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西区久保山の「怖すぎる」といわれた公衆トイレの謎とは?

ココがキニナル!

相鉄「西横浜駅」から京急「黄金町駅」までの関東学院を通過する道路にあるものすごく古いトイレ。怖くて利用するのを躊躇していますが、トイレとして十分に機能しているのでしょうか?(あきひろくんさん)

はまれぽ調査結果!

夜間は確かに怖いが、清掃も行き届いていて問題なく使える。しかも、1929(昭和4)年建設の「歴史的建造物」として認定された公衆トイレだった

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ライター:幸谷 亮

問題の公衆トイレを現地調査!

(つづき)

   

警戒することなく颯爽とトイレに入っていった


「え? 怖くはないですよ」と笑顔で答えてくれた

 
さらに、近所に住んでいるというバス待ちのセレブな奥様2人に話を伺ってみることに。

「こんな大通りに公衆トイレがあることは珍しいのよ。子どもやタクシーの運転手さんにとってはとても便利なんだから。近くに大きな墓地があって夜は怖いイメージがあるかもしれないけど、昼間はみなさん利用していますよ!」と力説してくれた。

地元の方からしたら、愛着のあるこの公衆トイレが「怖い」と言われていることに対して不満だったのだろう・・・。言葉の節々には、気分を害している様子を感じられた。

 

「有名な公衆トイレなんですよ」


公衆トイレの近くにある久保山霊園。この存在を知っていると確かに怖いかもしれない

 
なるほど、確かに取材をした日は秋晴れが気持ちいい昼間の時間帯。これがもし夜間だったら、投稿にある「怖い」という印象を抱いたのだろうか?

ということで後日、夜間の久保山トイレに足を運んでみると、確かに「薄気味悪くて怖い」というイメージを抱いた。

 

夜間の久保山公衆トイレの様子。壁の汚れやイタズラが目立って、スラムっぽさを彷彿させる

 
いったい誰がどれくらいの頻度で清掃しているのか、そして市民から「怖い」といわれていることについてどう考えているのか。キニナルことをすべて聞いてみようと、問題の公衆トイレを管轄する横浜市資源循環局へ足を運んだ。
 


横浜市資源循環局に聞き取り調査


 
家庭系対策部業務課浄化設備係の倉品謙治(くらしな・けんじ)係長と三橋成彦(みつはし・なるひこ)さん、小笠原瑠璃子(おがさはら・るりこ)さんに質問をぶつけてみた。

 

快く取材に応じていただきありがとうございます(右から倉品係長・三橋さん・小笠原さん)

 
まずは、問題になっている「久保山公衆トイレ」の清掃頻度などについて確認すると、「委託業者の方が月水金土の週4回清掃しています」と倉品係長。

あれだけ清潔に保たれているのは、週に4回も清掃している賜物だった。さらに、もし仮に利用者から「汚れている」などのクレームが寄せられたら、「即座に委託業者に連絡をして、再度、清掃をするようスピーディーな対応を心がけている」とのこと。

とはいえ、投稿者が「怖い」と感じているように、ネガティブなイメージを抱いている市民も少なくはないのかもしれない。

その結果としてかは不明だが、横浜市資源循環局が管轄する78ヶ所の公衆トイレの中では、利用者数が比較的少なく、2012(平成24)年に実施した調査によると1日100人程度(男女比9:1)。当時の調査で最も多かったのは、大船駅東口バスターミナル内に設置してある公衆トイレで、1日あたりの利用者数は1200人を超えたそうだ。

  

1日1200人(2012年の調査)が利用する大船駅東口バスターミナル内にある公衆トイレ

  
そして、驚くべき事実が発覚。実はあの公衆トイレ、隣接する「霞橋(かすみばし)」とセットで1929(昭和4)年に建設されたもので、78ヶ所の中で最も設置年度の古い公衆トイレだそう。

   

工事の着工は1928(昭和3)年

  
さらに「歴史的建造物」に認定されている由緒正しき公衆トイレとのこと。話を伺ったセレブな奥様方が言っていた「有名な公衆トイレ」という点も納得である。

「歴史的価値」「建造物としての価値」「景観的価値」の3点を評価された霞橋が2004(平成16)年に歴史的建造物として認定されるにあたり、セットで建設された公衆トイレも「市の公衆衛生に対する積極性をみるひとつの建造物」ということで同時に認定されたそう。

なお、現存する78ヶ所の内、歴史的建造物に認定されている公衆トイレはここだけ。

  

歴史的建造物の認定証


霞橋ありきで「歴史的建造物」として認定された

  
ちなみに、久保山公衆トイレと同時期に建設された公衆トイレは全部で35箇所。その内、現存するのは、久保山以外に「八幡橋」「一本橋」「長者橋」「弘明寺(ぐみょうじ)」の全5ヶ所なのだそう。

  

「一本橋」と「八幡橋」にある公衆トイレ

 
資料を見てみると、公衆トイレのデザインに統一感があることが分かる。

「中央部分が高くなっていて、左右は1段低くなっているのが当時のトレンドだったんだと思います。このようなデザインの公衆トイレを市内各所に設置していました。現存する当時の公衆トイレは、このデザインのものが多いですね」とのこと。

久保山の公衆トイレもアーチ状ではあるものの、ほぼ同様のデザインであることが確認できる。

 

当時から変わらぬアーチ状のデザイン

 
当時の周辺状況についてさらに詳しく伺うと「建設された当時は周辺を路面電車が走っていて、あの公衆トイレの近くに停車場がありました。1972(昭和47)年に廃止になりましたが、公衆トイレだけが残っています」とのこと。

 

昭和41年8月に作成された路面電車の路線図

 
ここでさらなる新事実が発覚。現在はバス停側が女性用、霞橋側が男性用だが、用意していただいた資料を見るかぎり、男女が逆になっているのを確認できる。

お話を伺った3人も初見で、かつ当時の資料も残っていなかったため、推測の域で答えてもらうと「1929(昭和4)年の完成後、1990(平成2)年に汲み取り式から下水道に変更する改修工事を行なっています。その際、レイアウトも含めて男女を逆にしたのかもしれません」とのこと。

 

男女が入れ替わっている

 
さらに、「バス停側に男性用がレイアウトされていると、バスを待っている際に男性の用を足している姿が見えてしまう恐れがあるため変えたのではないか・・・」と三橋さん。

実際、横浜市資源循環局が管轄する78ヶ所の公衆トイレの中でも、ごく稀に「見えそう」という内容の問い合わせが寄せられるそうだ。

ちなみに、1929(昭和4)年の完成から何度か改修を繰り返して現在に至るそうで、直近では2005(平成17)年に男性用の便器が破損したということで、交換したのが最後だそう。

今後も改修を繰り返し、今の姿を保存していく予定で、建て替えの計画はないとのこと。それには、スペースの問題もあるという。
 


「少しでもよくしていけたら・・・」とていねいに答えてくれた

 
「現在の基準で建て替えると、多目的スペースを設置するなど現存するものよりも大きな公衆トイレにしなければなりません。そうなると、歩道の幅が狭くなるなど、また違った問題が発生してしまいます。今後も改修を重ねながら維持していく予定です」とのこと。

とはいえ、この公衆トイレに対して市民がネガティブなイメージを抱いていることを伝えると、「市の財源が限られているため、すぐにというワケにはいきませんが、財源が確保でき次第、外装のみなど、順次改修していきます。とくに、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが控えているので、財源が確保でき次第、よりスピード感を持って改修していく予定です」と、今後の意気込みを答えてくれた。



取材を終えて



「公衆トイレ」という表記については、三橋さん曰く「1984(昭和59)年の資料では『公衆便所』で、1986(昭和61)年以降の資料から『公衆トイレ』に変更になっている」とのこと。普段、何気なく利用している公衆トイレにも、こういった歴史があると思うと感慨深くなってしまった。
 
バス停に隣接した公衆トイレのため、バス利用者がほとんどかもしれないが、怖くもなければ汚くもない、ごく一般的な公衆トイレなので、ぜひ積極的に利用してほしい。
 

―終わり―
  

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  • 通勤で毎日この公衆トイレ前を車で通っていますが、確かに毎日ではないものの頻繁にトイレ前に「清掃作業中」と看板を出した軽自動車が停止しているのを見かけます。確かに最新式のキレイな設備の方が気持ちよく利用出来るものの、市内各地でも貴重な古い建築物がドンドン取り壊される実態は非常に残念です。「古い」と「汚い」は全くの別物でもあり、キチンと補修整備・清掃が行き届いていれば、外観含めて貴重な建築物として今後も末永く活用される事を望みます。汚れ切ってしまうとトイレ臭はなかなか消えないですけどね~

  • 八幡橋近辺在住で文中に出てきた公衆トイレを時々使わせていただいてます。突然催した時など本当に重宝します。確かに慣れてないと独特な雰囲気を感じるかもしれないけど、特に悪い人が居たりする事も、少なくとも自分の経験ではないし、困った時は躊躇なく使えばいいと思います。市がきちんと管理していることを知って安心しました。これからも使わせていただこうと思います。

  • ホモの溜まり場って方がよっぽど怖いDEATH!

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