関内で見つけた旧横浜市庁舎の遺構。その歴史とは?
ココがキニナル!
横浜市庁舎の敷地に、関東大震災で焼失したかつての庁舎の遺構を発見。庁舎建て替えの歴史は?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜市庁舎はこれまでに6度建て替わっており、現庁舎は七代目。1959(昭和34)年竣工で歴史的価値もある
ライター:はまれぽ編集部
貴重な公共建築でもある現庁舎
1959年の竣工から60年近く、歴代庁舎の中で最も長く使われてきた現庁舎は開港100年記念事業の一環として建設された。設計は昭和の日本を代表する建築家のひとりで、官公庁、学校、民間企業などさまざまなジャンルで名建築を残した村野藤吾(むらの・とうご)氏。横浜の戦後復興のシンボルであり、昭和30年代の公共建築の数少ない現存例として、歴史的価値は高いようだ。
手前の市会棟と奥の行政棟は、市民広場(2階建ての建物)でつながっている
行政棟と市会棟からなる庁舎に足を踏み入れると目にとまるのは、二層吹き抜けでつくられた市民広場。
広々としていて、デザインセンスも感じる空間だ
バルコニーから外の光が取り込まれて開放的な雰囲気であり、彫刻家・辻晋堂(つじ・しんどう)が手がけたレリーフやレトロな階段・照明が目を引く。当時のデザイン感覚や時代のエネルギーを今にとどめる空間だ。
コンクリートや木が露出した意匠にも趣を感じる
レリーフの題は「海・波・船」となっている
しかしこの庁舎も、2020年には八代目となる新庁舎が馬車道で供用開始すれば役目を終える。
横浜市は、市庁舎行政棟については、建物の活用を基本としながらも、事業者から自由度の高い提案を募集する方針。市会棟や市民広場については、解体され新たな施設として活用される可能性が高い。
市民に親しまれてきた現市庁舎の見慣れた姿が見られるのもあとわずか。
時代を感じる「横濱市廰」の文字
新しい横浜の新たなランドマークになる新市庁舎の完成を前に、現庁舎の歴史と風格を今一度振り返ってみてはいかがだろうか。
―終わり―
ふ ーさん
2018年04月06日 07時42分
小さい頃から、なぜか市庁舎の外観が好きでした。建物を残す形になればいいな、と思います。