君が代』は薩摩琵琶歌にもあり、それが大山巌の愛唱歌だったと伝えられている。
 


境内にある『君が代』発祥の地の石碑


この歌詞に合わせた作曲を依頼されたフェントンは、讃美歌風のメロディを作成。
1870(明治3)年には、この『君が代』がはじめて演奏された。

しかし、この初代『君が代』は美しいメロディだが歌詞と合わず歌いにくかったこと、西洋音楽がまだ一般的ではなかったことから作曲し直されることとなる。

新しい曲は宮内省(宮内庁の前身)により雅楽調に作曲し直され、フェントンの後任であるドイツ人のエッケルトが吹奏楽用に編曲を行った。
これが現在の『君が代』となる。

フェントンが作曲した初代の『君が代』は、こうして姿を消す。



毎年、体育の日に、初代『君が代』の演奏会が行われている



幻となってしまった初代『君が代』の曲。
横浜にゆかりあるその曲は、どんなメロディだったのか。

讃美歌風の美しいメロディで歌われる『君が代』は、現在のものとはまた違った魅力があるかもしれない。妙香寺では毎年、体育の日にフェントン作曲の『君が代』が聴ける演奏会を行っているとのこと。今年は10月10日だ。
 


本堂はゆったりと大きい


妙香寺が日本吹奏楽発祥の地であることから、この演奏会は公益社団法人の日本吹奏楽指導者協会主催で20年以上続く恒例行事となっている。

フェントン作曲の『君が代』が、140年以上の時を越えて妙香寺によみがえる。



取材を終えて



平安時代初期からの古い歴史を持つ妙香寺が、明治時代に日本の吹奏楽や初代の『君が代』という新しい音楽をはぐくむ場所となったことに最初は不思議な面白さを感じた。

同時に、心の中でしっくりくる感じも受けていた。

なぜしっくりくるのか考えていて、ふと思い出した。
妙香寺には、新年の初詣で驚いたことがある。

ふさわしい表現ではないかもしれないが、聴いていて自然にリズムを取ってしまうほどビートが効いたお経で、新年に対してとてもポジティブな気持ちになった。
 


10月10日(祝)の初代『君が代』を含む演奏会は本堂で行われる


しかも、そのリズムが重層的で複雑な構成を持っていて、普段お経にあまり興味がないのにもかかわらず聞き惚れてしまった。

このお経は伝統的なものとのことだが、音楽的な魅力を持っている。

お寺の方にお話をうかがい、魅力的なお経を思い出して、妙香寺は新しい音楽をはぐくむのにふさわしい場所だったのだと納得した。


― 終わり―


◆妙香寺
住所/横浜市中区妙香寺台八番地
電話
045-623-8726
公式サイト/http://myokohji.jp/
 

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  • いつも興味深い記事を有難うございます。最初の君が代を聞きたくなりました。ところで、142年記念は平成23年で、今年平成24年は143年となり、もし開催されるのでしたら、開催日は体育の日との事ですので10月8日(月曜・祝日)なのではと思いました。http://myokohji.jp/event.html

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