横浜の坂を克服できる? 京急の「電動小型低速車」は体感的に高速!
ココがキニナル!
京急、横浜国立大学、横浜市が共同して金沢区で行うという「電動小型低速車」の実証実験が気になります。ゴルフカートみたいな車ですがタクシーやミニバスと違ってどうなのか?試乗レポートして欲しい(kazさん)
はまれぽ調査結果!
電動カートは小回りが利き、傾斜に強い車両で上り坂もすいすい進める。試乗では課題も感じたが、地域の足となるために今後の実証実験で検証が進められることになる
ライター:はまれぽ編集部
なぜ富岡で実証実験を?
京急電鉄・横浜国大の関係者が実験について説明
実証実験の中心となる京急電鉄の広報担当によれば、今回のプロジェクトの目的は、坂道が多く道幅が狭いエリアで住民の移動を支援する方法を検討すること。
普通のバスやタクシーが走れないような道で運行するため、小回りの利くカートを導入することで課題解決を図るのだ。
運行は2018(平成30)年10月29日から11月18日までの20日間。坂道が多いエリアと、道幅が狭いエリアを通る2ルートを設定し、カートが1時間に2~3本程度の間隔で運行する。事前に登録したモニターがICカードをかざせば、無料で乗車することが可能だ。
「とみおかーと」が愛称。モニターはすでに100人以上が登録済み
同様の実証実験は石川県輪島市や松江市でも行われているが、首都圏の郊外部での実施は金沢区が初めて。実験を支援する公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団の企画に京急電鉄が採択され、同社が協定を結ぶ横浜国立大学と横浜市と連携して実施することになった。
地域に暮らす住民の生活向上を目指す
京急電鉄は、沿線の中央部である富岡西エリアで、長年都市開発を進めてきた。この地域は坂が多く、高齢化が進んで住民の移動が大変になっていることや、一定範囲にバス停や駅がない「交通空白地域」があることなどから、交通手段の不足に対応したいという思いがあったそうだ。
郊外の例にもれず、高齢化が進んでいるエリア
カートが走るのは、バス停や駅から距離があり、代替の交通手段がないエリア。カートを利用することで、他の交通機関とスムーズに乗り換え・連携ができるかということも、今回の実験で検証するポイントだ。
カートの位置や乗車人数、乗り換え先の路線バスの運行状況を把握できるシステムも開発
カートの運行ルートについて説明する横浜国大の有吉特任准教授
実証実験は無料で乗ることができるが、車両の使い勝手や料金設定についてのアンケートを実施。その結果によって本格実施の形態も変わることになる。
横浜国大都市イノベーション研究院の有吉亮(ありよし・りょう)准教授は「将来的にはプロのタクシードライバーではなく、シルバー人材の活用など、地域の人が運転を担う可能性にも期待している。既存の交通の隙間を埋めるシステムを、地域ぐるみで育てていってほしい」と語る。
ロゴマークなどは横浜国大の研究室が作成した手作り
モニターに登録しているのは高齢者で、80代~90代も多く、平均は70歳くらいだという。30代~40代の利用者もおり、子育て中の世代など、さまざまなライフスタイルに対応していくことが狙いだ。
実証実験が終わる直前の11月15日まで、新規モニターを受け付ける予定。
対象地域にお住まいの方は、一度乗り心地を試してみてもいいかもしれない。
取材を終えて
実験中、坂を駆け上がるゴルフカートを不思議そうに眺める地域の方に、実験の趣旨を説明すると「確かにこの辺りは坂が多いものね。バス停まで歩くのは大変」と日々の苦労を話していた。市内で交通に不便を抱えているのは、このエリアだけではない。
この「とみおかーと」が、横浜の坂を乗り越える秘密兵器になるのだろうか。
「駅まで電動小型低速車で行こう!」・・・なんてことが当たり前になる日は、そう遠くないのかもしれない。
ー終わりー
マッサンさん
2018年11月05日 09時30分
冬の雪道は休止だろうね。雪道、風雨を力強くクリアできたらいい。ならばコミューターカーとしての価値は高まるだろうし、心強い。。。
peachpurinさん
2018年11月03日 00時17分
自動運転のタクシーで十分かと。天下り団体が税金で無駄な活動してるようにしか見えない
LA-CL3さん
2018年11月02日 18時03分
これ、本当に住宅地の通行量のないところだけを走ってくれれればいいけど…少しでも表通りに出てきたら、大渋滞の原因になるよ。「お先にどうぞ」と書いてあったって、軽自動車扱いだから追い越し禁止場所では追い越せず、後ろをついていくしかないんだから。ゴルフ場で使う前提の設計で座席がむき出しだから、交差点で車が真横に突っ込んでくれば乗員は危険だし、自転車と歩行者がぶつかって歩行者が亡くなる事故も多発しているから、「低速なら安全」みたいな間違った考え方もあまり前に出すべきではないと思うんだけどね。まあ、坂道の多い地域では便利になることは間違いないので、実験の行方を見守りましょう。